いつかの岸辺に跳ねていく の商品レビュー
加納朋子のいつかの岸辺に跳ねていくを読みました。 幼なじみの森野護と平石徹子の物語でした。 前半の「フラット」で護からみた徹子が語られます。 いつもは冷静でおちついているのに、ときどき急に変なことをする女の子。 中学・高校での思い出、成人式での事件などが語られていきます。 後...
加納朋子のいつかの岸辺に跳ねていくを読みました。 幼なじみの森野護と平石徹子の物語でした。 前半の「フラット」で護からみた徹子が語られます。 いつもは冷静でおちついているのに、ときどき急に変なことをする女の子。 中学・高校での思い出、成人式での事件などが語られていきます。 後半の「レリーフ」では徹子からみた護が語られ、隠されていた謎が解き明かされていきます。 徹子は目的を達成できるのでしょうか...
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※このレビューにはネタバレを含みます
加納朋子さんの本に長く接したせいもあって、「フラット」から「レリーフ」への転回には正直さほどの驚きを受けませんでした。物語が行き詰まりを見せ始めても、「でも大丈夫、加納先生だから絶対に大丈夫」と祈りを込めながらページをめくっていました。ファンとして、完全にダメな読み方だと思います(苦笑)。 だからこそ、訪れてしまった悲劇と、その後の傷口への塩の塗りこめっぷりには絶望と怒りを禁じえませんでした。だがしかし、ここからの怒涛の巻き返しの素晴らしさたるや!散りばめた伏線と交友と人生経験の積み重ねが、美しい画を描いて行く様を、まざまざと見せつけられました。 何よりも、平々凡々としたエピローグと見せかけて最後の最後に放るダメ押しが素晴らしい。ここまで盛大に感情を揺さぶられたのも久しぶりです。と言うか、最後の2ページを開いただけで何度も泣きそうです。 「泣ける話ならコレ」と知人に勧められて「いちばん初めにあった海」から加納作品に入った自分としては、もうドンピシャ過ぎる1冊でした。再びこんな感動に出会えた幸運に、深く深く感謝です。
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初めて読む加納朋子さん。 みなさん、とても素敵なレビューを書かれているので、気になっていた作品です。 率直な感想は…読んで良かった!! 読了後もしばらくの間、胸の中に熱を持っている感覚。 この熱は炎ではなく、温かな灯火だろうか。 なぜなら最後のページ。穏やかでなだらかで、幸福に...
初めて読む加納朋子さん。 みなさん、とても素敵なレビューを書かれているので、気になっていた作品です。 率直な感想は…読んで良かった!! 読了後もしばらくの間、胸の中に熱を持っている感覚。 この熱は炎ではなく、温かな灯火だろうか。 なぜなら最後のページ。穏やかでなだらかで、幸福に満ちた場面で終わりを迎えるから。 しかし、この穏やかな場面に辿り着くまでは、長い道のりなのです。 作品は前半の「フラット」と後半の「レリーフ」の二部構成からなる、幼馴染の護(まもる)と徹子の物語。 前半は、ヘンテコな行動をする徹子を見守る護の視点で語られる。 淡い恋心など青春の日々を、淡々と描いている感じ。 それがパタッと唐突に終わってしまう。 えっ?って感じ。 そして後半。こちらは徹子視点で、前半の答え合わせの様に進んでいき、雰囲気も全く違う。 もうここからは、ページをめくる手が止まらない。 途中、読むのが辛いほど悲しい場面もあるが、絶対に最後まで読むべし。 みなさんのレビュー同様、最後まで読んでこその作品なのです。
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これはすごく良いお話だった。 幼馴染みの護と徹子。幼い頃から始まって小学校、中学、高校で進路は分かれたが、それでも大学、社会人と続く二人のお話。 時々訳の分からない行動をしたりするちょっと変わった子である徹子を見守る護の視点で描かれる前半は、幼い頃の河原での記憶や高校時代の友人...
これはすごく良いお話だった。 幼馴染みの護と徹子。幼い頃から始まって小学校、中学、高校で進路は分かれたが、それでも大学、社会人と続く二人のお話。 時々訳の分からない行動をしたりするちょっと変わった子である徹子を見守る護の視点で描かれる前半は、幼い頃の河原での記憶や高校時代の友人を絡めたエピソード、成人式の出来事などに彩られながら進む青春物語で、ちょっと切ないけれど適度な距離間の二人の関係にほのぼのとさせられる。 ところが、徹子視点で語られる後半はその雰囲気がガラリ一変。これまでの徹子の突飛な行動の訳が明かされ、彼女なりの倫理から一人で困難に立ち向かう闘いに胸が詰まる。 終章、時を経て、徹子が冒頭に語った光景に行き着く展開に、胸は温かく満たされた。
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さすがの加納朋子作品。 フラットとレリーフに分かれており、前半のフラットでは幼馴染同士(護と徹子)の甘酸っぱい初恋模様が護の視点で描かれている。後半のレリーフでは徹子の視点でひとつずつ謎が解き明かされサイコパスの登場でハラハラドキドキの展開に。運命に挑戦する徹子が健気で息もつかず...
さすがの加納朋子作品。 フラットとレリーフに分かれており、前半のフラットでは幼馴染同士(護と徹子)の甘酸っぱい初恋模様が護の視点で描かれている。後半のレリーフでは徹子の視点でひとつずつ謎が解き明かされサイコパスの登場でハラハラドキドキの展開に。運命に挑戦する徹子が健気で息もつかず一気に読了した。
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久しぶりに加納朋子さんの本を読みました。やっぱり面白いです。 前半の「フラット」を読み終わったとき、ほろ苦い幼なじみの恋の話でせつないけどいいなと思ったと同時にミステリーは???、どういうこと???となりました。でも、後半の「レリーフ」を読み出すと謎がどんどん解けていき、私が望ん...
久しぶりに加納朋子さんの本を読みました。やっぱり面白いです。 前半の「フラット」を読み終わったとき、ほろ苦い幼なじみの恋の話でせつないけどいいなと思ったと同時にミステリーは???、どういうこと???となりました。でも、後半の「レリーフ」を読み出すと謎がどんどん解けていき、私が望んでいた結末になり、よかったです。途中は本当に嫌で嫌でしょうがなかったです。 さてさてさん、お薦めして頂きありがとうございました。 りまのさん、やっと読めました。面白かったですね。
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さてさてさんが、加納朋子さんの描く世界観の中で、一番好き、と、おっしゃっていたので、加納朋子さん、初めてだったのですが、この本を読んでみました。 最後まで読んで、すごく良かった! (T_T) 子どもみたいな感想ですが、読めて良かったです! さてさてさん、ありがとうございました!...
さてさてさんが、加納朋子さんの描く世界観の中で、一番好き、と、おっしゃっていたので、加納朋子さん、初めてだったのですが、この本を読んでみました。 最後まで読んで、すごく良かった! (T_T) 子どもみたいな感想ですが、読めて良かったです! さてさてさん、ありがとうございました! この頃 すごく遅読なのですが、加納朋子さん、また読んでみたいと思います。 \(^o^)/
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※このレビューにはネタバレを含みます
本書は「フラット」と「レリーフ」という二章構成である。 「フラット」は、護という男の子の目線で描かれている。加納先生の作品は何冊も読み漁ってきたが、正直なところ、男性目線を描くのはあまり上手ではないと思う。いや、”上手ではない”という表現は、私の好きな作家先生に対してあまりに失礼かもしれない。しかし、私にはどうも字面が滑っていってしまい、すとんと頭の中に入ってこないのだ。向き不向きの問題だと思う。 さて、ストーリーはというと、ちょっと不思議な幼馴染の女の子(徹子)を、”恋”ではない”憧れ”のような感情で応援し続ける護という男の人生を描く。 この”恋”ではない感情。私には、分かりすぎて辛かった。分かりすぎたゆえに、ラストシーンでは衝撃を禁じえなかったのだ。喉の奥からすっぱいものがこみ上げて、「まじかー・・・・・・」と口にしてしまった。 それまで、徹子と周りで起きる出来事をかくもシンプルに描き続け、文字通り”フラット”にストーリーが進んできたところに晴天の霹靂。 ずっと、護を通して、寄り添うように進んできたストーリーから突然見捨てられて、この「フラット」は幕を閉じるのである。 次に、「レリーフ」は、徹子という女の子の目線で描かれている。基本的には同じ時間軸の同じ事象に対して、二人の目線を通して物語が進んでいくのだが、ここからのストーリー展開はかくも見事かと、ページをめくる手を止めることができなかった。 徹子が護の知らないところで奮闘してきた様子が、フラットだった本書のストーリーに、とても見事に影を落としていく。 衝撃の事実の説明があったかと思うと、突然のラスボスの出現があり、健気に立ち向かう徹子の様子に手に汗を握る(そして、意外と徹子は無能というか・・・・・・そんなに強い女の子じゃないことに気づかされる)。 結局、変わらない未来に、この先どうなるんだと思ったところに、もう一人の主人公が華やかに参上するあたり、アニメ化して欲しいと思うほどだ。 最後は、すべてのピースが綺麗にはまり、多幸感に包まれながら読後を迎えることができた。 お手本のようなプロット、ストーリーに感服させられた。SFやファンタジー、あるいはミステリーのような強い刺激が欲しい人には向かないかもしれないが、日常の延長戦上にありそうな低刺激系が好きな人にはオススメできる。
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前半のかったるい青春物語で止めてしまうのは、もったいない。 後半の異常な物語展開にゾクッとするはずである。
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わたし的に作者さんの作品の中でも一番読みやすかった気がします!‼︎ 最初からずっと楽しいしスラスラ読めるし後半入ってから、えっそういうことだったのってわかった瞬間からあっという間に読み終わりました 温かみがあって面白さ、悲しさ、驚きもあり素敵な物語でした お気に入りです是非よんで...
わたし的に作者さんの作品の中でも一番読みやすかった気がします!‼︎ 最初からずっと楽しいしスラスラ読めるし後半入ってから、えっそういうことだったのってわかった瞬間からあっという間に読み終わりました 温かみがあって面白さ、悲しさ、驚きもあり素敵な物語でした お気に入りです是非よんでみてください
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