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夏物語 の商品レビュー

4.1

270件のお客様レビュー

  1. 5つ

    84

  2. 4つ

    98

  3. 3つ

    45

  4. 2つ

    7

  5. 1つ

    3

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2024/08/22
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

Audibleにて拝聴。 ささきのぞみさんのナレーションがとにかく良い。 登場人物毎に変わる声色やテンポ感、感情の表現が丁寧で長時間聞いても疲れない。 ストーリーは序盤は楽しめたものの、終盤になるにつれ違和感やどうしても拭いきれない不快感が残ってしまった。 主人公と逢沢の関係の曖昧さ 独りで産んで独りで育てるという選択の強調 結局そのような終わり方をしたかっただけのような印象を受けてしまう雑な物語の終わり (ただ単に自分の期待値が高まってしまい生命の誕生をもっと深く読みたかっただけかもしれない) ただここまでいろいろな視点や思想、テーマが盛り込まれた小説は多くなく、そこに関しては評価したい。

Posted byブクログ

2024/08/18

遊佐にも仙川さんにも善百合子にも紺野さんにもそれぞれの思いがあって、どれが正解とかはない。子供をこの世に生み出すことは、その子に辛い思いをさせることになるかもしれないし、生まれないことが1番幸せかもしれないけど、そんな極端なことでもない。というか、あまりにも社会が複雑になりすぎて...

遊佐にも仙川さんにも善百合子にも紺野さんにもそれぞれの思いがあって、どれが正解とかはない。子供をこの世に生み出すことは、その子に辛い思いをさせることになるかもしれないし、生まれないことが1番幸せかもしれないけど、そんな極端なことでもない。というか、あまりにも社会が複雑になりすぎて、生きることが大変な作業になりすぎているんだと思う。

Posted byブクログ

2024/08/20

なぜ子供がほしいのか、、そんなこと考えず、子供がほしいというただそれだけの気持ちで子供を作れたらどんなに幸せだろうかと思う。 現代はいろんな価値観、生き方があり、考えこんで動けなくなる… 子供を産むことは親のエゴであるということは自分の価値観と一致していた。子から産んでくれと頼...

なぜ子供がほしいのか、、そんなこと考えず、子供がほしいというただそれだけの気持ちで子供を作れたらどんなに幸せだろうかと思う。 現代はいろんな価値観、生き方があり、考えこんで動けなくなる… 子供を産むことは親のエゴであるということは自分の価値観と一致していた。子から産んでくれと頼まれてもなく、親が産みたいから産むのだ。 ただ、だからこそ我が子を愛すことの義務や責任はあるように思う。 登場人物がお互いの生き方について話してぶつかる場面も多いが、正直他人の人生に対して口出しする(特に子供という極めてセンシティブなことについて)ことはタブーだと改めて思う。 それぞれの立場、考え方、生きてきた時間がある中で、本当に相手にとって良いことなどわかるはずがない… いろんな意見や価値観に揺さぶられることも多いが、結局は自分の人生、自分が納得できるように生きていきたいなと思った。

Posted byブクログ

2024/08/16

乳と卵を読んだことがあったため、前半は知ってる知ってる〜と流し読み。ただ、一回目は独特の文体が苦手に感じたが今回はなぜだかすらすら読めた。 後半部分は体外受精や精子提供による出産など、いのちについて考えさせられるテーマ。重いテーマを扱いながらも非常に読みやすく、関西弁で織りなさ...

乳と卵を読んだことがあったため、前半は知ってる知ってる〜と流し読み。ただ、一回目は独特の文体が苦手に感じたが今回はなぜだかすらすら読めた。 後半部分は体外受精や精子提供による出産など、いのちについて考えさせられるテーマ。重いテーマを扱いながらも非常に読みやすく、関西弁で織りなされる会話も心地よく、ちょうど良いバランスに感じた。読了後重い気持ちになりすぎず、命について考えさせられるといった点で、素晴らしい作品だと感じた。

Posted byブクログ

2024/08/12

子供が欲しいと思うのはなんでか?子供が欲しいとはどういう感情か?子供が欲しいのは親のエゴか自己満足か? 生まれてきて幸せなのか?生まれてこないことの方が幸せか? 私もどこかで生まれてこないことの方が幸せだと思っている。いや幸せというか始まらなければ幸せも悲しみもないと言う考え、...

子供が欲しいと思うのはなんでか?子供が欲しいとはどういう感情か?子供が欲しいのは親のエゴか自己満足か? 生まれてきて幸せなのか?生まれてこないことの方が幸せか? 私もどこかで生まれてこないことの方が幸せだと思っている。いや幸せというか始まらなければ幸せも悲しみもないと言う考え、善さんの考えが本当にその通りで至って、シンプルな正解のようでとても悲しかった。 こんな難しすぎる問題に結局答えはない。それでも考えて想像して迷って、いろんな過去を振り返って、結論を出した夏子はかっこいいと思った。自分が同じ結論に至るとは思わないけど、正解かどうかは置いておいて、そうやって結論も自分で出して納得して進んでいくしかないのだろうと。それが忘れるより間違うということなのだろうと思った。 川上未映子さんの作品は他にもいくつか読んでいるけど、やはりその時主人公が見たものの描写が細かく特徴を捉え、情緒的で読んでいると目の前にくっきりとその情景が浮かんでくる。 考えすぎるほど考え抜く夏子の性格も、全て漏らさず言語化する、だけど長々しくなく、いや長いのだけれどそれは臨場感があり共感せざるを得ない。 夏子のその性格はきっととても生きづらいだろうと思いながらもそうやって生きている人がたくさんいる。何より、私もその1人だと思った。

Posted byブクログ

2024/08/10

1度読もうと決意し第1章で挫折してしまったのですが、この度もう1度トライすることにしました。途中まではどうお話が展開するのか読めなかったため、なかなか読むスピードが伸びなかったのですが、それでもなんとか読み終えた次第です。 本作は独身の小説家である主人公が、子どもを産みたいと望...

1度読もうと決意し第1章で挫折してしまったのですが、この度もう1度トライすることにしました。途中まではどうお話が展開するのか読めなかったため、なかなか読むスピードが伸びなかったのですが、それでもなんとか読み終えた次第です。 本作は独身の小説家である主人公が、子どもを産みたいと望み、精子提供に興味を持つ。その精子提供について調べる中で、精子提供によって産まれた人と出会うというお話。 本作のテーマが出産や生命ということで、後半はめちゃくちゃ重い話だなと思いました。特に私が30手前であり、多くの友人が結婚、出産の話をしているため、余計に重く感じました。本作で最も印象に残ったのは、子どもを作ることは親のエゴだという言葉で、正直この考え方に驚くとともに納得感もあって、ズシリと心に刺さった感じがありました。

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2024/08/06

私自身も同じ体験をした事がある話がいくつか登場し、その当時は堪えていた、本当は辛かったんだという感情を代弁してもらったような、何年も経過した今ようやく昇華できたような気持ちでいます。出逢えてよかった作品です。

Posted byブクログ

2024/08/07

妊娠中にこれを読むと、自分の身体と感情と本の登場人物を切り離して考えられなくなって剥き出しにされるようででも共感はできなくて生理的にゾワゾワする。神秘とか繋ぐ生命とか綺麗事は言えるけど妊娠出産育児なんて突き詰めれば自分のエゴで自分の物語なんだろうけど精子提供とシングルの違いも客観...

妊娠中にこれを読むと、自分の身体と感情と本の登場人物を切り離して考えられなくなって剥き出しにされるようででも共感はできなくて生理的にゾワゾワする。神秘とか繋ぐ生命とか綺麗事は言えるけど妊娠出産育児なんて突き詰めれば自分のエゴで自分の物語なんだろうけど精子提供とシングルの違いも客観的には一方通行で線引きはできないしなんというか難しい、そして読んでて落ち着かない。

Posted byブクログ

2024/08/04

「すべて真夜中の恋人たち」以来。内容の良い悪いは関係なくこの作者とはとことん相性が合わないんだなと思う。評価の良い作品なだけにそれを楽しめない・消化できない自分にがっかりもした。巻子と銭湯に行ったときのシーンで「湯の匂いとしか言いようのない匂いで充満している。」という描写で、ん?...

「すべて真夜中の恋人たち」以来。内容の良い悪いは関係なくこの作者とはとことん相性が合わないんだなと思う。評価の良い作品なだけにそれを楽しめない・消化できない自分にがっかりもした。巻子と銭湯に行ったときのシーンで「湯の匂いとしか言いようのない匂いで充満している。」という描写で、ん?当たり前なのでは?と思い心がざわつき始めてもうダメだった。ただ第一部の内容はすごくよかった。卵をつぶしあうシーンなんかとても引き込まれた。

Posted byブクログ

2024/07/16

お互いに要望はなくて、自分の考えを共有する。 基本は一人で育て、会いたい時に会うような父娘関係が生まれた時から築かれたものだったら、またなにか違うのだろうなと思った。 最近、結婚や出産に対して、王道コースを歩むことになぜか疑問を抱いていたが、夏目の精子提供者と娘の関係性の築かせ方...

お互いに要望はなくて、自分の考えを共有する。 基本は一人で育て、会いたい時に会うような父娘関係が生まれた時から築かれたものだったら、またなにか違うのだろうなと思った。 最近、結婚や出産に対して、王道コースを歩むことになぜか疑問を抱いていたが、夏目の精子提供者と娘の関係性の築かせ方がスッと腑に落ちるような感覚があった。

Posted byブクログ