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見知らぬ人 の商品レビュー

3.6

58件のお客様レビュー

  1. 5つ

    9

  2. 4つ

    24

  3. 3つ

    17

  4. 2つ

    8

  5. 1つ

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2024/08/27

ざっくりと一括りにしてしまうのは甚だ乱暴かつ恐縮ながら、ここからもうひとひねりふたひねり、というところで意外やあっさり素直に終わってしまい、職人芸に欠けると思わされる物語が欧米のミステリーには少なくない中、この作品については良い方に期待を裏切り、しっかり骨太の構成で成り立っている...

ざっくりと一括りにしてしまうのは甚だ乱暴かつ恐縮ながら、ここからもうひとひねりふたひねり、というところで意外やあっさり素直に終わってしまい、職人芸に欠けると思わされる物語が欧米のミステリーには少なくない中、この作品については良い方に期待を裏切り、しっかり骨太の構成で成り立っていることを見せつけてくれた。 主要人物たちのキャラクター造形という点ではぽやっとしている印象もあるが、プロットは実に巧みで、作中作も有効に活かされている。 いかにも英国らしい、どんよりした空模様が似合いそうな雰囲気を醸し出しているとも言える。 シヴィアな読み方をすれば瑕疵は色々と出てくるが、充分良質なパスタイムではある。 ひと段落、という誤用が訳文にあるのはいただけない。

Posted byブクログ

2024/07/30
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おもしろいはおもしろいんだけど犯人の動機をきいてもなんかあんまり納得感が得られなかった... クレアに惚れ込んで、近づくためにその娘と付き合うってなかなかに気持ち悪い行動なんだけど、それをされたジョージーが彼を許さなくちゃってなっているのも私の感覚したらよくわからない。許さなくていいよそんな男。

Posted byブクログ

2024/05/05
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

ホランドの見知らぬ人のどこがホラーなのか分からない? 語り部が、犯人なの? 何故、肝試しをした人と立会人が次々と死ぬの? 意味が分からない? そして肝心の本編も3分の2位、詰まらない。 解説にも有るけど、事件の進行が遅い。我慢して読んで最後の犯人も、意外と言えば意外だけど、この結末に導くなら誰でもが犯人になれたんじゃない? つまり、作者の胸三寸で、無理矢理に犯人を作っているような不自然さを感じてしまうんだよね。 だいたい、人を雇うのに個人情報をきちんと確認しないって、あり? なんか、釈然としなかったな。

Posted byブクログ

2024/03/29

久々に当たりというか、読んでてイライラしない作品だった。いつものように9割近く最後の方になっていきなりネタバレするんですが、それもよし、って感じで。人物の心の描写が的確で、もやもやしなかった。100パーいじわるな人間なんていないし、その日の午前と午後では機嫌が違ったり、周囲の人間...

久々に当たりというか、読んでてイライラしない作品だった。いつものように9割近く最後の方になっていきなりネタバレするんですが、それもよし、って感じで。人物の心の描写が的確で、もやもやしなかった。100パーいじわるな人間なんていないし、その日の午前と午後では機嫌が違ったり、周囲の人間の影響されてたりとか、そういう繊細な流れの描写が上手だなーと思いました。 ミステリーとしては特に普通

Posted byブクログ

2024/03/05

最初の章で主人公クレアが好きになっていたので、次章で刑事ハービンダーに悪く言われていたのがショックでした笑。 フェアな犯人探しだし、最後にはクレアとハービンダーにも友情めいたものが生まれて、気持ちいい読後でした。自作も読みたいし、過去作も翻訳して欲しい!

Posted byブクログ

2023/11/16

イギリスの著名作家エリー・グリフィスの作品として、初めて手に取ったが、王道的な欧米ミステリー文学のようだった。スティーブン・キングの作品のような陰鬱で物憂げ、オカルトチックな雰囲気を持ちながら、アガサ・クリスティーやダン・ブラウンのような鮮やかなミステリーの構成が見事に調和してい...

イギリスの著名作家エリー・グリフィスの作品として、初めて手に取ったが、王道的な欧米ミステリー文学のようだった。スティーブン・キングの作品のような陰鬱で物憂げ、オカルトチックな雰囲気を持ちながら、アガサ・クリスティーやダン・ブラウンのような鮮やかなミステリーの構成が見事に調和している。あたかも、ホランドという作家が実在したような設定の現実感や、視点を常に入れ替え続けそれぞれの人間模様、人としての特性を巧みに描き出して読者を魅了している。もう一度しっかり読み返すことで、充実感が増すであろう作品。

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2023/10/14

ここ最近でこれほど読み進めれなかったのは久しぶりだった。 まず、登場人物がかなり多くて把握するのが大変。その上に、視点がコロコロ変わるので噛み砕くのが難しかった。 200ページくらいまで説明が続き、覚えきれない。 半分程で少し展開が変わってきたが、先を読む気力がもうなくなって...

ここ最近でこれほど読み進めれなかったのは久しぶりだった。 まず、登場人物がかなり多くて把握するのが大変。その上に、視点がコロコロ変わるので噛み砕くのが難しかった。 200ページくらいまで説明が続き、覚えきれない。 半分程で少し展開が変わってきたが、先を読む気力がもうなくなってしまった。断念。

Posted byブクログ

2023/08/24

入れ子形式で進む小説にしては目新しさもなく、これといって特筆すべきような点もなく進んだという印象が強い。登場人物の多さもそうだが、どこかごちゃっとしていて取っ付きづらく自分には合わない作品だった。

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2023/08/23

イギリスの学園で起こる事件。 文学作品に絡んだ重厚なムードと繊細な描写が魅力的な作品です。 クレアは地方の中等学校の英語教師として赴任してきた。 もともと文学の研究課題としていたR・M・ホランドの邸宅が校舎となっている学校で、今は放課後の成人向けのクラスでホランドについての講座...

イギリスの学園で起こる事件。 文学作品に絡んだ重厚なムードと繊細な描写が魅力的な作品です。 クレアは地方の中等学校の英語教師として赴任してきた。 もともと文学の研究課題としていたR・M・ホランドの邸宅が校舎となっている学校で、今は放課後の成人向けのクラスでホランドについての講座も持っています。 旧館にはホランドの書斎がそのまま残されているのだった。 そしてそこで、ホランドの作品「見知らぬ人」を思わせるような事件が‥ 離婚してロンドンを離れたくなり、娘を連れて移り住んできたクレア。 以前からずっと日記をつける習慣があり、その日記の内容と、クレアの視点、娘のジョージー、女性刑事のハービンダー・カーの視点が交錯します。 その構成の妙に、興味が惹きつけられ、一読した後すぐに最初から読み直しました。 架空の作家であるホランドの意味深な作品と生涯の謎。 クレアはどんな人なのか? 日記には夫への未練は全く書かれず、どうも夫はあまり思いやりがないタイプなのだろうと推察できます。 一番気になっているのは娘の進路。難しい年頃なので、強く勧めるわけにもいかないのだ。 自分の外見や服についての描写がなく、コンプレックスはなさそう。今は恋愛に興味はないが、同僚に一方的に恋されたりもしたので、普通に美人なのか? ハービンダーが捜査のためにクレアに会った時に、最初にいきなり反感を抱く。 これはインド系で小柄なハービンダーが色々なコンプレックスを抱えているため。後ですぐ気が変わるのだが。 クレアは長身でショートヘア、モデルのような印象的な美人、そうだったのか~自分のスタイルが決まっているのと重要な関心は文学にあるため服には悩まないらしい。 ハービンダーは30代で独身、親の家に住み、恋人もいない。そのことをかなり気にしているのだった。 インド系のインテリ家庭はそんな感じあるのかしら。他の小説でも似た設定を見かけます。 ミステリとしては、この書き方で犯人はわからないかと。 ヒロイン同様、目くらましされたまま、意外な結末へ。 他の部分に引き込まれて読み応え十分、面白く読みました。

Posted byブクログ

2023/07/07
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

勝手に読みにくそうと先入観を抱いていたが、とても読みやすかった!事件とは関係のない描写(登場人物たちの生活や思いなど)が多かったが、それが逆に物語に深みを増していたと思う。(私の大好きなクリスマスに少女は還る、に似ている)犯人は、確かに予想もつかない人物だった。が、犯行理由や逮捕されてからの部分はあまり描かれておらず、フーダニットに重きを置いているわりに人物像が掴めなくてそこが少し残念だった。  ホランドと【見知らぬ人】というサイドストーリーも物語に雰囲気を醸し出していて良かった。最初、ホランドは実在の人物かと思って調べたら、架空の人物だった。そのくらいリアルだった。

Posted byブクログ