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見知らぬ人 の商品レビュー

3.6

58件のお客様レビュー

  1. 5つ

    9

  2. 4つ

    24

  3. 3つ

    17

  4. 2つ

    8

  5. 1つ

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2023/04/26

☆3.5 犯人や犯行動機はうーん?と思ったものの、さまざまな年齢・立場の女性たちの生活っぷりや身近にある階級社会の描き方がよかった。 私は皆さんの感想と違ってハービンダーは苦手(攻撃的すぎる)、クレアが好きです。 さまざまな部屋の描写やティーンの背伸びした感じがなんともいえないイ...

☆3.5 犯人や犯行動機はうーん?と思ったものの、さまざまな年齢・立場の女性たちの生活っぷりや身近にある階級社会の描き方がよかった。 私は皆さんの感想と違ってハービンダーは苦手(攻撃的すぎる)、クレアが好きです。 さまざまな部屋の描写やティーンの背伸びした感じがなんともいえないイギリスっぽさを醸し出していた。アメリカだったらもっと危険なティーン生活だと思う笑

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2023/04/17

謎解きの原点にのめり込む……。 「誰が犯人?」の面白さは、その意外性のみにあるのではない。誰だかわからないうちに変化していく状況を演出することで、先の見えない不安感を読者に共感させる。そこに読者は次第にはまり込んでいく心地よさがある。 捜査中に連続する殺人事件 意味深なシェイク...

謎解きの原点にのめり込む……。 「誰が犯人?」の面白さは、その意外性のみにあるのではない。誰だかわからないうちに変化していく状況を演出することで、先の見えない不安感を読者に共感させる。そこに読者は次第にはまり込んでいく心地よさがある。 捜査中に連続する殺人事件 意味深なシェイクスピア作品からの引用文 古いホラー小説とその作者にまつわる謎 古い洋館と階段に残された足跡 いつの間にか誰かに書き加えられた自分の日記 オカルチックなサークル 自らを「白魔女」と呼ぶ女性教師 学校に伝え続けられる怪談 ひと癖ある刑事の独断と行動が、ときより読者を謎解きへ戻してくれる。 どっぷり浸かる心地よさ……イイですね。

Posted byブクログ

2023/03/31

小説「見知らぬ人」を軸に起こる殺人事件 奇妙な手掛かりと異常な執着心 読み終わった後も、あの謎は結局何だったんだろ?あの人はなぜこう思った?? など、やや謎が残る 最後の最後に犯人が分かり、いい意味で不気味で恐ろしかった… イギリスのミステリーのおどおどしさを楽しめる

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2023/03/17

ある2人を犯人と予想してたけど、全然当たらなくて「やられた」ってなった。 けれど、この犯人に関しては動機が少し浅く感じるし、伏線回収らしいところが少なかった。ホラーミステリーとしては、ゾッとしたので楽しかった。ハービンダーは口悪くて信念強くて好きだ。 「連続殺人鬼」のスペル間...

ある2人を犯人と予想してたけど、全然当たらなくて「やられた」ってなった。 けれど、この犯人に関しては動機が少し浅く感じるし、伏線回収らしいところが少なかった。ホラーミステリーとしては、ゾッとしたので楽しかった。ハービンダーは口悪くて信念強くて好きだ。 「連続殺人鬼」のスペル間違いを「連穀殺人鬼」と訳した上條ひろみさんには脱帽。

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2023/03/01
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

英語教師のクレアは、同僚で友人のエラが殺された事件の容疑者になってしまう。二人が勤務するのは、ヴィクトリア朝時代の怪奇小説作家R・M・ホランドの屋敷を校舎にしたため、自殺した彼の妻の霊がでると噂されるいわくつきのタルガース校。エラの殺害現場には、ホランドが短篇「見知らぬ人」に引用した『テンペスト』のセリフ、「地獄はからだ!」というメッセージが残されていた。教師の傍らホランドの文学研究をしているクレア、事件の担当刑事ハービンダー、クレアの娘でタルガース校に通うジョージアの三視点を行き来しながら、ゴシック小説とSNSテキスト文化を巧みに混ぜ合わせたポップなミステリー。 『窓辺の愛書家』より先にでた、ハービンダーの初登場作品。この人好きだ~。二作読めばもう間違いないのはわかる。作中作の作りこみが特徴なので『カササギ殺人事件』と並べて語られることもあるそうだけど、私はホロヴィッツよりグリフィス派かも。 最初からせわしなく視点が変わった『窓辺~』と違い、本作はまずじっくりとクレア/ハービンダー/ジョージアそれぞれの視点から見た事件が語られる。とにかくこの人は視点操作による情報開示タイミングのコントロールが抜群にうまく、ある人物にとって当たり前すぎて一切触れられない事柄が別視点に切り替わってから明かされて驚かされる(サイモンの再婚相手がアフロなこととか)。オシャレで気取ってる(とハービンダーは思っている)クレアやティーンのジョージアよりもハービンダーのほうが人の服や持ち物を細かく見ていいとか悪いとか品評していたり。警察官らしくもあり、コンプレックスの裏返しのようでもあり、ハービンダーに親しみを感じる描写だ。 ハービンダーがたびたび創作者や読書家たちの「ブッククラブ的な会話」にすさまじく無理解なことを言うのがかなり笑えるのだが、続篇の『窓辺~』でモロに「ブッククラブ的」なグループに彼女を放りこんでるとこからして、このキャラクター書くの楽しくて仕方ないんだろうなぁ(笑)。複数視点が入り混じるスタイルの面白さって誤解を恐れずに言えば「偏見は面白い」ということに由来していて、人にぶつけた偏見が今度は自分に跳ね返ってくるようすがちょっといじわるな大人の笑いを生みだしている。そして『窓辺~』と同じく本作でも、殺人事件の謎とは別に〈他人という謎〉が作品の大きな魅力になっている。 殺害現場に残されたメモとクレアの日記に書きこまれたメッセージの筆跡が同じという段階で、読者視点ではかなり容疑者が絞られてしまうのでフーダニットとしては少し弱い感じだが、作中作「見知らぬ人」とホランドの伝記的事実にまつわる謎がとっても面白いのでおつりがくる。死んだ妻の足あとをそのまま床マットにエンボス加工するアイデアがすごいけど、元ネタあるのかな。 スクールカースト上位の子たちがヒューズ先生みたいな”白魔女”に心を捕えられているという設定もめっちゃ面白いし、エラがいたころの創作クラスの話も知りたかったなぁ。でもジョージアの視点はあるのに、ヒューズ先生の魅力の片鱗しか読者には教えてくれないあたりにグリフィス作品から深い奥行きを感じる秘密がある。しかもジョージア作の小説の書きだしを載せて、たしかに上手いと思わせることで創作クラスに説得力をだしている。どんだけ小説が上手いんだエリー・グリフィス!

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2023/01/29
  • ネタバレ

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エリー・グリフィス初読。 刑事ハービンダー・カーの第1作。 これぞイギリスミステリ、と言いたくなる作品。 (私の中のイメージでは)どことなく暗く冷たい北欧作品、外連味があり大技を繰り出すフランス作品、ミステリより家族との絆が根幹にあるアメリカ作品。それらに比べ、どことなくミステリ色が強く、必要以上に残酷な描写にならないのがイギリスミステリのイメージ。 舞台は、ホラー作家の邸宅だった学校。被害者はホラー作家の小説に見立てられ殺されていたというもの。 正直星3寄りの星4かなぁ。。。 キャラもストーリーも、あんまり残らない。ゴシックホラー味のあるミステリだなぁとは思ったけど。。。 帯の文句で「この犯人は、見抜けない」となっているが、正直ヒント少なすぎたわからないだけでした。 次作の評判が高いので楽しみ。

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2022/10/23
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

見立て殺人とフーダニットに焦点を当てたイギリス発のミステリ。 イギリスの中等学校タルガース校に勤める英語教員のエラが何者かによって殺害されることから物語は始まる。 サセックス警察のカー部長刑事は、エラを殺した犯人はエラの知り合いであろうという推測の元、エラの同僚であり友人だったクレアやその同僚、タルガース校の生徒たちに聞き込みをし、犯人の足取りを追う中で、第2の殺人が起き……。 この物語は3人の主要人物たちが見聞きしたことと架空の短編小説『見知らぬ人』とが足りない情報を補い合う形で物語が進んでいく。実は読者が犯人に気がつけるように少しずつヒントが散りばめられているのだが、かなり注意深く読んでいないと犯人には辿り着けないようになっており、犯人の正体が分かった時に思わず唸ってしまう作品である。 この作品に登場するカー部長刑事が登場する作品がまた出ているようなので、続きも読んでみたい。

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2022/10/19
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

読み応えばっちり、イギリスのミステリーやなぁ…って感触。決して敷居の高い文章ではないんだけど、文字数も中身もみっちり詰まった文章で、想像以上に読了に時間がかかったが、充実した読書時間を楽しめる。 連続殺人事件を3者の目線で描く。英語教師で意識高い系のクレア、女性刑事でシク教徒かつゲイのハービンダー、クレアの娘で少々反抗期かつオカルトに若干はまってるジョージア。それぞれ個性的な3者が協調しつつ反目しあう描写、3視点から見ることで物語を立体的にかつ緻密に構成できる(まぁ、その分みっちり感があるんだけど) そんな3視点で描かれる日常生活…が第一の殺人事件以降次第に崩れていき、真犯人が分からないまま次々と犯行が重ねられていく。3者がそれぞれ不安や恐怖や推理を重ねていく3視点の重厚さが、ここにきて犯人捜しに複雑な要素を加味していく。テクいなぁ。 単品として出版されるも、人気が出てシリーズ続編も出ているらしい、次の翻訳が楽しみである。

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2022/08/26
  • ネタバレ

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〈ここが良い〉 ・小説全体の構成。読ませる力のある小説。 ・物語の緩急。特にティーンエイジャー特有のノリとか恋愛のいざこざの件なんかは、油断させられる。 ・幻想怪奇短編『見知らぬ人』が本当に面白い! 〈ここはちょっと〉 ・見立て殺人の要素は必要ないし、それを題材とする他作品と違い、重要度も低い。 ・クレアへの登場人物(女性)からの執拗な敵意。(美人で魅力的なのをもっと他の表現で示して欲しい) ・ミステリ、推理小説としては単調。 久しぶりに怪奇ミステリを読んだ気がする。 最近はSF×ミステリが流行りな気がして、、、。 本編よりも短編『見知らぬ人』を何度も読み直した。

Posted byブクログ

2022/07/25
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

ホラー短編小説家の旧邸宅の学校で起こる殺人事件。 主人公?、刑事、主人公の娘の3人の視点が切り替わりながら物語が進んでいくのは面白かった。 もう少しホラー小説と絡んでいくのかと思ったが、少し残念。動機もちょっと納得いかない。 あとがきを読むとこの作者には別にメイン?のシリーズ物があるようで、未訳みたいだが、そちらも読んでみたい。

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