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もどかしいほど静かなオルゴール店 の商品レビュー

3.5

53件のお客様レビュー

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2021/08/15

うれしい続編。 舞台は北国の港から南の果ての島へ。 1話40ページ弱の短編集で読みやすい。 いろんな立場の、些細な感情や出来事をテーマにした、オルゴールを聴くときのように穏やかな気持ちになれる作品。 前作と比べると、一つ一つ中途半端なところで終わって、その後が気になるのに…と...

うれしい続編。 舞台は北国の港から南の果ての島へ。 1話40ページ弱の短編集で読みやすい。 いろんな立場の、些細な感情や出来事をテーマにした、オルゴールを聴くときのように穏やかな気持ちになれる作品。 前作と比べると、一つ一つ中途半端なところで終わって、その後が気になるのに…と思わせるものが多かった。 だけど今作もよき。 この本の中では、最初のカップルの「カンタナ」と、店主とババ様の「からっぽ」がすき。 そして何より、最後の「みちづれ」。まさか前作のあの子のその後が描かれているなんて! あと、周りを魅了させるババ様の歌声が気になる。聴いてみたい。

Posted byブクログ

2021/08/14

「ありえないほどうるさいオルゴール店」の続編。 前作では北の観光地が舞台だったが、今作品では南の島に店を移したようだ。ちなみに前作で店主に想いを寄せていた女性も出て来る。なかなかのバイタリティ。 相手の『心の中に流れている音楽』が聴こえるという不思議な能力を持つ店主が営むオルゴ...

「ありえないほどうるさいオルゴール店」の続編。 前作では北の観光地が舞台だったが、今作品では南の島に店を移したようだ。ちなみに前作で店主に想いを寄せていた女性も出て来る。なかなかのバイタリティ。 相手の『心の中に流れている音楽』が聴こえるという不思議な能力を持つ店主が営むオルゴール店。 今回も様々な客たちがやって来る。 島に戻ってきた幼なじみにプロポーズしたい郵便配達員の青年、夫から離婚を切り出されて島に逃げてきた女性、一時滞在中の生意気な少女と仲良くなった島の少年、マイペースな研究者の夫と島で暮らすことになった外国人女性、メジャーデビューして直ぐに表舞台から消えた友人を追ってきた男性、島神様へ歌を捧げている『ババ様』、そして難聴の兄と共に島に来た女子高生。 オルゴールを作ってもらう人もいれば、店主と接するだけの人もいる。 いずれも共通するのは、このオルゴール店に来て店主と接していると気持ちが落ち着き焦りや不安などのネガティブな思いから一旦離れリセット出来ること。 短編集なのでそれぞれの結末がはっきり書かれていないものもある。だがどのような結末であれ本人が自ら一歩踏み出そうとするところはホッとする。 小さな島での話なので、それぞれの登場人物たちが後の話で交錯するのも楽しい。少年と生意気な少女との小さな恋は可愛らしい。 最後の話の耳の聴こえない青年はもしかして…と思ったらやはりだった。しかし第一話では三十代半ばだった店主が、最終話では青年と女子高生の『親くらいの世代』になったということ、もっと言えば前作から『二十年近く』経っているということは、この島が気に入って腰を据える気になったということだろうか。 ※「ありえないほどうるさいオルゴール店」レビュー https://booklog.jp/users/fuku2828/archives/1/4344032926

Posted byブクログ

2021/07/09
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

『ありえないほどうるさいオルゴール店』の続編。 北の街でひっそりと営業していたありえないほどうるさいオルゴール店が、ある日店を閉め、遠く離れた南の島にもどかしいほど静かなオルゴール店として再開。 耳がよすぎる店主にだけ聞こえる誰かの心に流れる曲。 自分の心にはどんな曲が流れているのだろう。いつかこの先、なにかとても苦しいことがあったとき、あるいはとてもうれしいことがあったとき、ガジュマルのオルゴール店に行ってみたいな。そして自分だけのオルゴールを作ってもらいたい。 どんな曲を聞き取ってもらえるのだろう。なんだかすごく楽しみだな。

Posted byブクログ