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もどかしいほど静かなオルゴール店 の商品レビュー

3.5

53件のお客様レビュー

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2021/11/06

南の島に“ガジュマルの店”と呼ばれているオルゴール店がある。好きなメロディーをオーダーメイドで作る事もできるし、相談すれば耳利きの職人が、お客様にぴったりの音楽をおすすめしますとも。店主は、お客様の心の中に流れている音楽を聴かせていただくだけだという。このお店のオルゴールにまつわ...

南の島に“ガジュマルの店”と呼ばれているオルゴール店がある。好きなメロディーをオーダーメイドで作る事もできるし、相談すれば耳利きの職人が、お客様にぴったりの音楽をおすすめしますとも。店主は、お客様の心の中に流れている音楽を聴かせていただくだけだという。このお店のオルゴールにまつわる7つのお話、特に印象に残ったのは最初の「カナンタ」と最後の「みちづれ」。「カナンタ」は、島育ちの幼馴染の恋のお話。「みちづれ」は、耳の聞こえない兄と健常者の妹が主人公。兄が3歳の頃に母親と作ったオルゴールにまつわるお話、兄と妹の心の中に流れている曲は…。 島神様にお仕えしているババ様、歌うことと花を捧げることが具体的なお役目なのだが、素晴らしい歌声のババ様の心の中にはどんな音楽が流れているのかオルゴール店主も楽しみにしていたのだが、はたして聞こえてきたのは。 こんなオルゴールのお店があったらぜひ一度、訪ねてみたいです。そして、心の中に流れている音楽をオルゴールにしたいです。心をふんわりと温かく包み込むような読後感でした。

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2021/11/05

柔らかい時間が流れる一冊。音心がないのか、私はこの本を読みながら、音楽は流れてこない。頁から視線をあげと、ふと何かが聴こえる気がする。

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2021/10/12

北の国から南の島への続編。 ひとつひとつがほっこりする暖かいストーリーで、すいすい読めて楽しかった。

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2021/10/09

「カナンタ」 南の島で郵便配達員として働く祐生(ゆうせい)は、新しく出来たオルゴール店でオルゴールを作って貰うことにした。この島の民謡の「カナンタ」で作ってもらい幼なじみで初恋の相手 那奈美(ななみ)に渡して自分の想いを伝える予定だ。 「バカンス」 理央は飛行機に乗って、妹の住ん...

「カナンタ」 南の島で郵便配達員として働く祐生(ゆうせい)は、新しく出来たオルゴール店でオルゴールを作って貰うことにした。この島の民謡の「カナンタ」で作ってもらい幼なじみで初恋の相手 那奈美(ななみ)に渡して自分の想いを伝える予定だ。 「バカンス」 理央は飛行機に乗って、妹の住んでる南の島にバカンスにやってきた。妹の結衣は歯科衛生士として働いてる。しかし、旦那と喧嘩して勢いで来た理央にはすることが無く、海辺でボーッと過ごしていると雷雨に見舞われ、慌ててお店に入るとオルゴールのお店だった。そこで旦那の好きなアーティストの陣野貴一のオルゴールを見つけ、今までのことを思い出し、話し合う決心をする。 「ゆびきり」 十年ぶりに帰ってきた隣の家の娘マミはこどもを預かってくれと行って海外に仕事に行った。颯太と同じ歳ということもあり、親同士が勝手に話を進め、一緒に遊ぶことになる。ユリはバイオリンを習っており、毎日練習していた。新しい楽譜を買いたいと颯太に相談するが、南の島に楽器店は無く、新しく出来たオルゴール店に行ってみることにした。そしてオルゴールを作ってもらい、ユリとの最後の別れの日にオルゴールを受け取りに行くとそこにはユリのオルゴールがあった。お互いのことを忘れないようにオルゴールをこっそり交換しておいたのだ。 「ハミング」 「ほしぞら」 「からっぽ」 「みちづれ」 前作の続きと言う感じの作品で、前回よりも結末がしっかり描かれており良かった。 でも、作品自体は面白くない。

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2021/10/06

図書館の新刊コーナーでジャケ借り。 たぶん波照間島が舞台、の、南海の離島にあるオルゴール屋さんにたどり着く人たちの短編集。 初めの方のいくつかのストーリーには既視感があって、冷めた心で読んでしまってあまり入り込めなかった。けれど、消えたミュージシャンの話、島神様の代弁者たるババ様...

図書館の新刊コーナーでジャケ借り。 たぶん波照間島が舞台、の、南海の離島にあるオルゴール屋さんにたどり着く人たちの短編集。 初めの方のいくつかのストーリーには既視感があって、冷めた心で読んでしまってあまり入り込めなかった。けれど、消えたミュージシャンの話、島神様の代弁者たるババ様の話、ある兄弟の話にはうかつにもジンときてしまった。

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2021/09/30

前作の北から、今回は南のはての島へ。 どこの場所でもオルゴール屋さんは、変わらないし、落ち着いている。 島に住む人、訪れる人の目線で物語が進んでいく連作短編集。 カジュマルの木のちかくにあるせいか、暖かい地域のせいか、前作より本に流れている空気感が、賑やかで、でも、ババ様の章で...

前作の北から、今回は南のはての島へ。 どこの場所でもオルゴール屋さんは、変わらないし、落ち着いている。 島に住む人、訪れる人の目線で物語が進んでいく連作短編集。 カジュマルの木のちかくにあるせいか、暖かい地域のせいか、前作より本に流れている空気感が、賑やかで、でも、ババ様の章では、どこか壮厳な感じもした。

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2021/09/21

もっと読みたいような、きれいにまとまったここで完結が良いような、微妙な気分。おもしろかったですホント。 何はともあれ、自分も作ってもらいたいなー。

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2021/09/18

+++ 「耳利きの職人が、お客様にぴったりの音楽をおすすめします」 ここは、お客様の心に流れる曲を、世界でたったひとつのオルゴールに仕立ててくれる、不思議なお店。 "小さな箱"に入っているのは、大好きな曲と、大切な記憶……。 北の小さな町にあった『ありえない...

+++ 「耳利きの職人が、お客様にぴったりの音楽をおすすめします」 ここは、お客様の心に流れる曲を、世界でたったひとつのオルゴールに仕立ててくれる、不思議なお店。 "小さな箱"に入っているのは、大好きな曲と、大切な記憶……。 北の小さな町にあった『ありえないほどうるさいオルゴール店』が、最果ての南の島で、リニューアルオープンしました! 今回も、7つの物語が奏でる美しいメロディーに載せて、やさしい涙をお届けします。 +++ 大きなガジュマルの木の根方にあるので「ガジュマルの店」と呼ばれる店で開業したのは、オルゴール店だった。普通の既製品のオルゴールももちろん売っているが、その人の心のなかに流れる曲を、店主が聴き取ってオルゴールを作ることもできるという。そんな店を訪れる人々が抱えるさまざまな屈託を、オルゴールの音色が穏やかに解きほぐしていく。スポットライトは店主に当てられるわけではなく、店を訪れる人々を照らし、爪先を向ける方向を示唆してくれる。結果が読者にゆだねられることも多いが、そこがまた心地好いところでもある。まだまだ続きがありそうでわくわくするシリーズである。

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2021/09/05

アンソロジー以外で読むのは初めて 連作短編7作 現在エピソードを少し進めてから補足の過去エピソードの持っていき方に、リズムが取りにくい ただ、作品は優しくて心穏やかに 本当の気持ちはちゃんと言わないと伝わらないなあ

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2021/09/03
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

本の帯に 涙がとまりませんでした。 ピュアでときめく物語。 読むと人にやさしくしたくなる、そんな一冊 心の中が優しさで溢れます。 何だか、ハードル高すぎかしら? と思いながら読み始めました。 カナンタ 祐生 バカンス 理央 ゆびきり 颯太 ハミング ハンナ ハナ ほしぞら 幸宏 からっぽ 千代 みちづれ 咲耶 カナンタ 過去はたやすく消せない。だから、新たに未来を積み重ねるしかない。 バカンス 愛情も、腐れば生ゴミのように臭気を放つ。 あるいは、こわれて動かなくなり、がらくたと化す。 ゆびきり わたしは颯太のこと忘れないよ。…確信に満ちたユリの声音が回っている。同じ旋律をいつまでも繰り返し奏でる、オルゴールみたいに。 ハミング ハンナははっと息をのんだ。夢では、ない。 誰かが、それもすぐそばで、気持ちよさそうにあの曲をハミングしている。 ほしぞら きっと仲よくなれるって、だって、おんなじ曲が心の中に流れてるんだよ。こんな偶然めったにないよ。 からっぽ そうだろう。なにしろ、あのにぎやかな島神様が、彼のことだけは黙って島に迎え入れたのだから。 みちづれ 兄がそっとオルゴールのふたを開けて、中の器械をのぞきこんだ。咲耶もならう。耳から、目から、なつかしい旋律が沁みこんで、胸いっぱいに満ちていく。 南の島時間とオルゴールの櫛歯をはじくようすが、きれいにリンクして、美しい波紋が見えるようでした。 歌の神様に選ばれたの? じゃあ、次のばば様って! 図書館で借りる。2021・9月

Posted byブクログ