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朔が満ちる の商品レビュー

3.8

76件のお客様レビュー

  1. 5つ

    14

  2. 4つ

    34

  3. 3つ

    17

  4. 2つ

    5

  5. 1つ

    1

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2021/09/08

酒に酔っては家族に暴力を振るう父と、母・妹・自分を守るため彼を殺そうと決意した13歳の少年。冒頭からのすさまじい描写に思わずのけぞった。300ページこれかい?と危惧したがさすがにそんなことはなく、無事に読了した。これは父親を殺しそこねた少年のその後を描いた作品である。罪の意識に押...

酒に酔っては家族に暴力を振るう父と、母・妹・自分を守るため彼を殺そうと決意した13歳の少年。冒頭からのすさまじい描写に思わずのけぞった。300ページこれかい?と危惧したがさすがにそんなことはなく、無事に読了した。これは父親を殺しそこねた少年のその後を描いた作品である。罪の意識に押しつぶされそうな彼と、それぞれのやり方で慰撫した3人の女性。葛藤する心の裡が繊細に描写されている。

Posted byブクログ

2021/09/06

虐待を受けて育っただけでなく親を殺そうとした少年がどう成長するのか、という内容で自分が期待したのはダークな展開だったけど、途中からいまいちだった。 梓と出会ってプラトニックな関係で進んでいくまではよかったけど、結局そうなるんかーいって展開でガッカリ。死にかけの父親に会ったあの時点...

虐待を受けて育っただけでなく親を殺そうとした少年がどう成長するのか、という内容で自分が期待したのはダークな展開だったけど、途中からいまいちだった。 梓と出会ってプラトニックな関係で進んでいくまではよかったけど、結局そうなるんかーいって展開でガッカリ。死にかけの父親に会ったあの時点で話が終わっていたらよかった。結婚して子どもできて、っていうのが蛇足な感じで早よ終われよって思ってしまった。 母親にイライラさせられたけど、それ以上に妹が嫌いなんですが…誰も何もつっこまないからモヤモヤする。 許す必要はないってことは理解できるんだけど、最後に「いつか子どもに実家を見せられたら…」とか何言ってんの?って感じ。 カバーの禍々しさはどこへやらって感じの終わり方で残念だった。

Posted byブクログ

2021/09/04
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

血を思わせる真っ赤な装丁に斧、この本の表紙が史也の心の闇?いや十字架を語っている。 こんな父親(DV男)殺そうとして当然だよ。 そしてまた母親も、させるがまま。謝るだけで子どもたちを暴力から守ろうとしない、子どもの時はわからなくても、大人になったらその母親も憎むのは当然のこと。 史也は何も悪くない。斧で殺そうとしたこと、それが未遂に終わって(大怪我をして車椅子生活になったとしても) 駆けつけた駐在さんが(事情を知って)階段から落ちたという事故として処理し、罪を問われなかったことに自責の念を抱いてずっと生きている。 悪夢にうなされながら。あーなんて苦しい人生なんだろう。 でも、そこは窪美澄、人生は捨てたもんじゃないって思わせる人たちが史也を待ってした。 駐在さんもそうだし、母親の姉である伯母さんが、これまた母親とは全然性格が違い、ぶっきらぼうだけど、人の痛みがわかり史也の一番の理解者といえる。 あの事件を起こし、この伯母と13歳から暮らせたことは彼にとって僥倖だったのではないか。 カメラマンの師匠の吉田さんとの出逢いも。 そして、ソウルメイトとも言える梓と出逢えたことも。 これは小説だけど、似た境遇の子どもたちが少なからず日本にいるということ、その子たちがどうか史也みたいにひとりでいいから寄り添ってくれる人と出会ってほしいと願わずにいられない。 朔…地球から見て月と太陽とが同じ方向となること。   また、その時刻。

Posted byブクログ

2021/08/30

伯母の存在が救いだった。 映像化には虐待が辛いかな。 今だってどこかに虐待されている子どもがいるということを思い知らされる。そして落ち込む。 こだわり満載の家を建築家と作ったら、私も怒ってしまいそうだな‥最初に出てきたお父さんみたいな人いっぱいいそう。。

Posted byブクログ

2021/08/25

虐待された子供、施設に預けられた子供が苦しさやトラウマを抱えたまま大人になり、ずっと親を恨む日々が続く苦悩が辛すぎる。朔が満ちる、というタイトルをつけるセンスの良さ。その意味を調べた所、この作品にピッタリと当てはまる内容は流石、と思いました。

Posted byブクログ

2021/08/22

父親からずっと虐待を受けていた史也は父を殺そうとし、そして伯母に引き取られ、東京の大学に進み、カメラマンのアシスタントをしている。何かにつけて思い出すのは、父と虐待を止められなかった母のこと。たまたま行った整形外科の看護師と不思議な出会いをし、、、 うーむ。虐待の場面で読むのが...

父親からずっと虐待を受けていた史也は父を殺そうとし、そして伯母に引き取られ、東京の大学に進み、カメラマンのアシスタントをしている。何かにつけて思い出すのは、父と虐待を止められなかった母のこと。たまたま行った整形外科の看護師と不思議な出会いをし、、、 うーむ。虐待の場面で読むのが嫌になって放置してたけど、以降はむしろ癒しに溢れる展開になり、そしてすごく面白くなった。 そんなにも過去を引きずるなんて損な生き方だなと思いつつ、しかし当事者にしてみれば当然のことなのかも知れない。素晴らしい過去からの再生物語だった。

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2021/08/15

第一章が読むに耐えないほどしんどくて、なかなかページが進まなかった。虐待、と名前をつけることは簡単だけれど、それを受けた子どもたち、あー言葉にできないや、読み終えた後も涙止まんないし。 良き作品でした。出会えてよかった。

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2021/08/08

史也に、いい伯母さんがいて良かった。 そして、梓と出会えて良かった。 妹の千尋も、いい彼氏と出会えて良かった。 人は、やっぱりひとりで生きるんじゃなくて、良い人々との、良い関係の中で、人間らしく成長できるんだろうな。 過酷な日々を生き抜かなければならない子供がいなくなります...

史也に、いい伯母さんがいて良かった。 そして、梓と出会えて良かった。 妹の千尋も、いい彼氏と出会えて良かった。 人は、やっぱりひとりで生きるんじゃなくて、良い人々との、良い関係の中で、人間らしく成長できるんだろうな。 過酷な日々を生き抜かなければならない子供がいなくなりますようにと祈らずにはいられない。

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2021/08/06

いい話だった。 泣いた。 お酒を飲んで暴力を振るう父親。 虐待、家庭内暴力。 辛い過去の悪夢を今でも抱えて生きている。 辛い。 それがこの本の3分の1くらいにわたり書いてあり、 梓さんと出会ってからのことが、どうなるのか知りたくて、どんどん読み進められた。 誰にも話したくない苦し...

いい話だった。 泣いた。 お酒を飲んで暴力を振るう父親。 虐待、家庭内暴力。 辛い過去の悪夢を今でも抱えて生きている。 辛い。 それがこの本の3分の1くらいにわたり書いてあり、 梓さんと出会ってからのことが、どうなるのか知りたくて、どんどん読み進められた。 誰にも話したくない苦しくてずっと抱えていた話を、受け止めてもらえて、とても救われた。 駐在さんがとても温かくて良い人。 青森から帰ってきた妹と2人で話した。昔のあの時の答え合わせのような会話の時に涙が出た。 最低最悪な子供時代が、大人になってから、やっと終わった瞬間だと思う。 薪がスパッと割れなくて、何回も苦労して斧を打ち付けて、でも結局、サクッと2つに薪が割れた時に、憎しみとか、憎悪とか殺意とか、そういうモヤモヤの霧が晴れた瞬間なのかも。 ラストは、女性3人で写真を撮るあたりからラストまで、ずっと涙が止まらなかった。涙涙。 とても良い話だった。

Posted byブクログ

2021/08/04

父親の暴力……エグかったな…………。若かりし頃の駐在さんも、どうやったら解決できるのか色々と悩んだりしたんだろうな…………。

Posted byブクログ