朔が満ちる の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
読み始めはつら過ぎて、なかなか先に進めなかった。 子ども時代の熾烈な経験は、成人して幸せと言える状況になったとしても、いつまでも影となって付きまとうものなのかも。 それをサバイブしていく史也 千尋 梓の姿に、最後はほっと胸をなでおろした。 史也にとっての駐在さんや伯母の存在が、今まさに同じような状況にある子供たちには不可欠だが、暴力に訴えずにはいられない親側の問題をサポートすることも必要だと思う。 DVは家庭内の努力だけでは解決できない問題だから。
Posted by
親からのDV,捨て子など心に傷を抱えた二人,史也と梓.出会うべくして出会い,お互いを支えにしながらその傷を乗り越えていく過程とその先にある許しのごときもの.読み終わってほっとしました. 表紙の絵も大胆で象徴的でこの本の内容にぴったりです.
Posted by
21/10/31読了 正直なところ話の流れは途中から読めてしまって、落ち着くところに落ち着くのだけれど、その世界にどっぷり引き摺り下ろされてしまう。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
サバイブしてほしいと思います、心から。 史也が人目を気にせず梓を抱きしめたところを、妹が見た時の気持ちに強く共感しました。見えなくなったと言った歴史もある妹が、そんな兄の姿を見た時の喜び。どれだけうれしかっただろうか。 そして願わくば、母親にも穏やかな日々が訪れることを祈ります。
Posted by
朔(さく)が満ちる 窪美澄さん。 世の中の出来事には 必ず起因する何かがあるっていうこと。 どんな起因があったとしても、 暴力は許されない。 読みながら、 自分も、 追いかけられているような気持ちになって、 怖かった。 暴力の連鎖。負のスパイラル。 あちら側。こちら側。 ...
朔(さく)が満ちる 窪美澄さん。 世の中の出来事には 必ず起因する何かがあるっていうこと。 どんな起因があったとしても、 暴力は許されない。 読みながら、 自分も、 追いかけられているような気持ちになって、 怖かった。 暴力の連鎖。負のスパイラル。 あちら側。こちら側。 朔が満ちる。 月が満ち欠けしてもとの状態に戻ること。 いま、幸せであって良かった。
Posted by
面白かった。 読み終わっても、タイトルの「朔が満ちる」の意味が分からず、調べた。 深い意味があるんだろうとは思うけれど、普段自分は目にしない言葉なので、あんまりピンとこないなぁ。
Posted by
どう考えても 史也の行動は 正当防衛だと思えるが 親に手をあげたということは 強烈な罪の意識になる 一見 梓と史也は 親からの非道な仕打ちから サバイブしたように見えるが 中身が違う だからこそ 傷をいやし合い 梓が和解への道を 作ることができたんだろ...
どう考えても 史也の行動は 正当防衛だと思えるが 親に手をあげたということは 強烈な罪の意識になる 一見 梓と史也は 親からの非道な仕打ちから サバイブしたように見えるが 中身が違う だからこそ 傷をいやし合い 梓が和解への道を 作ることができたんだろうな しかし 個人的には 斧の刃が父親のほうに 向いちゃってたらいいのに・・・ と思ったよ 月が満ち欠けして また新しく生まれ変わったように見える 人生もまた やり直せるなら という願いに通じるのね
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
良い話だとは思うんだけど。私の父親も家庭を修羅場にする達人だったので感情移入もドップリできたけれども。なんか惜しいな、と思う気持ちが拭えない。酒乱で家庭内暴力を振るう父親に堪りかねて斧で殴りつけた13歳の息子。心の傷は癒えないまま大人になったが、同じく心に傷を持つ女性と出会って人生を再生する。要所要所でリアリティがない。女性との出会いが昔のドラマみたいで不自然だし、看護師からアパレル業界に転職して2年でプレスをさせてもらえるなんてレアすぎる。窪さんにはリアリティを求めているので辛い感想になってしまった。
Posted by
暴力シーンがリアル過ぎて怖かった。 きっと、深い取材をされたのであろう。 子どもを作ることは怖くなかったのだろうか?そこら辺をもう少し掘り下げてほしかった。
Posted by
冒頭から胸を抉られるような衝撃。タイトルからは想像もつかないストーリー。心が痛み、暴力と産み捨てに怒りが込み上げたが、読む手が止まらなかった。史也と梓の機微の筆致が絶妙。思わず感涙。
Posted by