万事快調 の商品レビュー
おもしろい。 会話の中のユーモアが文化的かつ知的でそれでいて支離滅裂な馬鹿馬鹿しさもあって、とても良かった。同い年でこんなに素晴らしい人がいるなんて。これからも作者の方の作品を読みたいと思った。
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2022-02-18 #ブックマちゃん 紹介案件。 いやーExtremeで好みの文化アイコンまみれ(キューブリックにトリアーにディックにティプトリーに…) おかげで一気に読み終えた。章立てされていないのでヤメ時がわからなかったせいもある。 もっとも、結末にはやや不満。その先が見た...
2022-02-18 #ブックマちゃん 紹介案件。 いやーExtremeで好みの文化アイコンまみれ(キューブリックにトリアーにディックにティプトリーに…) おかげで一気に読み終えた。章立てされていないのでヤメ時がわからなかったせいもある。 もっとも、結末にはやや不満。その先が見たかった。 読んでる間中、映画化したらだれがキャスティングされるか考えてた。 朴は門脇麦。矢口は今田美桜。岩隈が悩みどころ。松岡茉優だと美人すぎるな。 監督はぜひ入江悠に。
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すごい。 とにかく勢いがある。 久し振りに一気読みをした。 田舎の底辺高校の屋上で大麻を育て、売る。 この村から、この家から出るために。 主人公の女子三人はそれぞれ小説や音楽、映画、漫画に通じていて夢を持っている。 でも、その夢を手に入れるためには、この村、この家を出ていかなけれ...
すごい。 とにかく勢いがある。 久し振りに一気読みをした。 田舎の底辺高校の屋上で大麻を育て、売る。 この村から、この家から出るために。 主人公の女子三人はそれぞれ小説や音楽、映画、漫画に通じていて夢を持っている。 でも、その夢を手に入れるためには、この村、この家を出ていかなければならないと思っている。 だからお金がいる→大麻を育てる→売る‥‥すごいな‥‥ だけど、設定が度肝を抜くものであるだけ、そして登場人物の言葉遣いや行動が少々(?)荒れているだけで、ティーンエイジャーの普遍的な気持ちを表しているお話なのかな、と私は思いました。 扱う商品が違えばちょっとした高校生の起業家になれていたかもしれないのにね。 でも、大麻なんだよね。 大麻じゃなければ、彼女たちの鬱憤を表現しきれないんだよね。 とにかくすぐにでもここを出ていきたいんだから。 小説、映画、漫画を愛する主人公たち。どんなラストを想像していたのか。ある意味、想像通りだったんじゃないかな?と思ったりします。
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図書館で借りたもの。 茨城のどん詰まり、底辺工業高校には噂がある。表向きは園芸同好会だが、その実態は犯罪クラブ。メンバーは3人の女子高生。彼女たちが学校の屋上で育てるのは、植物は植物でも大麻だった! 今作でデビュー。 田舎から出るために金がいる→屋上で大麻を育てて売ろう! いつ...
図書館で借りたもの。 茨城のどん詰まり、底辺工業高校には噂がある。表向きは園芸同好会だが、その実態は犯罪クラブ。メンバーは3人の女子高生。彼女たちが学校の屋上で育てるのは、植物は植物でも大麻だった! 今作でデビュー。 田舎から出るために金がいる→屋上で大麻を育てて売ろう! いつかはバレるよね?足つくよね?どうなるんだろうと思って読み進めたら…かなりぶっ飛んだラストだった! 『きっとマトモなところには辿り着けない。それでも、まぁ、いいか。』 家族にとってはたまったもんじゃないけどね…。
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女子高生が学校で大麻を栽培するというざっくりしたあらすじが面白そうで読んだ。 朴はラップ、矢口は映画、岩隈は文学と、それぞれ傾倒しているカルチャーがあるから救われてる部分もあるんだけど、それで他人や周囲をジャッジする感じを、青いなあって冷めた目で見てしまうのはわたしがアラフォー...
女子高生が学校で大麻を栽培するというざっくりしたあらすじが面白そうで読んだ。 朴はラップ、矢口は映画、岩隈は文学と、それぞれ傾倒しているカルチャーがあるから救われてる部分もあるんだけど、それで他人や周囲をジャッジする感じを、青いなあって冷めた目で見てしまうのはわたしがアラフォーだからですかね。(おもに岩隈に対してだけど) 3人で大麻栽培始めてからは勢いがあって引き込まれたけど、朴のキャラクターは最後までイマイチ掴めなかったな。 あと暴力的なシーンが苦手なのでマチェーテ危ないだろってずっと心の中で突っ込んでた。振り回さないで〜! そのうち映画化しそう。
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即映画化できそうなストーリーがおもしろく、特に後半は疾走感があって楽しかった。 しかし、この作品の持ち味であるはずの膨大なサブカル描写が、わたしにはかなりのノイズになってしまった。わたしはアラフォーなので若い作者のフレッシュな感性にとても期待していたのだが、正直挙がってくる作品...
即映画化できそうなストーリーがおもしろく、特に後半は疾走感があって楽しかった。 しかし、この作品の持ち味であるはずの膨大なサブカル描写が、わたしにはかなりのノイズになってしまった。わたしはアラフォーなので若い作者のフレッシュな感性にとても期待していたのだが、正直挙がってくる作品群が同年代のようで、かるく絶望した。しかも『ある侍女の物語』を読んでいるような女子高生にギドラでフリースタイルさせないでくれ!(ここで一回本を投げ捨てそうになりました) ただ、ネトウヨとパヨクを並列に描いたり、「相手を強引に自分の領域に連れ込んで、一方的にこちらを掌握してこようとする感じ」が佐藤と朴すら似ているとするような作者なので、「浅薄な引用」「クラシックだから聞いとかなきゃ」という表現はある程度自己言及的なものなのかな、と思ったりも。
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2021年7月刊。1999年生まれの筆者のデビュー作。「地方の工業高校でくすぶる女子3名が、ひょんなことから手に入れた大麻の種を育てて、ドラッグを製造し、上京資金を稼ごうとする」という粗筋を聞いた時は、かなり期待したのだが……。なかなか大麻作りが始まらず、代わりに地方の高校生の閉塞した生活が延々と描かれるので、当惑した。私に、いまどきの10代の知己はいないので、その生活描写はそこそこ興味深くはあった。 しかし私が本書に期待していたのは、「大麻製造に手に染めた高校生たち、さぁどうなる?」という、ひりひりするような、手に汗握るクライム・ノベルだったから、かなり物足りない内容に感じられ、落胆した。とにかく描写の細部が曖昧かつ雑。また主役の女子高生の一人に、大麻の種を奪われた男が、彼女の弟を丸め込むのはともかく、あろうことか、彼女の家に密かに居候するという展開も突飛に過ぎるだろう。肝心の大麻の育成、ドラッグの製造、販売の過程があっさり流しすぎだし、家庭のいざこざ、引きこもりの弟の更正(?)などストーリーがあちこち迷走した末に、辿り着いたラストは、投げっぱなしにしか思えない。仮にもエンタメ小説ならば、このラストで描かれた「事件」の後、主人公たちはいかに決着をつけたか(もしくはつけられなかったか?)を描くべきではないのだろうか。 ライトノベルやSF、スティーブン・キングが別名義で書いた『死のロングウォーク』のネタなど、特に説明もなく、各所に仕込まれたジャンル文学への目配せは面白かったのだが。私は本書の良い読者ではなかったのだろう。残念。
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Riverside Reading Clubのポッドキャストで紹介されていてオモシロそうだったので読んだ。映画、音楽、文学といった自分の大好きなカルチャーの固有名詞がこれでもかとぶち込まれてる上にエンタメとしてオモシロかったのでめちゃくちゃ最高だった。日本の作家でこんな小説書ける人がいて、しかも21歳だっていうんだから「未来は暗くない」 地方鬱屈系小説としては「ここは退屈迎えに来て」が近年では代表的だと思うけど本作は登場人物が積極的に打破していく。その方法が工業高校の女子生徒が園芸同好会で大麻を育てるっていう…このプロット聞いただけでヒップホップが好きな身としてはときめきしかないわけだけど、さらに冒頭で登場人物が読んでいるのは「侍女の物語」これだけでもう並の小説ではない気配がある。 そんな冒頭のかましをはじめとして、つるべ打ちのごとく場面場面でさまざまなカルチャーが言及される。それと物語が剥離していないところが良い。つまり置物としての引用ではなくて、そこにちゃんと愛がある。設定のど真ん中にあるのがヒップホップというのが特に最高。フリースタイルの歌詞は若干こそばゆくなるものの登場人物がまだアマチュアでサイファーしてるだけなので逆にリアルだと思える。物語の要素として必ず出てきておかしくないだろうブレイキングバッド、舐達麻、タランティーノなどは直接触れないというのも品がある。(これ見よがしなことをしないのは簡単なようで難しいと思う)あとは主人公達が女子高生ということも影響してるのか犯罪小説だけど重たすぎず抜けが良い。そんな中でも今の日本社会における女性搾取の話をきっちり織り込んでそれに対するカウンターまで盛り込んでいるから痛快でオモシロい。このあと本当にどんな作家になるのか楽しみだし、絶対次の作品も読む。
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帯に「満場一致の松本清張賞」と書かれ、そうそうたる作家たちの絶賛のメッセージが・・・ どんな斬新なミステリーなのかと期待して頑張って読み進めるも、何かピンとこない。 ぶっ飛んだ話、青春小説としてはあり、漫画チック?腑に落ちないままに何故か読み終わった(笑)
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第28回松本清張賞受賞作。 松本清張賞ってこんなに懐が深いのかと思いました。 はっきり言って、この小説が何を描いていたのか私にはよくわかりません。 茨城県東海村の受験者が定員割れする工業高校のクラスの三人だけの女子生徒が集まって大麻を学校の部活と偽って栽培して金儲けをしようと...
第28回松本清張賞受賞作。 松本清張賞ってこんなに懐が深いのかと思いました。 はっきり言って、この小説が何を描いていたのか私にはよくわかりません。 茨城県東海村の受験者が定員割れする工業高校のクラスの三人だけの女子生徒が集まって大麻を学校の部活と偽って栽培して金儲けをしようとする話です。 主人公の朴秀美はラッパーで矢口美流紅(みるく)は陸上部のエースでした。岩隈真子はボウリング場でバイトをしている目立たない生徒です。 ラッパーの出てくる小説なんて初めて読みました。 『万事快調』というのはジャン=リュック・ゴダールの映画のタイトルからきているそうですが、私は知りませんでした。 暴力的なシーンも多いのですが、すごくポップな感じで小説全体が全部ラップの韻をふんでいるかのようでした。 野球部の三年生村上春紀(誤字ではありません)が出てきたりとか「人間を飼育してたってこと?大江健三郎かよ」とかいう文学的なセリフが随所にあります。 朴が最初に読んでいた小説は『侍女の物語』です。 受験者定員割れする工業高校の生徒たちにしては妙にみんな文学的センスがあると思いました。 それらを読んでいるだけで面白かったです。
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