護られなかった者たちへ の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
護られなかった人を、護ろうとした人の話です。 こんな悲しい現実があるという事を知りませんでした。私に何ができるんだろう…と考えると、無力感で切なくなりました。 コロナにより、このような状況の方も増えたかもしれません。 沢山の人、特に政治家に読んでもらって、このような状況をどうにかしてもらえたらと思いました。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
中山七里さんの作品は初めてで、映画化されるという宣伝を見て気になっていました。 ちょうどKindle Unlimitedで見つけて読み始めました。 読みやすい文章で、展開もわかりやすく、一気に読みきりました。 生活保護、震災、とても重いテーマ。 そして映画予告やあらすじ、タイトルから予想していたものの、最後の最後でハッとさせられるどんでん返しがありました。 皆さんの感想を見ていると、色々な意見があって、その一つ一つもけっこう納得してしまうものが多くて…だけど私は、もしかして…と思い前半を思い返した一瞬、後半の部分、作者の意図にまんまと、どっぷりハマった感じでした。 けいさんが弱っていく描写はとても辛かったです。3人の穏やかで平和な当たり前であるはずの生活が本当に温かくて、その反動もありました。 そして円山さんが懸命に捺印させようとしていた描写も、ずっと強く頭に残っていました。 また、臭いの描写も秀逸で、とても印象に残っています。 一言では言えないけれど、視点変われば善悪も変わり、正しい判断が出来なくなります。 色々な人の思いを強く感じた作品でした。 また読みやすい文章だったので、中山七里さんの他の作品も読んでみたいと思いました。 映画も気になります!
Posted by
初めて読んだ中山七里さん。興味深いテーマであっという間に読み終えました。 中山七里ファンになりましま。
Posted by
職業、住んでる場所、風貌みたいな外面で判断されがち色眼鏡で見られがちな世の中。全ての命は平等に重く大切にされるべきなのに、制度のためにこぼれ落ちる、社会的弱者。現実は、、、なんて考えさせられてしまう作品。誰にでも護りたいものはあって、その方法が悪だったとしても必死に護ろうとする姿...
職業、住んでる場所、風貌みたいな外面で判断されがち色眼鏡で見られがちな世の中。全ての命は平等に重く大切にされるべきなのに、制度のためにこぼれ落ちる、社会的弱者。現実は、、、なんて考えさせられてしまう作品。誰にでも護りたいものはあって、その方法が悪だったとしても必死に護ろうとする姿には心を打たれる。 中山さん読むの2作目になるけど、衝撃のラストになるから、と予想しててもそれを超えてくる。加害者の強い信念が見せられるの良い。
Posted by
設定や構成等、全体として面白かったし、会話が多くテンポが良いので厚さの割にはすんなり読み終わった。 ただ、やり取りの芝居臭さや細かい設定の粗さはどうしても気になってしまう。 エンタメ小説として楽しんで、あまり深く考えなければ良いのだろうけど… テーマの生活保護問題は本当に闇が深く...
設定や構成等、全体として面白かったし、会話が多くテンポが良いので厚さの割にはすんなり読み終わった。 ただ、やり取りの芝居臭さや細かい設定の粗さはどうしても気になってしまう。 エンタメ小説として楽しんで、あまり深く考えなければ良いのだろうけど… テーマの生活保護問題は本当に闇が深くて、正論や正義感や予算増では解決できない問題。やや話を単純化しすぎとは思うが、真面目に書くとストーリーどころじゃなくなるので仕方ないかなと。もう一つのテーマである東日本大地震について、「護られなかった者」として自然災害との共通項をやたら強調するが、私は予測不能な天災(予測できていたのに対策されていないこととは別)と、人間によって制度が作られ、人間によって運用されている福祉制度は、結果において同じことが起きたとしても、強い感情の生じ方やその矛先は根本的に異なると思う。
Posted by
これはこれは、難しい社会の問題ですねぇ。。。 生活保護を正しく運用していくのは大変なのかな。このようなことが現実に起こっているか分からないけど、税金は必要なところに正しく使って欲しいと思う。 じわじわと飢え死にしていく様子が、本当に恐ろしいと思った。 知った地名ばかりで、身近...
これはこれは、難しい社会の問題ですねぇ。。。 生活保護を正しく運用していくのは大変なのかな。このようなことが現実に起こっているか分からないけど、税金は必要なところに正しく使って欲しいと思う。 じわじわと飢え死にしていく様子が、本当に恐ろしいと思った。 知った地名ばかりで、身近に感じてしまう。 映画も期待して見に行こう。
Posted by
生活保護の受給制度について、ミステリを交え問題提起された作品。 中山七里作品の積読は潤沢。 通読は本作で5作目となる。 私は中山七里の描くミステリが好きだ。 時にグロテスクに、時に悲哀的に散りばめた惨事を、一つひとつ綺麗に採集し、まとめてひっくり返してくる。 そんな著者が描...
生活保護の受給制度について、ミステリを交え問題提起された作品。 中山七里作品の積読は潤沢。 通読は本作で5作目となる。 私は中山七里の描くミステリが好きだ。 時にグロテスクに、時に悲哀的に散りばめた惨事を、一つひとつ綺麗に採集し、まとめてひっくり返してくる。 そんな著者が描いた社会派ミステリ、読まない理由が見当たらない。 生活保護という行政の制度は、あらゆる要因によって社会的弱者となったものを護るべき制度でなければならない。 至極、当たり前のことが、不正受給や貧困ビジネスという悪用や保護費担保による複雑な審査、不毛な条件提示によって不受理となる制度の裏側がリアルに描かれている。 また、ミステリとしても最後のどんでん返しまで巧妙に描かれていて、久々の中山七里節はやはり健在であった。 しかしながら、生活保護の問題提起が目的なのか、はたまたミスリードの印象づけが目的なのか、中盤はほぼ平行展開が続いたことで中弛みを感じてしまい、読了後は読み応えよりも、読み疲れが先に来てしまった。 ただ、本編ラストで犯人がSNSへ投稿した標題名へ向けたメッセージには、とても胸を締め付けられた。正直者が馬鹿を見てはいけない。見るべきは光ある未来なのだと私は受け取った。 総じて、クオリティの高い作品であった。
Posted by
映画の予習にと読み始めたが、引き込まれて一気に読んでしまった。 終盤にかけ利根の行動から2件の犯罪の真相が気になっていたが、どんでん返しで納得した。護られるべき人間が護られなかった現実、さらに今も起こっていると思うと悲しい。 後書きで、映画は小説とは違った切り方がされてるとあるの...
映画の予習にと読み始めたが、引き込まれて一気に読んでしまった。 終盤にかけ利根の行動から2件の犯罪の真相が気になっていたが、どんでん返しで納得した。護られるべき人間が護られなかった現実、さらに今も起こっていると思うと悲しい。 後書きで、映画は小説とは違った切り方がされてるとあるので、咀嚼の違いが楽しみです。
Posted by
映画の予告を見ていて興味を持ち、原作がkindle unlimitedで出ていたので読んでみることに。 めちゃくちゃ引き込まれて、わたしには珍しく一晩で読み切ってしまった。 福祉が、生活保護が誰のためにあるのか。 不正受給者がいるせいで、必要な人にまで行き届かない仕組みになっ...
映画の予告を見ていて興味を持ち、原作がkindle unlimitedで出ていたので読んでみることに。 めちゃくちゃ引き込まれて、わたしには珍しく一晩で読み切ってしまった。 福祉が、生活保護が誰のためにあるのか。 不正受給者がいるせいで、必要な人にまで行き届かない仕組みになってしまっているのがしんどい。 そしてそれを横で見ているしかない、護りたくても護れない人たちの苦しみ。 不正受給の告知で3人が訪れたシングルマザーの話もずしっときた。 貧乏人には貧乏人の世界で生きていくしかない。良い学校に通わせられなければ自分と同じ辛い人生が待っている。 どうにかこの負のスパイラルを抜け出したい、そういう人にこそ生活保護は必要なはずなのに、あまりにも冷たい世の中ではないか。 全ての人が「健康で文化的」な生活を送ることの難しさを感じ、絶望を感じた。
Posted by
テーマが重く、とても考えさせられる物語でした。 知識がないので簡単には言葉にできないのですが、これが現実にも起きているとしたら、あまりにも悲しく辛いなと感じました。 ミステリとしては、ミスリードにまんまと引っ掛かり、最後まで楽しませてもらいました。
Posted by