青空と逃げる の商品レビュー
『逃げる』という捉え方が、始まりと最後でポジティブに変わった。 とにかく生きていれば、逃げてもいいんだし助けてくれる人もいる。 すがってもいい。 『一期一会じゃないけど、15分間の出会いを大切にしてほしい。できるだけお客さんとたくさん話をして。5分間のドラマみたいなものだから...
『逃げる』という捉え方が、始まりと最後でポジティブに変わった。 とにかく生きていれば、逃げてもいいんだし助けてくれる人もいる。 すがってもいい。 『一期一会じゃないけど、15分間の出会いを大切にしてほしい。できるだけお客さんとたくさん話をして。5分間のドラマみたいなものだから。』 確かに、そんな寄り添ってくれると満足度はちがうよなあ。 仕事にも人間関係にも通づる、5分間のドラマって言葉が素敵だった。 この作品、『傲慢と善良』につながるって読み終わってから知ったので、早く購入して読まなきゃーってなりました。
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母は強し。自分にできるだろうかという不安もすごく分かるし、我が子のために何でもやるという気持ちもすごく分かる。 自分も今、新しくスタートしたいことがあって、お母さんの強さに背中を押してもらった気持ち。がんばるぞー! 息子にはいろいろ思うところあるけれど、5年生というところが絶妙...
母は強し。自分にできるだろうかという不安もすごく分かるし、我が子のために何でもやるという気持ちもすごく分かる。 自分も今、新しくスタートしたいことがあって、お母さんの強さに背中を押してもらった気持ち。がんばるぞー! 息子にはいろいろ思うところあるけれど、5年生というところが絶妙な年齢設定だなと感じる。思春期のちょうど入口で、もちろん未熟なところもあって、だから内緒にしちゃってたのかなという年齢。一番はお父さんに、もっとやりようあったでしょと思うけど。 ヨシノが出てきたときの安心感といったら。あぁ、これでもう大丈夫とほっとした。 私も困った時には誰かに助けを求められる人でありたいし、助けを求められたら助けてあげられる人でいたい。
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傲慢と善良に出てくるキャラクターのお話ということで読んでみた。 とあることをきっかけに、逃げながら生活する親子のお話。 逃げながらという部分だけ見ると、とてもつらそうなお話を想像するかもしれなない。 実際、生活拠点が変わるシーンが何度もあり、そのたびに、安住の地はないのか…という...
傲慢と善良に出てくるキャラクターのお話ということで読んでみた。 とあることをきっかけに、逃げながら生活する親子のお話。 逃げながらという部分だけ見ると、とてもつらそうなお話を想像するかもしれなない。 実際、生活拠点が変わるシーンが何度もあり、そのたびに、安住の地はないのか…という想いを抱かずにはいられないのだが、見知らぬ土地で出会う人々の関りがとても暖かく、その逃げる辛さをいっとき忘れながら読むことが出来る。 ラストシーンはこうなるんだぁという展開だった。 辻村深月さんのお話はやはりどれも面白いなぁと思った。
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善良と〜に出ていた親子という事で購入。 逃げていく姿は心が何度も痛んだ。 どの地でも懸命に生きていた親子。 最後の最後でどんでん返し。 たくさんの葛藤があったかもしれないけど、早く力はお母さんにお父さんのことを話して欲しかった… お母さん目線になってしまう、可哀想と。 ちょっと複雑だったけど読んでよかった。
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辻村深月の作品は好き。 「傲慢と善良」つながりで読み始めた。 初めはどんどん進んだが、途中失速。力が父と連絡とってる、って所からなんか違和感。
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「何か」から逃げている母と息子。 話が進むにつれて、少しずつ「何か」がわかります。 そして意外な結末。 すごく良い話だと思うのですが、心のどこかで夫を信じきれない私なのでした。
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有名女優が運転する車が深夜交通事故にあう、一人同乗していた俳優に不倫疑惑が巻き起こり、その女優は自殺する。 俳優の妻と子は女優所属の芸能事務所やマスコミにカチコミをかけられ東京のアパートから逃げる。四万十、家島、別府、仙台。逃げるだけでなく生活を整えようとするが、そのたびに芸能事務所の陰がつきまとう。 松本人志の事件、ジャニーズの件、皇室の妙な報道合戦…この手のワイドショーと週刊誌が群がるような事件報道が大嫌いで吐き気を催してくることすらあるので、裏表紙を見てこの本はスルーしようかと思った。 が、辻村深月が凡百の轍をそのまま踏むわけがなかった。ロードノベルであり、成長譚であり、ミステリー要素もあって、最後には(若干出来すぎながらも)家族小説として結実させ、ページ数の割に盛りだくさんの読ませどこを持たせた良作に仕上げてくれている。 覚悟を決めて生きるということ、背負うものがあるからこそ自立するし、助けを借りる勇気も要る。 手を差し出す側でも手を差し伸べる側でも、どちらになってもいい。少なくとも苦労している人を揶揄しあざ笑う側にさえならなければよい。
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ロードムービー的な感動と、最後まで真相が分からないミステリ要素が合わさっており、最後までハラハラしながら読めた。
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とても良かった。色んな土地を旅したような読後感を味わった。 内容としては夫のスキャンダルを境に、東京から逃げるしかなかった母と子の物語り。ちょっと怖い人から逃げるため、各地を転々とするロードムービー。 ちょっとミステリアスな 逗留する各地との人々の交流、優しさに触れて、やっと生...
とても良かった。色んな土地を旅したような読後感を味わった。 内容としては夫のスキャンダルを境に、東京から逃げるしかなかった母と子の物語り。ちょっと怖い人から逃げるため、各地を転々とするロードムービー。 ちょっとミステリアスな 逗留する各地との人々の交流、優しさに触れて、やっと生活の基盤が出来かけた頃に、追っ手に見つかり、逃げる、の繰り返し。なかなかかわいそうな物語の展開で、読んでるこちらも「このまま見つからずに幸せになりますように」と祈らずにはいられない。 緊張感を持った逃亡生活の中でも、それぞれの土地でのエピソードがどれも美しく、そして儚い。それぞれの土地エピソードだけで、一つの作品になるんじゃないかという出会いがある。でも、追っ手に見つかり全てをそのままにして、別の場所へ移っていく。人生は一期一会だなぁ、と感じさせる。 この物語は母視点と、子供視点とが交互に展開する構成となっている。 母視点では子供を巻き込んだ罪悪感、子供を守らねばという意思を軸に描かれ、子供視点では、強がりたい自分と、それに相反して何もできない自分とが描かれる。それぞれの悩みや苦悩が絡まりつつ、お互いに成長していくことで新たな展開を見せていく。その成長の過程が読んでいてとても良い。 知らない土地に住む大変さ、それぞれの地域の持つ美しさ、生きている人の逞しさ、強さなどを感じられ、とても贅沢な読書時間だった。 四万十川の川下り、別府の砂蒸し風呂、仙台の素敵な写真館などを訪れてみたくなった。良書。 以前読んだ「傲慢と善良」の話と少しばかりつながっているのが、心憎い。
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不倫、交通事故、自殺、から始まった物語は、当事者ではない家族の逃避行のロードムービーとなって進んでいく。高知、兵庫、大分、仙台と辿っていく先々での素晴らしき人達との出会い。先が知りたくて一気に読んだ、どうなってしまうんだというミステリータッチのところもあるけど、母と息子のちょっと...
不倫、交通事故、自殺、から始まった物語は、当事者ではない家族の逃避行のロードムービーとなって進んでいく。高知、兵庫、大分、仙台と辿っていく先々での素晴らしき人達との出会い。先が知りたくて一気に読んだ、どうなってしまうんだというミステリータッチのところもあるけど、母と息子のちょっと微妙な関係も心に染みるお話、読み終わってしばらくドキドキとしみじみが交錯しているような感じだ。 いつも心にいろいろな刺激をもたらす辻村ワールド、今回は特に刺さりました。実生活でも息子がいるとか、母の描く物語に昔は男の子だった私の幼い頃の記憶が呼び起こされるようでした。
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