青空と逃げる の商品レビュー
「傲慢と善良」の解説で朝井リョウさんが お勧めしていたので「島はぼくらと」に続けて 手にした本。3作続けて読んだからなのか、 感情移入度が半端なく涙腺を刺激されまくり。
Posted by
果たして,この物語は「救い」なのだろうか? いや,間違いなく,救いがテーマにはなっているのだけど. あーこういう仕掛けになっているのか!と言う驚きとか,一つひとつの仕掛けの緻密さに膝を打つことを期待すると,この作品は「期待はずれ」となる. まず,プロットが大変に甘い.「なぜ逃げる...
果たして,この物語は「救い」なのだろうか? いや,間違いなく,救いがテーマにはなっているのだけど. あーこういう仕掛けになっているのか!と言う驚きとか,一つひとつの仕掛けの緻密さに膝を打つことを期待すると,この作品は「期待はずれ」となる. まず,プロットが大変に甘い.「なぜ逃げるのか」「なぜ追うのか」の必然性があまりに漠然としていて,主人公たちを転々とさせる為の「仕掛け」としか見えない. 芸能プロダクションとヤクザの裏組織を大差ないものとして描いているのも違和感(まぁ,そんなところもなくもないとは思うけども). 父の逃走の理由も,経緯はともかくも手の怪我ごときで,大袈裟な,とも思う.ちゃっちゃと友人の医者に縫ってもらって,奥さんに連絡とれよな,と. それがさ,本来「家族を信じる」ってことなんじゃないのか?カッコつけてんじゃねーよ,と. 僕を辻村深月ワールドに誘った人から「傲慢と善良とリンクする作品らしい」と聞いて,読んでみたんだけども. まぁ確かに,ここに登場するのかぁ!と言う驚きと,ニヤリはあったものの…あー結局こうなっちゃいます?って感想…これを,彼女はどう読むのかなぁ?ぜひ感想を共有してみたい. 母と子,家族,社会…このテーマを描くなら,もう少し,行動の必然性がないと,リアルに没入できないなぁ,というのが正直な感想. 「母親」とくに「一人息子を持つ母親」が読むと,全然違う物語になるのかなぁ…家庭がうまく行ってない,とか条件重なるとそんなのすっ飛ばして,僕とは正反対の読み心地になる作品な気もするが… 作者の書きたいことが溢れすぎて,上滑りした作品…なのかなぁ?
Posted by
主人公は、母の早苗とその小学5年生の息子の力。 夏休みに東京を離れ高知で生活していた2人のところへ突然、芸能事務所の男が追ってくる。 「旦那さんは、一緒には来ていないんですか?」 2人は、一体何のため、何から逃げているのか。 父親はどうしたのか。段落ごとに母と息子の視点から...
主人公は、母の早苗とその小学5年生の息子の力。 夏休みに東京を離れ高知で生活していた2人のところへ突然、芸能事務所の男が追ってくる。 「旦那さんは、一緒には来ていないんですか?」 2人は、一体何のため、何から逃げているのか。 父親はどうしたのか。段落ごとに母と息子の視点からロードムービーのように描かれる、家族の話。 「島はぼくらと」に出てくるスーパーお助け姉さんの ヨシノさんが登場し、「傲慢と善良」とも交差するので、出来ればこの2作の間に読みたかったです。 (きちんと刊行順に読んでいれば…!) 逃げた先々で出会う人々の温かさに救われ、丁寧に描かれる2人の心情描写と成長に心を掴まれました。
Posted by
母と息子、家族、最も近い存在。 だからといって、何でも知っているわけではない。 力は物語を通して、重大な判断を1人で下してきた母の頼りがいのある一面を見てきた。 早苗もまた、息子の知らない一面を数々目の当たりにしてきて、最終的に「逞しくなった」と評している。 両者ともに、この逃...
母と息子、家族、最も近い存在。 だからといって、何でも知っているわけではない。 力は物語を通して、重大な判断を1人で下してきた母の頼りがいのある一面を見てきた。 早苗もまた、息子の知らない一面を数々目の当たりにしてきて、最終的に「逞しくなった」と評している。 両者ともに、この逃亡生活でお互いの知らない一面をたくさん見てきた。 背負うものがある者は強い。 困難が人を強くし、絆を強固にする。 早苗はもちろん、力をまた、その小さな背中にたくさんの思いを背負っていた。 これから先、何が起ころうと、この日々を思い返せば乗り越えられる。 過去を背負う、ということは、そういうことだろうと思う。
Posted by
背負うものがある人は強い 早苗は強かった。夫が失跡し、エルシープロの人達から逃げる早苗と力。そんな状況を一瞬忘れてしまうかのような別府での砂かけの仕事、仕事仲間と力の誕生日を祝う穏やかなひととき‥ 聖子や安波、ヨシノのようなあたたかい人達に守られて過ごすことが出来た日々に感謝し、...
背負うものがある人は強い 早苗は強かった。夫が失跡し、エルシープロの人達から逃げる早苗と力。そんな状況を一瞬忘れてしまうかのような別府での砂かけの仕事、仕事仲間と力の誕生日を祝う穏やかなひととき‥ 聖子や安波、ヨシノのようなあたたかい人達に守られて過ごすことが出来た日々に感謝し、夫とまた家族3人で新しいスタートが出来たらと思う 同じ息子を持つ母親の立場から早苗に感情移入して読める作品だった
Posted by
辻村ワールドすごろくが終わり、リンク系他社作品をおかわり。 ロードムービーとして、それぞれの場所での出会いや母子の成長にはものすごくワクワクし、感情移入できた。 これまで辻村作品に求めていた強めのどんでん返しはないが、ストーリーの良さと情景の美しさに魅せられた。 とりあえず今作...
辻村ワールドすごろくが終わり、リンク系他社作品をおかわり。 ロードムービーとして、それぞれの場所での出会いや母子の成長にはものすごくワクワクし、感情移入できた。 これまで辻村作品に求めていた強めのどんでん返しはないが、ストーリーの良さと情景の美しさに魅せられた。 とりあえず今作をもって辻村深月から暫く離れるが、リンク込みで最後に相応しい作品であった。
Posted by
「傲慢と善良」とリンクしていると知り購読。映画ジャンルでいうところのロードムービーのような作品。贅沢を言えばもっと膨らませてほしいエピソードがあり過ぎた。
Posted by
辻村深月作品で出会う、いつもの感動。 別のテーマであっても、同じ匂いの暖かさ。 頭では慣れてきても、心では毎回新鮮に思えるのは、作者の腕前なのだろうなと思います。 いつも読書楽しいです。次の作品も楽しみ。
Posted by
ある日僕と母は何かから逃げるように日常を手放した。 徐々に明らかになる事件の真相。 それ以上に、早苗が「傲慢と善良」を経て 自分の人生を生きていることが嬉しくなった。 自分の人生の責任を負うことから逃げていた早苗は夫婦の責任、母としての責任をちゃんと持てる人になっていた。強く...
ある日僕と母は何かから逃げるように日常を手放した。 徐々に明らかになる事件の真相。 それ以上に、早苗が「傲慢と善良」を経て 自分の人生を生きていることが嬉しくなった。 自分の人生の責任を負うことから逃げていた早苗は夫婦の責任、母としての責任をちゃんと持てる人になっていた。強くなったなと。 土地ごとに関わってくれる人の温かさがまた素敵。 出てきた土地を旅したくなるロードムービー的小説でもあった。
Posted by
力(ちからかリキか分からんが)と早苗さんの 代わり変わるの気持ちを感じることができ、 そのリズム感に途中から読むスピードが加速した本だった。 エルシープロからそんなに逃げなくても、と思ったが、怖い人たちと書いてあるから、自分も逃げたのだろう。
Posted by