百花 の商品レビュー
60代の母親が認知症になる話。親子の複雑な関係性も描かれている。認知症の症状や現実を見せつかられる小説。
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「あなたはきっと忘れるわ だけどそれでいいと私は思う」 「また、母が遠くに行ってしまいそうな気がした。あの時のように…」 …あの一年間の事は決して誰にも知られてはいけなかった。 徐々に息子の泉を忘れていく母と、母との思い出を蘇らせていく泉 母親のすべてが収まった陶器の壺は...
「あなたはきっと忘れるわ だけどそれでいいと私は思う」 「また、母が遠くに行ってしまいそうな気がした。あの時のように…」 …あの一年間の事は決して誰にも知られてはいけなかった。 徐々に息子の泉を忘れていく母と、母との思い出を蘇らせていく泉 母親のすべてが収まった陶器の壺は、思っていたよりも軽かった。その軽さが、肉体が人をつくっているのではないと泉に語りかけているように思えた。
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映画迷います 思ってたストーリーとちがったけど 自分に置き換えたら 泉の気持ちがわかりすぎて辛かった 自分は親との思い出おぼえてるかな 親がありのままになったとき 優しく大事にしてあげられるのかな
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アルツハイマーで記憶を無くしていく母と、その子の過去と、そこからの歩みの話。 親が自身のことさえ忘れてしまうなんて想像できない。その状況になってみないと感じられないことばかりだし、きっとその状況になっても受け止めきれないだろうと思う。 そして、どんな過去があっても、どんな関係で...
アルツハイマーで記憶を無くしていく母と、その子の過去と、そこからの歩みの話。 親が自身のことさえ忘れてしまうなんて想像できない。その状況になってみないと感じられないことばかりだし、きっとその状況になっても受け止めきれないだろうと思う。 そして、どんな過去があっても、どんな関係であっても、やはり親子であることは変わりない。 すごく読んでてしんどさはあった。 ただ、そういう、知らない感情や物事を知るために本を読んでいるよなと思う。 親になるということは、それもまたなってみないとわからないし、なってもわからないことだろうなと思う。
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自分の母親が実際に、認知症ではないけれど脳梗塞を患って元の母親とは少しずつ変わっていく姿を目の当たりにしたので、自分の思い出と重ねながら読みました。
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ところどころに花が登場し場面を彩っているため、映像映えはするだろうなと思いながら読み進めた。けっこう期待して読んだのだけど、それほど共感できなかった。 共感できなかった理由をちゃんと言語化できればいいのだけど、なんというか、よく言えば「優等生作品」、悪く言えば「パンチの弱い作品」...
ところどころに花が登場し場面を彩っているため、映像映えはするだろうなと思いながら読み進めた。けっこう期待して読んだのだけど、それほど共感できなかった。 共感できなかった理由をちゃんと言語化できればいいのだけど、なんというか、よく言えば「優等生作品」、悪く言えば「パンチの弱い作品」だと感じで、ひっかかるものがなかった。 帯に「スダマサキさん号泣!めっちゃいい話だから買えやお前ら!」みたいなことが書かれていたけれど、たぶん菅田将暉さんは「主人公」になりきって小説を読んだのだろうなと思った。「感動しよう」と思って読めば感動できるだけのクオリティは本作に備わっているとおもう。 自分はそこそこ小説を読むのだけど、読む小説が増えるごとにだんだん感動が薄れていくのが最近の悩み。「ああ、またこのパターンで泣かせにきてるのか」とか、批評的な目で小説を読んでしまい、あまり小説を楽しめてないような気がする。 よく「◯◯を読んで号泣した!」というコメントとかみるけど、皮肉でもなんでもなく本当に羨ましいとおもう。 感動できるだけの本に自分が出会えてないのか、自分のなかにある感動という機能がぶっこわれてしまっているのか、どっちなんだろう。
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少しずつ忘れてゆく母。 過去と現在を行き来する母。 現実と幻の狭間を彷徨う母。 働き盛り、妻のお腹には新しい生命が芽生え…そんな時に母の認知症が発覚する。 私は認知症やアルツハイマーに寄り添う方々の現場の厳しさ、辛さ、やるせなさを知らない。 これは、認知症の家族と向き合う若...
少しずつ忘れてゆく母。 過去と現在を行き来する母。 現実と幻の狭間を彷徨う母。 働き盛り、妻のお腹には新しい生命が芽生え…そんな時に母の認知症が発覚する。 私は認知症やアルツハイマーに寄り添う方々の現場の厳しさ、辛さ、やるせなさを知らない。 これは、認知症の家族と向き合う若夫婦のリアルなのかと思い手に取った1冊でしたが、物語の中心は、母と息子の空白の1年間がテーマのようでした。 努めて忘れようとしていた記憶。 思春期の少年と、女でありたかった母。 最初からずっと寄り添って暮らしてきたかのように…何もなかったかのように…そんなふうに生きていけるものなのだろうか。 いちばん多感な季節をひとりで乗り越えた少年がいた。 父になることを躊躇ってしまうほどに傷付いた心を抱えて大人になった少年がいた。 どうせなら知らずにいたほうがまだ幸せだったろうに知ってしまった時、母は認知症でした。って…悲劇すぎる。 そんなことはすっかり忘れて、都合の良い記憶に還ってゆく母。 〝忘れる〟と言うことで心を保ってきた少年は、ただの一度も言いたいことを言わず、八つ当たりもせず、自分の中で処理し、ただ受け入れて許すしかない? そんな母でも母は母なのだ。 母と息子の美しい物語を模してはいるのだけど、なんとなく…答えのない物語のようで、泣けることはなかったし、読後感もみんなのとは違うみたい。 今年の33冊目
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
母の認知症の話だけでなく母との空白の1年は捨てられてたなんて、二人の間でこれを無かったことにできるのか。 母が熱に浮かされたように恋愛に走った、はわかるけど息子一人残して居なくなれるか… 子供は死活問題。 まあ小説だから突飛なことが起こらなければつまらないんだけど。 許すのが愛なのかなあ。泉は優しいなあ。でもそのことにこだわった私は感動がちょっと薄れた。
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ベタに泣けるかと思いよんだが、そうでもなかった 人は記憶 というのは同意 認知症とは少しずつ捨てて軽くなる って事とペコロスの母で書かれていた様な気がする
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母と息子の悲しいけど温かい話。母の記憶が消えていく一方で、息子は母との記憶を思い出していく。話の展開は読めてしまうので正直そこまでのめり込めず、、
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