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彼岸花が咲く島 の商品レビュー

3.7

174件のお客様レビュー

  1. 5つ

    29

  2. 4つ

    61

  3. 3つ

    62

  4. 2つ

    8

  5. 1つ

    1

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2021/08/14

言葉が少し分かりにくくて、読みにくかったので星は3つ。 でもストーリーは星5つに相当すると思います。 本当に著者は台湾人なのかと疑うくらいに、日本語への理解が深いと感じました。 ラストの種明かしでは驚くばかりで、この話を通して今の社会の問題点をいくつも突きつけられてる、そんな感じ...

言葉が少し分かりにくくて、読みにくかったので星は3つ。 でもストーリーは星5つに相当すると思います。 本当に著者は台湾人なのかと疑うくらいに、日本語への理解が深いと感じました。 ラストの種明かしでは驚くばかりで、この話を通して今の社会の問題点をいくつも突きつけられてる、そんな感じがしました。

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2021/08/13

ある島に漂流して記憶を失った少女が彼岸花を積みに来た少女に出会い、成長していく。この小説の言葉遣い日本語に中国語を混ぜ英語を振りかけたような言葉と女語と言われる言葉が、とってつけたようで読みながら違和感があって、気持ち悪かった。 物語の中でジェンダー問題や男社会の弊害、戦争の歴史...

ある島に漂流して記憶を失った少女が彼岸花を積みに来た少女に出会い、成長していく。この小説の言葉遣い日本語に中国語を混ぜ英語を振りかけたような言葉と女語と言われる言葉が、とってつけたようで読みながら違和感があって、気持ち悪かった。 物語の中でジェンダー問題や男社会の弊害、戦争の歴史への批判などいろいろ盛り込んでうまく処理しているなあと思った。

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2021/08/12

第165回芥川賞受賞作。 著者は台湾出身ということに驚く。日本語への理解と愛情が深い。作中、「ニホン語」「女語」「ひのもとことば」という3つの言語が、それぞれの役割の下に使われる。 言語は、それを奪うことで人々の自由を奪い、与えることで力をもたらすものなのだと改めて認識した。 ...

第165回芥川賞受賞作。 著者は台湾出身ということに驚く。日本語への理解と愛情が深い。作中、「ニホン語」「女語」「ひのもとことば」という3つの言語が、それぞれの役割の下に使われる。 言語は、それを奪うことで人々の自由を奪い、与えることで力をもたらすものなのだと改めて認識した。 舞台となる〈島〉は、一種のユートピアだ。従来の世界観が通用せず、主人公のいた社会で理想とされた在り方が存在しない。 その背景には、〈島〉と〈島〉のノロたちが背負う歴史が関係するのだが、ユートピアとはつまり「いつ沈んでもおかしくない船」p186 のようなものだ。 維持するためには常に慎重な気配りを要し、危険と思われるものを排除し、人々の判断を麻痺させ続けなければならない。(彼岸花の作用のように。) 一方、そこに生きる若者たちは、自分たちの未来を思い描く。今下す判断が正しいのか否か、「その時はその時に考えればいい」p187。 互いを信頼し、目を見て話し合い、尊重し合える世界こそ、真に人が人として生きられる世界だ。

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2021/08/12
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

沖縄の離島(与那国島がモデルらしい)が舞台の昔の話?と読んでいるうちに「今は使われなくなった空港」の描写があり、え?未来? その島に流れ着いた記憶を失った宇実の国では、『うつくしいやまとことばをとりもどすため、シナからつたわってきた「漢字」「漢語」はすみやかにトランスレートする。ふさわしいやまとことばがないときはイングリッシュのことばにいいかえる。』これって、今の日本に感じる一部の国を排除する動きのその先を予見して、ゾッとした。 この設定はなに?どんな世界なの? 多和田葉子さんの作品のおもしろさに似ている。 島の自然や文化が興味深く、游娜と宇実の関係が美しく、違うことばをすりあわせていく様がおもしろく、先を読み進める。 ラスト、この島の歴史と宇実の国のことが明らかになる。ああやっぱり…。 けれど、游娜や宇実たちがきっと未来を変えていく。国やジェンダーを越え自由な光の方へと向かうと信じたくなった。

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2021/08/11

読みやすくてよかった。 ノロ (一般人よりえらい聖職者みたいな人) は歴史を知っているがゆえに一般人より考えることが多くて大変そうだなと思った。

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2021/08/10

以前の作品との温度差にびっくり 異なる2つの言語がテーマになってる辺り、筆者のアイデンティティみたいなのが出てるんかな…???

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2021/08/08

ノロと呼ばれる女たちが重要な役割を担う不思議な島。争いがなく平和で、生まれた子どもたちは島民が協力して育てる。理想的に見えるこの島がなぜできたのかが最後に明かされ、若いノロとなった二人の娘たちが歴史を変えようとする姿に時の流れと希望が見える。世界の行く末を憂いつつも少女たちと太陽...

ノロと呼ばれる女たちが重要な役割を担う不思議な島。争いがなく平和で、生まれた子どもたちは島民が協力して育てる。理想的に見えるこの島がなぜできたのかが最後に明かされ、若いノロとなった二人の娘たちが歴史を変えようとする姿に時の流れと希望が見える。世界の行く末を憂いつつも少女たちと太陽の光を浴びながら平和で穏やかな日々を過ごしたような読書時間だった。

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2021/08/08

色彩豊かな表現だった。 真っ白なワンピース、長い黒髪、翡翠色の海、黄色い砂、薄藍の空、赤一面の彼岸花。 冒頭から引き込まれた。 独特な文化と言語、信仰をもつ架空の島のお話。 なんとなく沖縄の離島をイメージしながら読んだ。 (と思ったら、参考資料に与那国島関連の資料が多数あった)...

色彩豊かな表現だった。 真っ白なワンピース、長い黒髪、翡翠色の海、黄色い砂、薄藍の空、赤一面の彼岸花。 冒頭から引き込まれた。 独特な文化と言語、信仰をもつ架空の島のお話。 なんとなく沖縄の離島をイメージしながら読んだ。 (と思ったら、参考資料に与那国島関連の資料が多数あった) 日本語と中国語のようなものが混ざったオリジナルの言葉と用法。 島の歴史を受け継ぎ伝え続ける者は女しかできないというしきたり。 あったかくておおらかな島の雰囲気。 きつく聞こえるけれどやさしい意味の台詞。 わからないようで、だけどわかるような、そんな言語感覚だった。 島を統治する「ノロ」は女だけがなれる職業だ。 終盤、なぜそうなのか、島の歴史が明らかになる。 島の外を「ニライカナイ」(理想郷)と呼んでいるが もしかしたら、ある特定の人にとっては この島がニライカナイなんじゃないかなと思った。 ウミたち3人が、これからも末永く仲の良い関係であることを願った。

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2021/08/06

日本語であって日本語でない、なんとなく意味は通じるという表現にびっくりしました。 おかげで、この世界観にひたれたかもしれません。完全に理解できないと納得できない人には辛いかもしれませんが、私のようないい加減な人にはスイスイ読めます。 そしてラスト近くの種明かしは、もう称賛しかな...

日本語であって日本語でない、なんとなく意味は通じるという表現にびっくりしました。 おかげで、この世界観にひたれたかもしれません。完全に理解できないと納得できない人には辛いかもしれませんが、私のようないい加減な人にはスイスイ読めます。 そしてラスト近くの種明かしは、もう称賛しかないです。 読み終えて、いろいろ考えさせられる本でもありました。

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2021/08/04

彼岸花が咲き乱れる砂浜に倒れ、記憶を失っていた少女は海の向こうから来たので宇実(ウミ)と名付けられた。ノロに憧れる島の少女・游娜(ヨナ)と『女言』を習得している少年・拓慈(タツ)。そして宇実は、この島の深い歴史に導かれていく〜帯より〜 第165回芥川賞受賞作。 言語と歴史テー...

彼岸花が咲き乱れる砂浜に倒れ、記憶を失っていた少女は海の向こうから来たので宇実(ウミ)と名付けられた。ノロに憧れる島の少女・游娜(ヨナ)と『女言』を習得している少年・拓慈(タツ)。そして宇実は、この島の深い歴史に導かれていく〜帯より〜 第165回芥川賞受賞作。 言語と歴史テーマになっている。 恐らく与那国島が舞台になっており、そこで話される言葉の由来、過去の過ちを繰り返さない為にノロは歴史を受け継いで行く。 なぜ男はノロになれないのか、そして『女言』を話してはいけないのか? なぜ島に親は一人しかいないのか?

Posted byブクログ