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水たまりで息をする の商品レビュー

3.5

170件のお客様レビュー

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    17

  2. 4つ

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2024/08/23
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

何か引っかかり2回読みました 共依存の夫婦 狂っていく夫に自身も崩れそうになりながら(狂っていないことを確認しながら)横にいる妻 だいたい三人称で時々一人称 妻の内省が主なので私は一人称にしたほうが良かったのではと感じた 人称は純文学であるある問題なようです(意図がある) 謎1 夫の父親が全く出てこない 父子性を除いて描きたかった? 謎2 夫の職場から妻に全くコンタクトがなく、しばらく経ってから夫の母親へ電話 もう三十代半ば 別に暮らしている母親へ連絡はないと思う。会社の対応も個人レベルではないので調べて妻に連絡するはず。私見ですが 夫は愛情から「妻だけには話さないでほしい」と言っていたのではと推察 東京と地方も上手く描かれていて それぞれの母親の対応も違いが出ていた あたふたするだけの夫の母親だか 妻の母親は同じように驚くものの 知り合いで同じようにお風呂に入れなくなった人の話が出てきて 帰り際「またいつでも帰って来ていいんだからね」これに頷く夫 最初 メンタルが弱っている時は 長い移動はしんどいし 知り合いがいないどこか関東近郊の川にすればいいのでは?また夫が妻の母親に車の運転をお願いする場面に?と感じた 私自身や私の主人もお互い相手の親族の方が気を使う メンタルが弱っている時そしてこの状況はよりしんどいのではと… もちろん川の水の体験が圧倒的に良かったのだが 妻の母親から同じ症状の人のエピソード等を聞くことも良かったのでは(ここも推察です) 他にも惹きつけるいい文章が沢山ありました 2作品目ですが高瀬準子さんの作品は次も期待が大きいです でも読書中はずっとすれた臭いのするしんどい話でした(笑) 第165回芥川賞候補作

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2024/08/21

夫婦の日常が変化してゆく過程。一線を越えてしまった人の生きづらさ。この夫婦に熱い空気は感じられない。しかし、衣津実が信じてきた夫婦の形を、誰が咎められるのだろう。こうした方がいいからと、ひとつひとつ選択してきた末、成り立っている夫婦の暮し。この夫婦なりの愛情表現がきっとあるはず。...

夫婦の日常が変化してゆく過程。一線を越えてしまった人の生きづらさ。この夫婦に熱い空気は感じられない。しかし、衣津実が信じてきた夫婦の形を、誰が咎められるのだろう。こうした方がいいからと、ひとつひとつ選択してきた末、成り立っている夫婦の暮し。この夫婦なりの愛情表現がきっとあるはず。 とにかく、息苦しかった。読後引きずられる感情。どんなに分かり合えているか、という夫婦間でも、本当の心の内は。社会から逸脱した夫の行く末と重なり虚しかった。

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2024/08/20

もう一度読み返すとしたら、 最後の部分。 夫さんがどうなったのか? しっかり文字を追いたい。 わたしにとって、 この本はミステリー。 夫婦の在り方というよりも、 自分が生きる場所はどこか? というイメージが強い作品。 読んだ方の感想気になる!

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2024/07/25

ハラスメントと言われるほどの臭いの描写がリアルで気分が悪くなる。 私には合わなかったです。 結局最後は・・・

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2024/07/15

台風ちゃん と 旦那さんが重なる それなら 最後、、、と思ってしまう。 生きていくこと 心が健康なこと 考えさせられた。

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2024/06/27

 夫が突然宣言してから、以後ずっと風呂に入らなくなる展開には、高瀬隼子さんの作品によくある、特殊な設定による人間のあり方を問い掛ける内容なのかと思いきや、終始一貫して、妻「衣津実」主観の文章であることから、本書は、夫がそのような状況になった時の妻自身の幸せとは何なのかといった、そ...

 夫が突然宣言してから、以後ずっと風呂に入らなくなる展開には、高瀬隼子さんの作品によくある、特殊な設定による人間のあり方を問い掛ける内容なのかと思いきや、終始一貫して、妻「衣津実」主観の文章であることから、本書は、夫がそのような状況になった時の妻自身の幸せとは何なのかといった、それに対する狂おしい程の葛藤を描いているのだと、物語の終盤までは思われた。  確かに、夫がそうなるきっかけのようなものはあったのかもしれないが、夫自身の内面的描写が全く無いため、その真相は闇の中であり、あくまでも彼の事を『狂っている』と感じているのは、衣津実自身の心境のみであることからも、やはり妻の物語なのだろう。  意外だったのは、そう思われた根拠として、随所に散りばめられた夫婦のあり方を問い掛ける言葉に、思いのほか響くものがあったことで、中でも『夫が人生の全てとは思わない。けれど、夫がいてくれたらそれでいい、とは思っている』は、どこででも聞かれそうで、実はそうでもないのではと感じられた点に価値があるのではと思われた、そこには、全てが白と黒だけだと思い込んでいる人に向けた、愛のあり方の多様性も潜ませているのではないかと、私は思うのである。  このような書き方をすると、多様性なんて、都合の良いお手軽な言葉を使ってるなと思われたかもしれないが、高瀬さんの柔らかい視点には、まさに昔ながらの凝り固まった姑の考え方にやんわりと釘を刺すような印象もあって、それは傍から見たら、おままごとのようであるのかもしれないが、『熟考して選んでないからといって、全てが間違いになるわけではない』や『愛した方がいいから愛しただけだと、ほんとうに思うの』から感じられたのは、夫婦のあり方に正解や間違いなんて無いのだということであると共に、それを決めていいのは夫婦だけなんだという、はっきり言ってしまえば、余計なお世話ですよ、ということなんだと感じられ、このままの展開で行けば、高瀬さん初の爽やかな読後感になるかもと思われた。  だが終盤に入り、いきなり唐突で曖昧な終わり方を迎えたことで、そのような思いに待ったをかけられ、最初は意味が分からずに、これはどういうことかと思いを巡らせ・・・捉え方としては色々ありそうな気がするし、その中には怖いものも含まれている。  ひとつ似通ったものとして思い出されたのが、衣津実が小学生の頃に「台風ちゃん」と名付けた、水道水を入れた水槽で飼っていたのに、何故かずっと生き延びていた不思議な魚の存在であり、それに対する印象を彼女の母は『気味が悪いわ』と言い、匂いを気にしながらも仏壇の隣に置いていた、そうした状況と、風呂に入らず異臭の漂う夫が妻の隣にいる姿が重なったことから、衣津実の愛の拠り所をそこに見出していたのかという思いと、かつて一度放ってしまった稀有な存在に近いものと再び巡り会えたことから、そこにこそ衣津実自身の幸せを見出せるものがあるのかもしれないという思い等、様々であったが、そうした曖昧な終わり方には、まさに幸せも人間の考え方も、そう簡単に白黒付けて分かりうるものでは無いのだろうという事を表したかったのだろうか。いずれにしても真相は、これまた闇の中である。

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2024/06/25
  • ネタバレ

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たまたま雨の日に読んだ。雨の日に読んでよかった。 私の夫が1日、2日シャワーを浴びなかったら私はベッドに入らないでと言うだろうし、多分怒ってしまうと思う。仮に面倒臭さいからではなく、なんだか深刻そうな時でも私は寄り添えるだろうか。「シャワーに入って」って言うのは、「(私はべとべとして嫌だから貴方も嫌だろうし他のみんなも臭くて嫌だから人間の常識として)入って」っていう、私の常識の押し付けになってしまうのかな。でも主人公はもやもやを抱えつつも夫が傷つかないように、悪者にならないように接していて、そもそも私は何かを注意する時に夫を擁護して伝えられていただろうか。 P98-99は心にちくりと何かを残した。真っ当であるべき思考と本当の感情、夫への思いやり(たい気持ち)と、身勝手さ。夫を大事に思うことは、夫を大事に思える自分を大事にしていきたい気持ちの表れなのかも。そんな矛盾の隙間に私たちは生きている気がする。 最後まで読んでみて、結局夫が精神疾患だったのかはっきりしなかったけど、というかまあ病院に行けばそう診断されて(都会の生活上の)適した治療が始まるけど、それだけのことなんだろう。治療(と言う言葉をあまり使いたくないけど)は診断されてなくてもいいし、薬に頼らなくてもいい。不思議なラストだけど、夫は自らの意志で荒れた川に行ったし、この日を穏やかに待っていたのかもしれないとすら思った。はたまた、もう一度主人公を故郷に呼び戻した台風ちゃんだったのかも。雨上がった直後のような甘くてくさい臭いと、湿った穏やかな気持ちになった読後感は案外好きでした。 追加:図書館で借りて読んだんだけど、2024ナツイチ文庫であって、手元に欲しくて買ってしまいました

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2024/06/14

私には衣津実さんのように主人をここまで支える事が出来るだろうか 愛するとは相手に寄り添う事だと思うが… 日本人は匂いに敏感な人種だと思う 特に 他人の匂いには不快感を表すだろう 回りの眼を気にせず生活出来るだろうか… 奥さんに、こんなに愛してもらえて好きなように過ごさせてくれて幸...

私には衣津実さんのように主人をここまで支える事が出来るだろうか 愛するとは相手に寄り添う事だと思うが… 日本人は匂いに敏感な人種だと思う 特に 他人の匂いには不快感を表すだろう 回りの眼を気にせず生活出来るだろうか… 奥さんに、こんなに愛してもらえて好きなように過ごさせてくれて幸せだったと思う

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2024/06/02

臭いと汚さの描写がとてもリアル 風呂にはいることって多少のめんどくささはあるけど日常すぎて入らないという選択肢すらなかった 清潔さが求められる世の中において、臭いがキツイって受け入れられないよなあ

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2024/05/24

勢いで読み終わった。最後、結局夫どうなったのか。なぜお風呂に入れなくなってしまったのか。なぜ離婚したり別居したりしないのか。分からないところが多いし、丁寧に汚い描写があって、不思議な小説だったな〜。 どの人にも共感できなかったけど気になって読み進めてしまった。

Posted byブクログ