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月まで三キロ の商品レビュー

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174件のお客様レビュー

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2024/06/16

伊与原新「月まで三キロ」読了。親しい方からの紹介で読んでみた。たまたまAIの学会で浜松に行った直後だったので、月まで三キロの結末がよかった。人の優しさ、科学の要素とミステリー的な展開が絶妙にマッチして素晴らしかった。星六花の中谷宇吉郎、天王寺ハイエイタスの国環研も納得の読後感だっ...

伊与原新「月まで三キロ」読了。親しい方からの紹介で読んでみた。たまたまAIの学会で浜松に行った直後だったので、月まで三キロの結末がよかった。人の優しさ、科学の要素とミステリー的な展開が絶妙にマッチして素晴らしかった。星六花の中谷宇吉郎、天王寺ハイエイタスの国環研も納得の読後感だった。

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2024/06/15

すごく好きなタイプの短編集。 文庫巻末の逢坂剛と伊与原新の対談で逢坂さんが言っているように科学をトリックのネタではなく、人間ドラマの中に入れこんでいるところが良かった。 どの話もホロッとして、最後あったかい気持ちで終われるところが好きです。 特に「エイリアンの食堂」「山を刻む」が...

すごく好きなタイプの短編集。 文庫巻末の逢坂剛と伊与原新の対談で逢坂さんが言っているように科学をトリックのネタではなく、人間ドラマの中に入れこんでいるところが良かった。 どの話もホロッとして、最後あったかい気持ちで終われるところが好きです。 特に「エイリアンの食堂」「山を刻む」が良かった。 でも、「月まで3キロ」も「天王寺ハイエイタス」も「アンモナイトの探し方」も「星六花」も全部良かった。

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2024/06/13

天文学、気象学、考古学、古気候学、理論物理学、地学、、、と科学の内容をふんだんに盛り込んで、人のドラマが一つ一つ描かれる。大きな事件が起きるわけでも、最後に皆が集まるわけでもないけど、科学と人生って感じ。

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2024/06/01

1.おすすめする人 →エモい気持ちになりたい、地学がすき 2.内容 →地学や宇宙を想像しながら  話が進んでいくエモい短編集。  勉強になりつつ、なんだか切ない気持ちになる。  ゆっくり読むにはちょうどいい本。

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2024/05/24

2024.5.24 読了 人生ままならないことばかりだけどちょっとしたきっかけで前を向けることもある。 どのお話もままならないことはままならないまま多少の苦味は残しつつも後味はどこか爽やかで温かい。 大きな起伏はないのに不思議と心揺さぶられる作品でした。 私は『天王寺ハイエイ...

2024.5.24 読了 人生ままならないことばかりだけどちょっとしたきっかけで前を向けることもある。 どのお話もままならないことはままならないまま多少の苦味は残しつつも後味はどこか爽やかで温かい。 大きな起伏はないのに不思議と心揺さぶられる作品でした。 私は『天王寺ハイエイタス』が一番好みだったかな。 ちょっとした謎解きもあってラストも状況は何にも変わらないんだけどなんかホッコリして。 おっちゃんのキャラも魅力的で好きでした。

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2024/05/01

月の自転周期が公転周期と一緒のため、月はいつも地球に対して同じ面を向けている。月の裏側を見ることはできない。  そんな天文学の常識を、息子の死を今も引きずっているタクシー運転手の人生に絡めて展開する表題作「月まで3キロ」  海や湖の底にたまった堆積物を円柱状のコアにして採取し、...

月の自転周期が公転周期と一緒のため、月はいつも地球に対して同じ面を向けている。月の裏側を見ることはできない。  そんな天文学の常識を、息子の死を今も引きずっているタクシー運転手の人生に絡めて展開する表題作「月まで3キロ」  海や湖の底にたまった堆積物を円柱状のコアにして採取し、過去の気候変動を調べる研究を対照として、伝説のギタリストだった叔父の過去を浮かび上がらせる「天王寺ハイエスタス」  毎日決まった時間に父が腕をふるう食堂にくるミステリアスな女性との会話から、世界を形づくる素粒子のことを知り、亡くなった母との関係性を再構築する女の子の話「エイリアンの食堂」  などなど、理系的な知識を活かした全六編のミステリー短編集。  すでに単行本で読んでいたけれど、文庫になっていることに気づいて、文庫で再読した。     この本に登場するひとたちは、人生のどこかで躓いた経験があり、今もって心に傷を負っている。表面上はそうは見えなくても、きっかけがあると、その傷がときどき疼く。  読者は作者が示した鍵を手にしたとき、初めて彼らの心の奥底を垣間見ることができる。その鍵というのが、人の心を読み解くということからは全く遠いところにあると思われる、理系的な知識の数々だ。  話の展開を考えてから、それに合った知識を探してくるのか、その逆なのかはわからないけど、見事としか言いようがない。天文学や物理学、地質学など、どちらかといえば数式で表される、冷たくて融通などきかない理数世界の理が、どうしてここまで人間の、ときには脆くて、ときにはしなやかな心の動きを表すことができるのだろう。  個人的に一番お気に入りなのは「エイリアンの食堂」だ。元になるのは素粒子理論だけれど、輪廻転生の思想のこと語っているようだった。しかも物語の中では小学生の女の子にもわかるように話しているので、論理は明快。死生観をこんなかたちで説明することできるのが新鮮だった。  学校で学んだ知識なんて、社会では役に立たない、とか言われがちだけど、学校で学んだ経験っていうのは、やっぱり頑張った分だけ、どこかで人生の役に立つかもしれない。

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2024/05/21

ままならない人生の再生物語。 生き辛い事情を抱えた人々の心情に触れ、胸をギュッと掴まれるような思いの短編集。 初めての作家さんでしたが、リアルの中に適度なファンタジーがあり、丁寧な描写で人物像が想像しやすく読みやすかったです。 人は人により傷付き、人により悩み、人により苦しむ。...

ままならない人生の再生物語。 生き辛い事情を抱えた人々の心情に触れ、胸をギュッと掴まれるような思いの短編集。 初めての作家さんでしたが、リアルの中に適度なファンタジーがあり、丁寧な描写で人物像が想像しやすく読みやすかったです。 人は人により傷付き、人により悩み、人により苦しむ。だけどそれを癒すのもまた人である。 それぞれの主人公となる人物が抱える悩みは非現実的でもなくそこそこに重い。 そこで出会う人々もまた、ままならない過去を乗り越えてきた物語を持っている。 「大丈夫!」それもまた誰かを元気づける優しい言葉ではあるけれど「苦しいのは、悩んでいるのは自分だけではない」という〝気付き〟には優しさだけではない、底力があるなと感じた。 短い物語の中に二つの全く違うエピソードがあり、また月や雪の結晶や地層、化石…と物語を彩る豆知識がちょっと嬉しい。 読み応えのある短編集です。 今年の12冊目

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2024/04/21

短編集 「山を刻む」 若い頃は、やりたい事、好きな事、 沢山あったはずなのに、いつのまにか一つずつ、何かを理由につけて忘れてしまっていました。 忘れている、その事を思い出させてくれました。 子育てがひと段落し、ふと、自分の夢が なんだったのか‥、思い出す事をしたいですね。 ...

短編集 「山を刻む」 若い頃は、やりたい事、好きな事、 沢山あったはずなのに、いつのまにか一つずつ、何かを理由につけて忘れてしまっていました。 忘れている、その事を思い出させてくれました。 子育てがひと段落し、ふと、自分の夢が なんだったのか‥、思い出す事をしたいですね。

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2024/04/02

地学系の短編小説とは知らずに、本屋さんのポップが目を引いたのでずっと気になっていた一冊で、ようやく読んでみた。地学の世界は自分には縁遠いけど、空を見上げたり、山を眺めたり、ゴツゴツした岩肌に思いを馳せたり、素人ながら普段していることから、何か通じるものを感じて、すーっと最後まで読...

地学系の短編小説とは知らずに、本屋さんのポップが目を引いたのでずっと気になっていた一冊で、ようやく読んでみた。地学の世界は自分には縁遠いけど、空を見上げたり、山を眺めたり、ゴツゴツした岩肌に思いを馳せたり、素人ながら普段していることから、何か通じるものを感じて、すーっと最後まで読めた。 落ち込んだり疲れたりしている時こそ、いろんな世界を知るって大事だし、人生を豊かにする。毛嫌いせず、食わず嫌いにならず、いろんな世界を見たり、知ろうとする努力は消してはいけないなと思う。 そして、自分の本当に好きなことや大事にしたいこと、つい家族や仕事に重きを置いて、忙しく慌ただしい毎日にかき消されてしまいそうになるけど、ちゃんと持って、大事に大事にしていけばいいんだなと思った。自分にとってのそれは何だろう、と考える機会でした。 本の世界にぐっと入り込める感覚がしました。

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2024/04/02

いつかの本屋大賞で三月は銀の雪、ぶりの伊与原新さん これも物理系の短編で新鮮ででも面白かった〜 ならではなストーリーだけどどれも家族系のお話でさらっと読めた☺️ 超文系な私でも楽しめるってすごいよね〜

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