月まで三キロ の商品レビュー
はじめの月を読んでると暗い話かなと思っていたが ステキなストーリーでした。 最後の締めくくりに感動する。 人の心情がすごく伝わる。 私が興味がある素粒子の話が、エイリアンの食堂にでてきたのは良かった。 また、読みたい。今年の夏の思い出。
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新潮文庫の100冊をきっかけに。 ままならない人生を送っている、いろいろな年代の主人公の日常に科学との出会いがあり、人生に光が見え始める…という短編集。 科学は日常の中にさりげなく出てくるので、理系小説といっても、とても読みやすかったし、科学がいいスパイスになっていたように思う。...
新潮文庫の100冊をきっかけに。 ままならない人生を送っている、いろいろな年代の主人公の日常に科学との出会いがあり、人生に光が見え始める…という短編集。 科学は日常の中にさりげなく出てくるので、理系小説といっても、とても読みやすかったし、科学がいいスパイスになっていたように思う。 ミステリー要素もあって楽しめた。 どの話もすごく好きだったけれど、「山を刻む」が一番好きだった。 表題作の「月まで三キロ」は比喩表現が素敵でとても印象に残った。 いつか看板、見に行きたい。 ✎︎____________ 子育てって、月に似てると思うんですよ。親が地球で、子どもが月(P43) 赤ん坊の月は、地球のそばにいるじゃないですか。幼いころは、無邪気にくるくる回って、いろんな顔を見せてくれる。うれしい顔、悲しい顔、すねた顔、楽しい顔、さびしい顔、全部です。でも、時が経つにつれて、だんだん地球から離れていって、あんまり回ってくれなくなって、とうとう地球には見せない顔を持つようになる。裏の悪い顔って意味じゃないですよ。親には見せてくれない一面っていうのかな。月の裏側みたいに(P43~P44) この世界で、美を誇っているのは、花や鳥や人だけではない。雪の結晶、雲や空が垣間見せる、無機質の美。見つけられることを望んですらいない、ただそこにある美。潔く、はかない美。(P100) わかるは、わけるだ。正しくわけるというのは、人が思うほど簡単ではない(P140) わかるための鍵は常に、わからないことの中にある。その鍵を見つけるためには、まず、何がわからないかを知らなければならない。つまり、わかるとわからないを、きちんとわけるんだ(P143) そばにはおられへんでも、大事に思うことはでける(P210) 人生に後悔はつきものや。でもそれでええやないか。そのために、ブルースがある。(P212) 人との出会いというのは、つくづく不思議なものだと思う。人生というルートの分岐点は、初めから地図の上にあるのではない。人との偶然の出会いが、気まぐれにそこに分岐を作るのだ。(P326) 目標なんてのはね、達成できてもできなくても、人生に影響しないようなものにしときゃいいの。(P345)
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伊与原さんは「宙わたる教室」からの2冊目 よかった。短編6話 どの話も全然違うけれど、月とかアンモナイト、地層や素粒子など天体・地学の視点を媒介にそれぞれが抱えている躓き、不安、心の支えが心地よく解かれていく。 親と子の関係性や、人と人との繋がりなどがマクロな天体やミクロの素粒子...
伊与原さんは「宙わたる教室」からの2冊目 よかった。短編6話 どの話も全然違うけれど、月とかアンモナイト、地層や素粒子など天体・地学の視点を媒介にそれぞれが抱えている躓き、不安、心の支えが心地よく解かれていく。 親と子の関係性や、人と人との繋がりなどがマクロな天体やミクロの素粒子の世界観で表現されていく。 夢中になれる〝何か〟を持っている大人の姿の 引力を感じた。そういう大人でありたいなと思えた。 「月まで三キロ」 「アンモナイトの探し方」 「エイリアン食堂」 が特に印象に残った。 よかった所 1話目 「月まで三キロ」 死に場所を探す男と心に傷を負っているタクシー運転手の話 子育てにおける親と子の関係の表現に心をつかまされる。 3話目 「アンモナイトの探し方」 両親が別居中の中学受験生。 心に変調をきたしいったん受験勉強から離れ東京から北海道へ。 そこでアンモナイトを探している戸川というお爺さんに出会う。 わけるとは、わかるとは。 いい大人とはなんだろうと 戸川がよかった 4話目 「天王寺ハイエイタス」 哲おっちゃんの 〝人生に後悔はつきもの それでええやないか〝 がよかった。 5話目 「エイリアンの食堂」 素粒子 水素原子 宇宙の話 亡くなった人はどこへ行くのか 母を亡くした小学生の女の子と素粒子の研究に没頭する女性の話。 とても心温まる 6話目 「山を刻む」 自分の好きを周りに伝えることの大切さ 何かに夢中な人はその『気』が周りに伝播する 心地よい短編だった
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伊与原 新さんの短編小説 『月まで三キロ』 収録は以下6つの物語で関連性は無く、 扱うテーマが潔いほど明確に分かれている。 月まで三キロ 星六花 アンモナイトの探し方 天王寺ハイエイタス エイリアンの食堂 山を刻む 作者の伊与原さんが地球惑星科学を専攻されていただけあって、理...
伊与原 新さんの短編小説 『月まで三キロ』 収録は以下6つの物語で関連性は無く、 扱うテーマが潔いほど明確に分かれている。 月まで三キロ 星六花 アンモナイトの探し方 天王寺ハイエイタス エイリアンの食堂 山を刻む 作者の伊与原さんが地球惑星科学を専攻されていただけあって、理工系の科学の専門知識が随所にみられる作品。 それも地質工学や天文学、気象学や宇宙工学など扱う分野が豊富でバラエティに富んでいる。 にもかかわらず、専門知識が分かりやすく自然に小説に馴染んでいるので、不思議なほど読みやすくて勉強にもなった。この力んでない匙加減が秀悦だと思う。 久しぶりに科学の図鑑なんかを引っ張り出したい衝動に駆られた。笑 特に私は『月まで三キロ』と『エイリアンの食堂』『山を刻む』が印象的だった。 どの短編も、科学とヒューマンドラマの融合がバランス良く絶妙なタッチで描かれていて、とても新鮮だった。それでいて、ミステリー要素も感じられるので先が気になって夢中になってしまう。 これは文系の方にも是非オススメしたい。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
短編集。専門的な話でも読み込ませる端的な説明の上手さと、雰囲気づくりの巧みさがあって気持ちの良い短編集だった。 ・月まで三キロ 表題の作品。介護に疲れ、自殺しようと思い立つ男と、樹海に向かいたがる男を乗せたタクシーの運転手の話。 どちらも抱えるものがありながら、見ている世界が異なっていて素敵な話だった。 ・星六花 合コンに参加した男女の話。 結ばれないからこそ恋愛したくなる話だった。 ・アンモナイトの探し方 化石を掘るおじいさんと少年の話。 雰囲気つくりがとても上手。
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初めて読む作家の方です。著者は神戸大学で地球惑星科学を修められたとのこと。どの短編の主要登場人物も、これまでの人間関係の中で似ている人がいて、見につまされました。科学的に正しい知識をもって理詰めで迫ってくるのではなく、逆に温かく包み込むように物語が展開します。他の小説も読みたいで...
初めて読む作家の方です。著者は神戸大学で地球惑星科学を修められたとのこと。どの短編の主要登場人物も、これまでの人間関係の中で似ている人がいて、見につまされました。科学的に正しい知識をもって理詰めで迫ってくるのではなく、逆に温かく包み込むように物語が展開します。他の小説も読みたいです。
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自然を通して心のあり方を変えてくれる一冊。どの主人公も最初は心配だけれど、物語の終わりには『あぁ、きっとこの人は大丈夫だ』そう思えるようになる。 個人的には星六花とエイリアンが好きかな。
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月、雪の結晶、あるいは素粒子、あるいは堆積物や、化石。人が存在する地球や地球が存在する宇宙は、あたりまえだけど日々の生活に直結しているのですね。ちっぽけな人のちっぽけな人生だけれど このまま化石になってたまるか!ですね。
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学問ではなく人間学的に科学が織り交ぜられていて 感情を呼び起こし希望へと導いてくれる どうしようもなく辛くせつない日常も 視点が変わるきっかけがあれば世界は変わる 分かることの鍵は分からないことの中にある
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読書の番組で紹介されていたので、図書館で借りてみました。 表紙の大きな月が美しく、印象的でそこも惹かれました。 長編小説が好きなのですが、最近は短編も良いなぁと感じてます。 この本も、ひとつひとつのお話がじんわり温かく心に残ります。 表題作は特に不思議と引き込まれて行く感覚があ...
読書の番組で紹介されていたので、図書館で借りてみました。 表紙の大きな月が美しく、印象的でそこも惹かれました。 長編小説が好きなのですが、最近は短編も良いなぁと感じてます。 この本も、ひとつひとつのお話がじんわり温かく心に残ります。 表題作は特に不思議と引き込まれて行く感覚がありました。 山の話や、食堂に現れる不思議な女性のエピソードも好きです。 随所に科学や地学、地質学の要素が散りばめられているのですが、わかりやすい言葉ですんなりと物語のスパイスになっているように思いました。
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