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インタヴュー・ウィズ・ザ・プリズナー の商品レビュー

3.8

27件のお客様レビュー

  1. 5つ

    4

  2. 4つ

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  3. 3つ

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2024/03/09

エドは何故いつも辛い道を選ぶのか。 自己犠牲によって何を償おうとしているのか。 とても悲しく、複雑でそれでも読まずにはいられないミステリーです。 心を踏み躙るのはいつだって権力のある大人なんだと悲しくなりました。

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2024/01/17

☆アシュリー☆ 『清純』な人間なんて、ジェンダー、年齢にかかわらず存在しない。存在するのは『清純』だけだ。 アメリカの独立戦争中、コロニストとモホークの混血であるアリュリーの心の描写を読むと、複雑な気持ちになった。 エドがモーリスを診ているシーンにに心が踊らされた。法律により...

☆アシュリー☆ 『清純』な人間なんて、ジェンダー、年齢にかかわらず存在しない。存在するのは『清純』だけだ。 アメリカの独立戦争中、コロニストとモホークの混血であるアリュリーの心の描写を読むと、複雑な気持ちになった。 エドがモーリスを診ているシーンにに心が踊らされた。法律により父親を殺されたエドが仲間を守るために法律を犯し、苦痛を耐え忍び、最後のエドのシーンが悲しかった。 バートンズ、ありがとう!

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2023/05/17

アメリカ独立戦争のお話。三部作の最終巻。 なんとなくこれまではエドワード・ターナーのこと苦手だなと思っていたのに、この巻でひっくり返ってしまった。クラレンスの視点が良かったのだと思う。だから最後の手紙は本当に泣きました。 こういう物語の終わらせ方は好きすぎる。 アシュリーのジ...

アメリカ独立戦争のお話。三部作の最終巻。 なんとなくこれまではエドワード・ターナーのこと苦手だなと思っていたのに、この巻でひっくり返ってしまった。クラレンスの視点が良かったのだと思う。だから最後の手紙は本当に泣きました。 こういう物語の終わらせ方は好きすぎる。 アシュリーのジェイクへのクレイジーラブの気持ちは、なるほど、分からんという感じでしたが、このよく分からん複雑な感情がなんとも人間らしい。 前の2冊を読み直してもう少しこの世界に浸りたいと思いました。

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2022/10/02
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

18世紀、新大陸。植民地を開拓したコロニストたち大陸軍と、独立を認めない英本国から派遣された国王軍との戦争中。 前作のラスト、殺人の罪を知ってもなお彼を愛してくれているとわかっているからこそ、彼らの前から姿を消したエド。そんなエドをひとりにさせておけないからと、共に去ったクラレンス。 物語は、殺人犯として監獄に収監されていたエドに、記者のロディが訪れたところから始まる。 「なぜアシュリーを殺したのか」 『調査』と『犯行』。 英国から志願兵として派遣されてきたエドとクラレンス、そして殺されたアシュリーの生い立ちと彼らとの交流が交互に語られる。 コロニストの名士と、先住民族モホークとの間に庶子として生まれたアシュリーは、モホークとの通訳として国王軍に従軍し、エドたちと出会ったのだが… 王国軍と叛乱軍の戦闘、先住民と白人との対立、さまざまな思惑の入り乱れる中、彼らの周囲で次々と起こる不可解な死。 事件の手がかりだったはずの手記が書き換えられている事を見抜いたエドは、獄中から真相に迫ってゆく。 シリーズ最終作に、やっと辿りついたという感じ。 前二作とのつながりは、エドとクラレンスの二人が登場する事だけと言っても良い。 けれど、エドの振る舞いや、クラレンスの独白の端々にはロンドンでの事件の翳りが常にあって。 ラストのクラレンスの短い手紙に、涙してしまった。 ロンドンに置いてきた、ほんの少し前までの、仲間たちとの日々の…失われてしまった、翳りのない明るさが、遠すぎて、かなしい。 うーむ、シリーズとしてのまとまりやミステリとしての面白さはともかく、混沌の時代に引き裂かれたいくつもの孤独な心のあり方に、そんな時でも失われない信頼や情愛のきらめきに、何ともいえない不思議な魅力を感じた。 誰にでも気軽に勧められる類の作品ではないが、読んで良かった。

Posted byブクログ

2022/07/29

最初はアシュリーがモホークと一緒に彼らの居住地に行ってしまったことを隠すために死んだことにしたのかと思ったが、それならわざわざ犯人を仕立てなくても戦死とすれば良いわけだし⁇ 新刊出るたびにまだ生きてたのか!とたまげている。どうぞ長生きしてください。

Posted byブクログ

2022/07/17

シリーズ三作目にして最終作。独立戦争中のアメリカが舞台。独立戦争中のアメリカへ、国王軍の兵士として出兵したエドとクラレンス。その戦いの中で起こった不審死。そして投獄されたエドには、コロニスト準男爵の子息であるアシュリーを殺害した疑いがかけられているという。重厚な読み応えたっぷりの...

シリーズ三作目にして最終作。独立戦争中のアメリカが舞台。独立戦争中のアメリカへ、国王軍の兵士として出兵したエドとクラレンス。その戦いの中で起こった不審死。そして投獄されたエドには、コロニスト準男爵の子息であるアシュリーを殺害した疑いがかけられているという。重厚な読み応えたっぷりのミステリです。 「開かせていただき光栄です」は楽しかったんだけどなあ……なんかいろいろと、つらいです。バートンズがバラバラになっちゃったのもそうだし、エドとクラレンスが変わってしまったことも悲しい。物語の舞台もこのうえなく殺伐としてるし、なによりもこれで終わっちゃうんだよねえ、ってのが何よりもつらくて。しかもこのラストの手紙が悲しすぎる! また一作目から読み返したくなっちゃうな。バートンズのみんなに会いたい。 ある意味この物語の主役なのかもしれないアシュリーの物語も魅力的です。コロニストの父とモホークの母との間に生まれ、ある程度高い地位であるにも関わらず冷遇される人生の中で、何を拠り所とするかに悩みながら生きるさまが危なっかしくもあり、たくましくもあり。自らのアイデンティティを確立できないまま、自分の卑屈さを恥じるところもあるけれど。国王軍と大陸軍の間でコウモリのように立ち回ろうとする人たちに較べれば、彼のモホークに対する気持ちはまったくぶれないので安心して読んでいられました。モホークの人たちも素敵。文字と書物がないのだけは、困るけれど(笑)。 いつの時代も戦争というものは悲劇しか生まない気がします。ラストの手紙で書かれていることも、言葉少なに書かれていることがさらに苦しくて仕方がありません……。

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2022/04/05
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

アシュリーはじめ、面倒くさい男たち!!もっと気楽に生きればいいのに!! 自分を罰し続けたエドにとっては、ハッピーエンド…だったのかな。 クラレンスのお陰で、読者をはじめヤキモキしていたバートン先生たちにも、物語の結末を届けられるたのね。彼は本作の、この3部作の影の立役者である。

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2022/03/21

「開かせていただき光栄です」「アルモニカ・ディアポリカ」から続くシリーズの最終作。 直近作の「クロコダイル路地」ではバートンズが思ったほど出てこなかったのに対し、今作ではアメリカ植民地に旅立ったエドとクレメンスのその後を描いてくれている。彼らのその後を描いてくれたのは嬉しかった...

「開かせていただき光栄です」「アルモニカ・ディアポリカ」から続くシリーズの最終作。 直近作の「クロコダイル路地」ではバートンズが思ったほど出てこなかったのに対し、今作ではアメリカ植民地に旅立ったエドとクレメンスのその後を描いてくれている。彼らのその後を描いてくれたのは嬉しかったけれど、彼らの追憶上にたびたび登場するバートンズの面々が非常に懐かしく感じるとともに、淋しさもひとしお。バートンズのあのユーモア感というか、癒し的雰囲気が好きだったんだけどな、、、。 今回の舞台は、独立前のアメリカ。先住民側からの視点で描かれているのが新鮮。まぁ、現代のアメリカ人からすると独立派が絶対的英雄なのかもしれないけれど、先住民側からするとどっちもどっちというか、少なくとも独立派が一方的に英雄視されるのには違和感を覚えるかな。シリーズを通して、ロンドン、パリ、アメリカと、当時の欧米のリアルな様相が描かれていて興味深く読めた。

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2022/03/19
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

ラストを読み終えて、身体を引き裂かれるような痛みを覚えた。もうアルモニカの時点で希望は失われていたけど、それでも幸せを願いたかった。 もう誰も見捨てないのであろうエドを見ているのはつらかった。どれだけ心の内で苦しんでいたかを考えると気分が塞いでくる。 また、傍らで見ていたクラレンスも相当辛い役回りだろう。 アメリカの独立戦争を軸にしているため争いの真っ只中。民族の違い、国の違い、言葉の違い、見た目の違い、身分の違い、違いを挙げだしたらキリがない。敵とみなせばいくらでも諍いは起きる。 その中でも偵察隊の一連のシーンが1番印象に残っている。自然の中で生きる力のある頼もしいモホーク、次第に対応が柔らかくなるシャルレーヌの伯母さんや、元から垣根のない伯父さん。一つ一つのものを無駄にせず生きていることが心に響いて泣けてくる。 目の前に生きている一人一人に向かい合わなきゃならないことを改めて思った。 3部作を通して、楽しいことばかりではなかったが…むしろ苦しみの方が多いほどだったが、非常に愛しいシリーズだった。

Posted byブクログ

2022/01/06
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

また、大傑作が一冊生まれた。 独立戦争真っ只中の北米を舞台とし、アイデンティティの狭間に漂い翻弄され苦悩する若者の視点を中心に描かれる、"人間"の姿。 メタとしての不具の者、異形の者を巧みに登場させる手練も相変わらず。 迸出する歪んだ愛をただ跳梁するに任せ、どうすることもできない歪んだ者たち。 他者どころか自身についてさえ理解が及ばない、それが"人間"という存在なのだ、と改めて気付かせてくれた。 「開かせていただき光栄です」から始まる、いわゆる"バートンズ"シリーズの3冊目、完結編として位置付けられた作品だが、万人にとって読み易いエンターテインメントとして仕上げられていた1作目と比し、次作の「アルモニカ・ディアボリカ」、そして今作と、回を重ねるごとに世界観は重厚感を増していき、それに伴って物語のシリアス度合も深くなっていった。 ともすれば序盤を読んだ限りでは、"これがバートンズシリーズである必然性はあるのかな"、と思わないでもなかったが、スリルを保ったまま平仄を残らず合わせ、かつシリーズとしての整合性をきっちり揃えてくる技量は、本当に凄まじいばかり。 ラスト近く、すべてが一点に収斂し、エドを救出した場面から俄かに高まり張り詰める緊迫の糸はなんだ、氏ならではの神がかった構成力に、背筋が一瞬冷えた。 齢90を超え、この世界を脳内に構築する異能に、心底感服する。 彷徨うアシュリー・アーデンの物語であると同時に、まさしくこれは、"バートンズ終焉の物語"だ。 まったくの蛇足ながら、個人的にはディーフェンベイカーさんが出てこなかったのが少し残念。 「私は滅ぼした者の仲間であり、滅ぼされた者の仲間だ。」 「何種類の仮面と鎧が必要なことか。」 「異質のそれらが溶け合って一つの存在となる、というふうにはならないのだな。明瞭に二分され半分を捨てなくてはならないのか。」

Posted byブクログ