インタヴュー・ウィズ・ザ・プリズナー の商品レビュー
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「開かせていただき光栄です」「アルモニア・ディアボリカ」に続くシリーズ最終作です。前作うろ覚えでしたので、再読したいと思います。たぶん、前作を読んでいない方でも楽しめるのではないでしょうか。 独立戦争のころのアメリカでの、その地にいきる人々と外からやってきた人と、お互いがお互いを理解することなく存在していた時代。そんな大きな時の流れのなかに、人の心の複雑さを記し、ミステリーを追加する皆川先生の素晴らしさよ。 各所の細かい謎もさることながら、一冊を通して語られる大きな謎も、どちらもとてもよかったです。すらすら読めますので、分厚いと思ってもチャレンジしてほしいですね。 装丁も素敵でした。三冊並べて赤青白、イギリスの国旗の色ですね。
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読了した人の同意がほしくて()日記から転載 ウッウッ…エド死んだか〜〜〜! まあそうなるよな… でも白人の中ではなくモホークと共に死んだのがすごくエドの最期として、らしい、というか… 英国のためでもアメリカのためでもない立場で戦場で死ぬというのは、納得できる最後だなあ 船の上とかでもモホークの文化に馴染んでるみたいな描写があって心が暖まったし、書物はアシュリーに届けてもらってたし、医者の活動もしてたし…惨めな最期じゃなくてよかった モホークの名前を意味で記述してくるのが流石としか言いようがない。美しい湖はぜったいイケメンなんでしょ、そうなんでしょ…! 皆川作品の主人公、大体アシュリーみたいな卑劣で自尊心が強くてでも主体的に行動できないコンプレックスがある人物だよなあ 気まぐれに激したり臆したり誰かに極端に憧憬を抱いたりして女々しくて親近感が湧く ロディもいい奴でよぉ…完全に今作の陽キャ担当 クラレンスはエドの魅力を描き、白人の立場を代弁し、ロンドンに思いを馳せることで前作からの流れを続かせてくれた、名ワトソン君だったのがよかった 肉体的に踏んだり蹴ったりだったが… 歴史小説として、アメリカ独立戦争下の混乱をコロニストとモホークのハーフ及び新大陸に渡航した一般(?)英国人の立場から体験させるというのもめちゃくちゃややこしいのに凄い臨場感 サスペンスとしてアシュリーの手記から真相に迫ろうとする手法もとっても愉しくて やはり皆川博子の小説を読む愉しさは半端ないと思い知らされたのであった
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前作以上に続編感は薄く、ミステリーというよりはアメリカ独立戦争時代の大河ドラマのつもりで読んだほうが良い。「開かせて〜」の冒頭から、エドのこんなに哀しい結末は予想出来なかった。
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エドが何故か監獄に! クラレンスと志願兵になったはずなのに… なぜエドはアシュリーを殺したのか、アシュリーの手記をもって新聞記者がエドの元を訪ねてきた。 ロディ、アシュリーの手記、など場所が色々飛ぶので頭で整理しながらついて行くのがちょっと大変だった。 手記の意味、エド、ク...
エドが何故か監獄に! クラレンスと志願兵になったはずなのに… なぜエドはアシュリーを殺したのか、アシュリーの手記をもって新聞記者がエドの元を訪ねてきた。 ロディ、アシュリーの手記、など場所が色々飛ぶので頭で整理しながらついて行くのがちょっと大変だった。 手記の意味、エド、クラレンス、モホーク達、 戦争は色んな人が犠牲になって理不尽な扱いを受けてきた。切ない
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「誰が、いつ、語っているのか」「その情報は本当なのか」「誰がどの情報を持っていて、持っていないのか」という、近代以降の小説を読む際必ず考えなければいけないことに根差したトリックに舌を巻いていると、エピローグで一段と遠いところに連れて行かれ呆然とする。最高傑作なのではなかろうか。
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「開かせて~~」シリーズ三部作、最終巻との触れ込みでしたが、舞台がアメリカ独立戦争だったからか、前作までの雰囲気と全然違ってびっくりした…
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最初に感じた読みづらさは、物語が進むにつれて気にならなくなる。 それよりもこの後の展開を知りたくて夢中で文字を追いかけた。 ミステリーであり歴史小説でもあるので、読み応えは抜群。 エドの幸せを願うクラレンスには共感しかない。 そしてラストはいつも切ない。 このシリーズ、ホントに好...
最初に感じた読みづらさは、物語が進むにつれて気にならなくなる。 それよりもこの後の展開を知りたくて夢中で文字を追いかけた。 ミステリーであり歴史小説でもあるので、読み応えは抜群。 エドの幸せを願うクラレンスには共感しかない。 そしてラストはいつも切ない。 このシリーズ、ホントに好きです。
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ミステリーなんだけれど歴史小説としても面白かった 過去二作をもう一度読み返そう すごかった 圧巻された
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アメリカ独立戦争の舞台裏で、囚われたエドを助けるために仕掛けられた方法。 現在編と言うべき調査と過去編と言う反抗の二つが視点を変え交互に語られ最後に交差し、思いがけない結末へと導かれる。 謎解きの面白さもあるが、独立戦争もその後も白人のインディアンへの残虐な行為、インディアン達の...
アメリカ独立戦争の舞台裏で、囚われたエドを助けるために仕掛けられた方法。 現在編と言うべき調査と過去編と言う反抗の二つが視点を変え交互に語られ最後に交差し、思いがけない結末へと導かれる。 謎解きの面白さもあるが、独立戦争もその後も白人のインディアンへの残虐な行為、インディアン達の誇り高さが心に残る。
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シリーズ最終作、というだけで郷愁を覚えて読み終えるのが寂しくて堪らなかったのですが、読み終えた後は、忘我というのか、遠い時代の遠い大地に、自分と仲間たちのために戦った登場人物たちに思いを馳せるばかりでした。 独立戦争中のアメリカを舞台に、先住民族と開拓者、そして英国のあいだで繰...
シリーズ最終作、というだけで郷愁を覚えて読み終えるのが寂しくて堪らなかったのですが、読み終えた後は、忘我というのか、遠い時代の遠い大地に、自分と仲間たちのために戦った登場人物たちに思いを馳せるばかりでした。 独立戦争中のアメリカを舞台に、先住民族と開拓者、そして英国のあいだで繰り広げられた戦争を背景に、青年たち自身の個々の戦いを描いたミステリです。 個人のエゴ、むき出しの感情が織りなしていく謎が紡がれそして紐解かれていきながら、時代の大きなうねりの煽りを受けて、悲愴な側面を持つ、そして私たちが知る歴史の転換点を迎えていきます。個人が、長々と紡がれてきた歴史が、あっけなく踏みにじられていく悲惨さ、酷さとともに、彼らが持っていた誇りや生き様のうつくしさ、たくましさも描かれ、とても印象的でした。 エドとクラレンスの運命もまた、時代に翻弄され、ある結末を迎えました。その余韻は苦々しいものではあったものの、彼は彼の思うがままに生き、行動したのだということを知れただけでも良かったかな、と思います。バートンズ、永遠なれ、と静かな拍手とともに物語に敬礼をしたい気分になりました。
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