対岸の家事 の商品レビュー
共感疲れしている人におすすめ。 家事、という言葉はあまりにも広義すぎて、光を当てる方向と見る人の視力体力知力によってまったく見え方が変わってくる。 専業主婦の主人公をはじめ、近所のワーママ、ワーパパ、いろんな人がいる中で、共感とはまた違った受容がどの登場人物にもあって。よき読了感...
共感疲れしている人におすすめ。 家事、という言葉はあまりにも広義すぎて、光を当てる方向と見る人の視力体力知力によってまったく見え方が変わってくる。 専業主婦の主人公をはじめ、近所のワーママ、ワーパパ、いろんな人がいる中で、共感とはまた違った受容がどの登場人物にもあって。よき読了感でした。
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「それ!」「それな!」「うわ、めっちゃわかる!」 最初は文字フォント4ポイント、独り言レベルの私の相槌は、48ポイントくらいまでだんだん大きくなっていく感じがした。 専業主婦である詩穂を中心に、幼い子どもを2人持つワーママの礼子、国交省勤務の男性で2年間の育休を取得中の中谷、結...
「それ!」「それな!」「うわ、めっちゃわかる!」 最初は文字フォント4ポイント、独り言レベルの私の相槌は、48ポイントくらいまでだんだん大きくなっていく感じがした。 専業主婦である詩穂を中心に、幼い子どもを2人持つワーママの礼子、国交省勤務の男性で2年間の育休を取得中の中谷、結婚はしたけど子どもがなかなかできない晶子、一人暮らしの初老の主婦である坂上さん、仕事に邁進する坂上さんの独身の娘、いろんなご近所さんが出てくる。スピンオフで、詩穂の夫が主役のストーリーも入っている。 読者が成人であれば、登場人物の誰かひとりには近い立場となりやすいだろうから、わりといろんな人が共感できそう。ニクイなぁーこの設定は。 読んでいて、いろんなことを思い出した。母になって5年。あっという間だった。 「お庭に紫陽花が咲いているあのおうちまで、頑張って歩こう」と、雨の日にグズる子どもを元気づけながら前へ前へと進ませるシーンは、先週のうちの子どもたちそのものだった。 私は乳幼児が2人いて正社員として働いているので、作中の登場人物でいうと礼子が近い。子どもの体調不良から、最後は自分が感染ってしまうのはまさに今週の私。礼子の頑張りはもう本当に他人事には思えなかった。 共感ポイントはかなり高かったし、多くの人に読んで欲しい気持ちはある。ただ…読後にどうも何かモヤッとしたものがあった。 私が専業主婦ではないからそう思うのかもしれない。 専業主婦の友人や、育休中に児童館で知り合った主婦たちが口をそろえて「私みたいになっちゃダメ、あなたは仕事やめないで」と言っていたからかもしれない。 なにより、ゆっくりゆっくり、主婦だから時間はいくらでもあるのでー、とつぶやきながら家事をして、夫の給料でのんびり生きていける主婦は呑気でいいよな…。つい、そう思ってしまう。 色んな選択肢がある現代社会で、あえて「お仕事」として専業主婦をしている女性を主人公にした小説、と受け取った。これはこれで、アリだと思う。 お仕事小説として、主婦も仕事です、というのは悪くない。立派な仕事だと私も思う。特に、幼稚園にも入れない年齢の乳幼児を育てる専業主婦は、本当に大変だと思う。そこにスポットライトを当てて、頑張っている人を描くのはステキだと思った。 特に、詩穂のように自分で選んだ道としての主婦であれば、それはそれでいいのかもしれない。詩穂のような、お人好しの専業主婦をしている妹が近所に住んでいたら、私ならいいように使ってしまう気もするけど…。 結局、自分で選んで希望した道であれば、どんな人生でもいいと思う。 専業主婦だろうが、会社員だろうが、自分にできることってなんだろう?と考えて、社会の一員として機能するように努力するのはとても大事だし、尊い。私は仕事をしているけど、給料をもらって生きていく以外に働く目的を持っていない。希望した道を歩んでいる人は素直に羨ましい。 今、うちの子たちは保育園児なので、知り合う親はほとんどが働いている。子ども小学生になったら、専業主婦家庭も確実にクラスに存在する。子どもができると、いろんな人と知り合いになる。自分と環境が違う相手とも、それなりにうまくやらないといけない。そういう意味で、この本を読めたのはよかった。 対岸の家事は、対岸の火事になぞらえているんだろうけど、よその家庭のことは自分には関係ない、というスタンスの内容では全然なくて、むしろ逆。詩穂はかなり積極的に他人の家庭に関わっていく。 私も「対岸の火事」にならないように、家の中のことも属人化せずに夫と共有しようと思った。 「他人の靴を履く」 小説は実生活では味わえない立場を体験できる。 色々とモヤモヤした部分はあって、感想をまとめるのに時間がかかってしまったけど、読めたことはとてもよかった。
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さてさてさんおススメの本 図書館で予約しました 〈 『わたし、定時で帰ります。』の著者が描く、もう一つの長時間労働。〉 専業主婦の詩穂とそのまわりの人々 今の社会の実像ですね。 最初、同じような描写が重なってちょっと退屈だった あー時代が変わったんだあ とつくづく思った ...
さてさてさんおススメの本 図書館で予約しました 〈 『わたし、定時で帰ります。』の著者が描く、もう一つの長時間労働。〉 専業主婦の詩穂とそのまわりの人々 今の社会の実像ですね。 最初、同じような描写が重なってちょっと退屈だった あー時代が変わったんだあ とつくづく思った 専業主婦卒業宣言をした私は面はゆい どうしてこんなに忙しく目まぐるしく生きなければならないのだろう? 主な登場人物五人の生き様が興味深く、中盤から一気に読んだ そうかあ、専業主婦は絶滅危惧種かあ 細々と生きていくのでしょうか ≪ 家事なんて やってごらんよ 手を抜かず ≫
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以前から気になっていた本 ブク友さんのレビューを読んで購入することに。 専業主婦 村上詩穂を中心に家事、育児に悩む人たちの日々の物語。 「たまには一人でぐっすり寝たい」 「ご飯を誰かに作ってもらいたい」 ささいな希望のようだが、主人公詩穂には叶わない。家族の食事や体調を気遣...
以前から気になっていた本 ブク友さんのレビューを読んで購入することに。 専業主婦 村上詩穂を中心に家事、育児に悩む人たちの日々の物語。 「たまには一人でぐっすり寝たい」 「ご飯を誰かに作ってもらいたい」 ささいな希望のようだが、主人公詩穂には叶わない。家族の食事や体調を気遣う。家事も育児もやろうと思えばエンドレス。本当に重労働! でも村上夫婦が、終始仲がいいのが良かった。 問題がおきても、夫婦で話し合い、解決策を。 家事も育児もそれぞれの家庭のやり方でいいんだと思えた。 そしてまわりに助けを求めてもいいんだと。 読了後、私が仕事、家事、育児が両立できず退職したので大変さを代弁してもらえたようで嬉しかった。
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専業主婦て今では絶滅危惧種なの?私が子育て真っ最中の頃は公園にはたくさんの専業主婦が子連れでやってきて派閥があるほどで、公園デビューにドキドキしたものです。 児童支援センターに行っても育休中のママばかりで肩身の狭い思いをするとは時代が変わりましたね。 主人公の詩織は自ら専業主...
専業主婦て今では絶滅危惧種なの?私が子育て真っ最中の頃は公園にはたくさんの専業主婦が子連れでやってきて派閥があるほどで、公園デビューにドキドキしたものです。 児童支援センターに行っても育休中のママばかりで肩身の狭い思いをするとは時代が変わりましたね。 主人公の詩織は自ら専業主婦になる事を決め、まさに主婦業を完璧にこないしています。子育てに疲れても帰りの遅い夫が唯一の話し相手なので寝ずに待ってるというけなげさ。なのに夫は仕事で疲れているので詩織の話の途中で寝てしまうという…。 詩織の隣の住人であるワーキングマザーでワンオペの礼子が追い詰められていくのは可哀想でした。詩織に助けてもらえて本当に良かった。 娘も働きながら双子の子育て真っ最中なので大変さが伝わります。 育休中のパパ中谷は国交省に勤めるエリート。それでも外資系起業に勤める妻と交代で2年の育休を取るなんて凄いな…と思っていたけど、子供の頃の経験から専業主婦に対しての偏見が。それでも詩織を見ていて変わっていく姿にはホッとしました。 専業主婦、ワーキングマザー、そして子供はまだなの?のと周りから期待されるクリニックの若奥様など、ここに登場する誰もがそれぞれに悩みを抱えています。相手の立場にならないと理解してもらえないのが切ないけれど、話してみたら助けてもらえる関係性が素敵でした。
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今や絶滅危惧種の「専業主婦」でいるよりも、多数派の「働く母親」になった方が世間的にも精神的にも楽なのかもしれない、と思った。多数派=正しい選択、では無いはずなのに、社会がそうさせてしまっているんだな、と悲しく感じた。
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専業主婦の詩穂と周りの人々の物語。 専業をバカにする気持ち、わかる… でも実際子供が産まれて仕事復帰してそれなりにやろうとすると大変なのも経験済み。お互いの立場、スキルを尊重し合える社会になるといいな!
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面白かった。内容が好きかどうかは微妙。 仕事を辞めることはせずとも、育休を長めに取ろうかなと思った。ベンチャーキャピタルの仕事の描写は、さすがにちょっと違う気がする
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初読みの作家さん ブグログの感想や 「対岸の家事」のタイトルから興味を持った 性別や立場が違っても様々な現実に苦しむ人たち 専業主婦って絶滅危惧種なの?(。-_-。) いろんな感情がでてきたなぁ でも優しさと力を貰えた 面白い、スラスラ読めた 刊行まで5年かかったのも...
初読みの作家さん ブグログの感想や 「対岸の家事」のタイトルから興味を持った 性別や立場が違っても様々な現実に苦しむ人たち 専業主婦って絶滅危惧種なの?(。-_-。) いろんな感情がでてきたなぁ でも優しさと力を貰えた 面白い、スラスラ読めた 刊行まで5年かかったのも頷ける! 家事や育児は果てしない、先が見えない 家事と育児は仕事じゃないって、おかしいよぉ (T ^ T) 母親がやるもんだ!と決めつけもおかしい 最後に 著者の「文庫版に寄せて」を読んで ますますこの初読み作家さんのファンになった他の作品も読んでみたい♪( ´▽`) 育児が真っ最中でしんどい方 育児に一区切りついた方も 男女問わずぜひ読んで欲しい一冊 (欲を言えば子育て真っ最中の夫に読んで欲しい!)
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私も子どもが2人いるワーキングマザーですが、専業主婦(夫)は大変だなぁ、と本当に思います。話が通じない、ワガママ放題、子どもの遊びも、大人にとってはつまらないものばかり。私の場合は仕事をすることで逆に気晴らしになっている面がありますが、専業主婦(夫)はそれもできない。仕事をするパ...
私も子どもが2人いるワーキングマザーですが、専業主婦(夫)は大変だなぁ、と本当に思います。話が通じない、ワガママ放題、子どもの遊びも、大人にとってはつまらないものばかり。私の場合は仕事をすることで逆に気晴らしになっている面がありますが、専業主婦(夫)はそれもできない。仕事をするパートナーからはすべての家事、育児をして当然だと思われやすい。本当に忍耐強いひとしか難しいのではないか、と思います。ただ、この本では、専業主婦をバカにするような面々ばかりが出てくるのはすこし疑問。私の周りには、専業主婦を尊敬する人のほうが多いです。そもそも今の時代、共働きが増えているとはいっても、女性が64歳以下の世帯に限っても、約4分の1の世帯が専業主婦を抱えている世帯です。にも拘らず、専業主婦である主人公が「絶滅危惧種」扱いされたりするのは、ちょっと現実味が薄い気もします。あと、大変なのは家事ではなく、小さい子供の育児と家事をともにワンオペでやらなきゃいけない時かと思います。登場人物も苦しんでいるのは実際そういう人ばかりです。ということを踏まえると、タイトルは、対岸の家事、というよりは、対岸の育児、のほうがしっくりくるかも、とも思いました。全体的な話は軽く、読みやすいですが、話的にはすこし浅い感じがしました。
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