対岸の家事 の商品レビュー
朱野帰子さんは初読みの作家さんだった。 『対岸の家事』 読みやすい文体でありながら、身近な社会問題を扱っていて色々と考えさせられる内容だった。 今の時代、共働きが大半を占めるようになった。けれど、どんな時代が来ようとも決して家事は無くならない。 便利家電や代行業も増えてきたが、...
朱野帰子さんは初読みの作家さんだった。 『対岸の家事』 読みやすい文体でありながら、身近な社会問題を扱っていて色々と考えさせられる内容だった。 今の時代、共働きが大半を占めるようになった。けれど、どんな時代が来ようとも決して家事は無くならない。 便利家電や代行業も増えてきたが、毎日の炊事、洗濯、掃除はエンドレスで終わりがない。 そのうえ育児、更には介護まで両立していくことが求められる世の中だ。誰しもクタクタになり、心のゆとりがすり減っていくのも、無理はないと思う。 本作では様々な境遇の人が登場する。 元美容師で居酒屋勤めの夫をもつ 子持ち専業主婦、 二児の子持ちで夫に甘えられず 多忙に働くワーキングマザー、 外資系企業で働くバリキャリ妻をもつ 育休中のエリート公務員、 地域の小児科医の夫と結婚し 妊娠にプレッシャーを感じる元保育士、 私には特に主人公の詩穂が潔くて眩しかった。 自分の特性を分析して専業主婦を選ぶ。 子育てに限界を感じた経験を、今度は周りへのサポートに活かそうと奮闘する。そして夫の虎朗のこともちゃんと愛しているのだ。 将来の漠然とした不安から無我夢中で働き続けた私とは大違いだ。 人は生まれ育った環境や時代、これまでの経験や知識によっても、働き方や子育てに対する考え方が大きく異なる。 甘える人がいない、話をする相手がいない、そして追い詰められていく人も多い。 周りでもよくそんな話を耳にする。 私もフルタイムで働き、多忙を極めていた時は、違う立場の人を羨ましがったり、自分のことを卑下したり、思い通りに出来なくて辛い時期もあった。妥協出来ない悔しさが自分を苦しめていた。 でも、誰しも同じなんだろうと今は思う。 本作では、様々な境遇の方の体当たりの日常が垣間見れる。相手のことを知らないで一方的に先入観を持つ前に、やっぱり知ることって大切だなぁと気付かせてもらえた。 人に聞いたり、相談されて、知ったつもりになっていた自分も無性に恥ずかしく感じた。 味方は必ずいる。 自分がまず変わる。 一線を超えてみる。 世の中の変化に翻弄されそうになるけれど、日々の暮らしを大切に、ゆっくり一つずつ目の前のことに向き合っていこうと、そっと背中を押してくれるような作品だった。 刊行まで5年位かかったという本作。 私も作者と同年代だが、子供時分とは大きく働き方が変わり、そういう意味ではよく揉まれた世代だと思う。そんな思いもあって、専業主婦というテーマで、リアルに多角的に執筆された作者のメッセージが温かく伝わって来た。 男女問わず凡ゆる年代の方に読んでほしい一冊。
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主人公の詩穂は不器用だから専業主婦を選んだと言っていたが、こどもと一日中一緒にいられるのは、本当に才能だと思う。可愛くてもやはり私には限界を感じる。仕事しつつでバランス取れてる。 中谷も礼子もそれぞれ凄い。子育てしながらのキャリア、大変だよね…。 私の周りには、主婦は世間のお荷物...
主人公の詩穂は不器用だから専業主婦を選んだと言っていたが、こどもと一日中一緒にいられるのは、本当に才能だと思う。可愛くてもやはり私には限界を感じる。仕事しつつでバランス取れてる。 中谷も礼子もそれぞれ凄い。子育てしながらのキャリア、大変だよね…。 私の周りには、主婦は世間のお荷物と思ってるタイプの人はいないから、ちょっと不思議に感じる部分もあったが、共感する部分も多かった。
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ヤバいぞ、これは プロローグを読んで思った 帯には 子育てで泣いたことありますか? 朝が来たら、また長い一日がはじまる… 家事と育児は重労働です! 本当は助けてほしい! とある 息子が大学生になり お金はかかるが そこまで手がかからなくなったから 『分かる、分かる!』で読めたけ...
ヤバいぞ、これは プロローグを読んで思った 帯には 子育てで泣いたことありますか? 朝が来たら、また長い一日がはじまる… 家事と育児は重労働です! 本当は助けてほしい! とある 息子が大学生になり お金はかかるが そこまで手がかからなくなったから 『分かる、分かる!』で読めたけど 今子どもが幼稚園に入る前だったら もっと大きく頷いてただろう 今は専業主婦だけど 昼間にランチしてるのだって 誰かと話したいんです! みんな色んな繋がりが必要なんです! 横のつながりが欲しいんです! 介護も育児もそう 家の中だけにいたら行き詰まる だから外に出よう! 一日だけでもご飯作ってもらえたら…って 詩穂が言ってたけど、ホントにそうだと思う 私も一昨日 息子には朝ごはんを作って 自分は喫茶店へモーニングを食べに行った 無性に 誰かが作ってくれた朝ごはんが食べたかったのだ 朝起きて普通にご飯があるって すごく幸せなんだよー 当たり前じゃないんだよ! って世の中の人に言いたい そしてたまには 代わりにご飯作ってください! あなたの生活は誰かのおかげで 成り立っているという事に気づいて下さい 政治家と呼ばれる人 公務員の人に是非読んでもらいたい本です そしてまた 感謝もされない毎日がつづく…
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専業主婦、主夫、ワーママ、それぞれ分断せず協力できたら一番いいよねと感じた。 1人だけで子育てはきびしいっていうのもみんなそうだよね、と。 家事育児でいっぱいいっぱいでも味方はいるよ!と言ってもらえた気分。 フルリモートのワーママ(私)は中途半端な立ち位置すぎてママ友がゼロなん...
専業主婦、主夫、ワーママ、それぞれ分断せず協力できたら一番いいよねと感じた。 1人だけで子育てはきびしいっていうのもみんなそうだよね、と。 家事育児でいっぱいいっぱいでも味方はいるよ!と言ってもらえた気分。 フルリモートのワーママ(私)は中途半端な立ち位置すぎてママ友がゼロなんだけど… ご近所付き合いしたい(ただ機会はなさすぎる)とも思った。 あと、ごぼう入りカレー美味しそう! 今はもっぱら夏野菜カレーだけど、季節が変わったら作りたい。
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主人公は専業主婦。 かつては多かったが今は珍しい存在。 故にいろんな見方をされている。 私は両親が共働きだったし、まだ子供がいるわけでもないので専業主婦がどういう気持ちなのか考えたこともなかった。 だけどこの本を読んで、専業ゆえの孤独や辛さなどを垣間見ることができた。 他の...
主人公は専業主婦。 かつては多かったが今は珍しい存在。 故にいろんな見方をされている。 私は両親が共働きだったし、まだ子供がいるわけでもないので専業主婦がどういう気持ちなのか考えたこともなかった。 だけどこの本を読んで、専業ゆえの孤独や辛さなどを垣間見ることができた。 他の読者の感想を見ると共感できる方がたくさんいるのでかなりリアルな気持ちが描かれているのだろうと感じた。 だからこそ、将来妻が主婦になったらきちんと話を聞いたり、一緒に悩んだりしながらすごしたいと思った。 知り得なかった境遇の人物の気持ちを想像できることこそ小説の醍醐味だと思うので本当に読んでよかった。
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自分も子育て中のワーキングママですが、 長めの育休のとき(しかもコロナ化)のときは死ぬほど病んでた、、といまは思います。 主人公の苦悩もワーキングママの苦悩も手に取るようにわかるし、それを解決しようと奮闘する姿は私自身の行動力のなさもプラスして憧れのような気持ちが生まれました。 ...
自分も子育て中のワーキングママですが、 長めの育休のとき(しかもコロナ化)のときは死ぬほど病んでた、、といまは思います。 主人公の苦悩もワーキングママの苦悩も手に取るようにわかるし、それを解決しようと奮闘する姿は私自身の行動力のなさもプラスして憧れのような気持ちが生まれました。 とても共感できる内容が多く、2日で読み終えちゃいました。
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共感できることが多すぎる。どの登場人物にもところどころ共感した。周りのママ友や夫にも読んでもらいたい1冊。
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面白かった☆ ワーキングママの私としてはシホとイチゴの丁寧な暮らしぶりをすごいなー良いなー私も子供にこんなことしてやりたかったなーと羨ましく思いながら、自分の暮らしぶりに後ろめたさが……。 読んでて面白いと思いつつも、ワーキングママが責められてるような気にさえなってきました(苦笑...
面白かった☆ ワーキングママの私としてはシホとイチゴの丁寧な暮らしぶりをすごいなー良いなー私も子供にこんなことしてやりたかったなーと羨ましく思いながら、自分の暮らしぶりに後ろめたさが……。 読んでて面白いと思いつつも、ワーキングママが責められてるような気にさえなってきました(苦笑)一方でシホの周りの人たちのいっぱいいっぱい具合にはわかるよー大変よねーそんなに頑張らなくて大丈夫よーと励ます気持ちで読んじゃいました。 そして専業主婦もワーキングママも育休パパも他にもみんなで力を貸しあってひとつひとつ問題を解決していく様子もよかったです。 仕事も、 家事も、 育児もぜんぶ大変! 一人で解決しようとせずに寄り添いあうことが大事ですね。
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きっと、大丈夫。悪いようにはなりません。 いつか笑って話せます。 あなたの寂しかった日々が、誰かを助ける日が来ますから ゆっくり、ゆっくり。 不器用でも時間をかけてやればできるようになる。 時間はたっぷりあります、と微笑める人でいよう。たとえ頭の中は夕飯のことでいっぱいだった...
きっと、大丈夫。悪いようにはなりません。 いつか笑って話せます。 あなたの寂しかった日々が、誰かを助ける日が来ますから ゆっくり、ゆっくり。 不器用でも時間をかけてやればできるようになる。 時間はたっぷりあります、と微笑める人でいよう。たとえ頭の中は夕飯のことでいっぱいだったとしても。 礼子も中谷も白山にもみんな共感する部分があった フル稼働で走り続けている人 余裕ゼロでも立ち止まれない、休めない、泣いていられない… 頑張り屋で真面目で努力家だからこそ、必死に頑張りすぎてしまって、心に余裕がなくなってしまった人たち そんな時、そっと背中をさすってくれるような本でした
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"主婦は家庭の総務部" 子育て真っ只中の自分にはタイムリーな内容だった。自分は環境のお陰で追い込まれてないけど助け合いの精神は超重要 改めて"楽な人生を探す"のでは無く、"今の状況をいかに楽しむか"というスタンスで生き...
"主婦は家庭の総務部" 子育て真っ只中の自分にはタイムリーな内容だった。自分は環境のお陰で追い込まれてないけど助け合いの精神は超重要 改めて"楽な人生を探す"のでは無く、"今の状況をいかに楽しむか"というスタンスで生きようと思った。子育て中の人もそうでない人も是非読んでほしい
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