雨の日は、一回休み の商品レビュー

坂井希久子(著者)

2021/07/22

40代から60代までのおっさんを主人公とした連作短篇集。5篇の作品が収録されている。なんというか、読んでいると男であることが申し訳ないような気持ちになってくる。自分も50代の半ばを過ぎ、おそらく周囲からは同じような目で見られているのだろう。彼らが開き直らず現実を受け入れ、変わっていこうとする姿が救いだった。そして不思議と読後感はさわやかだった。

2021/07/20

雨とおじさんに纏わる五篇の連作短編集。登場するおじさん達は家庭を顧みず、仕事一筋が美徳という時代の落し子。意固地で僻み根性、時代後れのおじさん達だが、なぜかしら哀愁を感じた。

2021/07/17

「年と共に環境適応力が衰えてくる」「仕事にモチベーション持てない」若者、モーレツ社員、定年オヤジまで。よくここまで男達の心の襞を描けるものだ。高田郁賞受賞者ということで初めて手にした作家、今後も楽しみ。

2021/07/05

古きおじさん達よ、疑問も持たず、今までのままでいられると思ったら大間違いだ。でも気づいて変わろうとするならば応援するよ。

2022/03/21

40台で派遣社員。ストレス解消にネット上で
女子高生を装う男がピンチに…。「天気雨」ほか、
働くおじさんの日常を時におかしく、時に切なく
描く全5編の連作短編集。

2021/06/04

雨の種類を表す短編の題名にわくわくしながら読みました。セクハラの相手が男性だった事の意外性、定年後、公共マナーを注意する男性がボルタリングにはまることがこれからどうなるだろうかと知りたくなってしまった。続きがあったら読みたいです。そこが気になってしまいました。悩めるおじさん私も年齢が近いこともあり共感することがあって面白く読みました。
定年後の悩めるおじさんにもぜひとも読んでほしい傑作です。

2021/04/28

ダイバーシティ推進が叫ばれ、男も女も平等に、年功序列も廃止、という時代に、「おじさん」を主人公にするというのは意外な盲点だと気付かされた。
ダイバーシティの対象には、おじさんも入っているはずなのに。
「男は、女は、こうであれ」という価値観に生きてきたおじさんたちも、頑張って生活している。
前時代的だと抑制されてきたおじさんたちの声が、主張が叫ばれていて、そう思っているのか、と勉強になった。