雨の日は、一回休み の商品レビュー
おじさんたちの切なくもコミカルな連作短編。 最初はどのおじさんのたちの中にある凝り固まった考え方にうんざりしてたけど、どの話も読み進めると時代だったものね、おじさんも辛いよねとなぜか共感してしまい、応援したくなるから不思議だ。 現実はそんなに簡単には変われないけど、なんとなく心が...
おじさんたちの切なくもコミカルな連作短編。 最初はどのおじさんのたちの中にある凝り固まった考え方にうんざりしてたけど、どの話も読み進めると時代だったものね、おじさんも辛いよねとなぜか共感してしまい、応援したくなるから不思議だ。 現実はそんなに簡単には変われないけど、なんとなく心がほっこりしてくる。 年取ってもまだまだ人は変わろうと努力できるんだなと嬉しくなった。
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帯の通り報われないおじさん達の連作短編集。 自分とほぼ同じ世代、5人の男達が今のご時世、世知辛く切ない思いが吐露される。 喜多川さん。この話は途中から読むのが辛く、気持ちが入ってしまった。自分たちの世代だけが大変なわけではないのは分かっているけどつい共感してしまう。 獅子堂さん。最後奥さんに寄り添おうとする姿勢に、何とも言えず救いが見られた。 佐度島さん。親の愛情を咄嗟に表せずに娘に見切りをつけられても、意地を貫こうと頑張り自分を変えていく。勇気を貰えた。次の話でも変わっていく様子に安心する。 石清水さん。ホントに情けないし、女の子にも励まして貰って喜んでいるんだけど、自分にも置き換えるところがある気がしてよく分かる。弱いところは皆同じ。 最後にギリギリの少しの大人らしさをみせて、さなたんを少し感心させられたのかな。よし。がんばれー。 小笠原さん。やはり誰かに認めてもらいたいのは、幾つになっても同じなのか。まだ現役なのでわからないけど、定年後、独りになった時向き合わなくてはいけないのかも。 喜多川さんが再登場しコンプラに向き合っているのが切ないが何故か微笑ましい。 作者の坂井希久子さん、初めて読んだ作家さんでしたがよくここまで、おじさんの気持ちが分かるものかと感動です。 応援してもらっているのか?発破をかけられているのか?でも自分達の思いを少なからず代弁してもらっているようで嬉しかった。
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令和の定年世代の親父達の嘆き。 同じ世代の私でも腹が立って『そりゃ、あなたが悪い!』と言いたくなることもあるし、『そうそう、昔はそうだったよね。』と、共感できるところもある。 セクハラ、パワハラ…これくらいで?って思うことも多々ある。生きにくい世の中になったものだ。
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おじさんは変われない? いや変われないおじさんはつらいだな 時代と相手に合わせて生きる、自分だけの世の中じゃないんだから。と言われたような感じがした。 なかなか哀愁があって、おもしろかった
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報われない「おじさん」たちの心情を時にコミカルに、時に切なく描き出す、連作短編集 世帯主で働いてるので、「養ってやってるんだ!誰のおかげで食えるんだ!」と叫ぶおじさんの心理も分かる。一方、社会で理不尽な扱いを受けているので、男だってだけで出世できた事すら認識できていない自称企業戦士のおじさんの勘違いを冷めた目で見てしまう・・・どっちの気持ちも分かる話ばかりだった。
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強烈なおじさんたち5人の連作短編集。 若い頃の価値観と考え方のままで来てるから、セクハラ、女性蔑視、弱者への攻撃、他者への不平不満を嫌になるぐらいまき散らし、それを悪いとも思わない。読んでてかなり不快でした。 そんなおじさんたちが徐々に改心していく訳だが、五話に出てくる小笠原がずっと抱えていた、誰かに話を聞いてもらいたい・自分の価値を認めてほしいという気持ち、これには共感できた。 おじさんたちの思考、態度が変われば、周りの受け止め方もきっと良い方向に変わってくるはず。第一話でセクハラだと言われた長谷川が、広重くんと一緒の傘に入っているのにはちょっと笑えました。 それにしても女性作家さんが、みんなから嫌われるおじさんの心中をここまで描けるなんてびっくり。
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次に日本に産まれるなら、女ではなく男に産まれたいと思っていたが、この本を読んだら、男の人のつらさが分かった。うん、男もつらいね。 おっさんと雨の日の短編集、なかなか面白い! 女性目線の話は多いけど、男性のみの短編集は珍しいのでは? 男のつらさが分かったと書いたけど、話は愉快で救...
次に日本に産まれるなら、女ではなく男に産まれたいと思っていたが、この本を読んだら、男の人のつらさが分かった。うん、男もつらいね。 おっさんと雨の日の短編集、なかなか面白い! 女性目線の話は多いけど、男性のみの短編集は珍しいのでは? 男のつらさが分かったと書いたけど、話は愉快で救いがあった。 男女が分断せずに雨の日も晴れの日も過ごせたらいいな。最近分断思考になっている私にはよい薬になった。
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「スコール」「時雨雲」「涙雨」「天気雨」「翠雨」 5話収録の連作短編集。 ったく、おじさんって人種はどうしようもないなと呆れたり怒れたり溜め息がエンドレス。 昔と比べセクハラ・パワハラに厳しいご時世だとは思うけど、その発言、その行動、ああ、自覚がなさ過ぎる。 家族の為に来る...
「スコール」「時雨雲」「涙雨」「天気雨」「翠雨」 5話収録の連作短編集。 ったく、おじさんって人種はどうしようもないなと呆れたり怒れたり溜め息がエンドレス。 昔と比べセクハラ・パワハラに厳しいご時世だとは思うけど、その発言、その行動、ああ、自覚がなさ過ぎる。 家族の為に来る日も来る日も必死に働いて、辛い思いをし、嫌な経験を山と積んで来たとは思うけど、だからって何でも許されると思ったら大間違い。 おじさん、あるあるが一杯。 情けなくてコミカルでマジどうしようもないなと思うけど、ちょっぴり悲哀を感じるリアルおじさん図鑑。
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何気なく買った本でしたが、なかなか面白かった。 主人公たちの年代に近いこともあってか、自分にも重なる部分があり、感情移入できたのかな。
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雨に降り籠められたような、泣きたいほどの状況にいる男たちを描いた短編集。 5話からなり、脇役だった人物が次話の主人公として登場するというリレー形式をとっている。 * * * * * 不運としか思えないような理不尽に見舞われた。当人たちはそう思うでしょう。 ...
雨に降り籠められたような、泣きたいほどの状況にいる男たちを描いた短編集。 5話からなり、脇役だった人物が次話の主人公として登場するというリレー形式をとっている。 * * * * * 不運としか思えないような理不尽に見舞われた。当人たちはそう思うでしょう。 けど違う。その窮状は自ら招き寄せたものなのです。 男たちは皆、身勝手でした。人、特に大切にすべき人に対する思いやりに欠けていました。 ひとりよがり、意固地、独善的。凝り固まった男たち。 けれど突然の雨で心がリセットされて見た景色はなかなか悪くないことに気づく男たち。 少し心にゆとりを持って物事に向き合ってみれば、見えるものが違ってくる。 とてもいいメッセージでした。 第5話のラスト。温かい気持ちで読了させてもらいました。
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