声の在りか の商品レビュー
久しぶりに寺地はるな作品を読んだ。 市井の人の細やかな心理を描かせたら右に出る人は少ない安定の筆致。 タイトル通り、自分の声の在りかを探す日常が描かれる。 ボスママ岡野さんの夫が、不審者として捕まった(らしい)以外、特に事件らしい事件は起こらず、時間にして1年間のお話ながら、...
久しぶりに寺地はるな作品を読んだ。 市井の人の細やかな心理を描かせたら右に出る人は少ない安定の筆致。 タイトル通り、自分の声の在りかを探す日常が描かれる。 ボスママ岡野さんの夫が、不審者として捕まった(らしい)以外、特に事件らしい事件は起こらず、時間にして1年間のお話ながら、希和も息子の晴基も夫の和孝も、みな少しづつ成長してるのがうれしい。 最後に登場する、「いちばん楽しそうにスキップできた方が勝ち」という遊びを子供自身が考えついたことに希和が感心する場面がすごくよい。
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希和のいろんな気持ちに共感できて、ちょっと苦しいところもあったけど、最後は少しほっとできてよかった。鐘音家の人たちがなんか好き。いい距離感。 人との関わりかたって、他人でも家族でも、難しいよなぁ。
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声の在りか 寺地はるなさん。 親としてのちょうどいい按配がつかめない。 遠くに行きたがるのは子どもの本能。 自立心が育ってる。手を離す時期にきている。 孤立は罰ではなく、解放だった。 声の在りかを、忘れてしまった。 自分のことばを持ちたい。 とても清々しい終わりかた。...
声の在りか 寺地はるなさん。 親としてのちょうどいい按配がつかめない。 遠くに行きたがるのは子どもの本能。 自立心が育ってる。手を離す時期にきている。 孤立は罰ではなく、解放だった。 声の在りかを、忘れてしまった。 自分のことばを持ちたい。 とても清々しい終わりかた。 すてきな本でした。
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*魔法みたいに強い言葉はいらない。わたしの“声”を取り戻したい。日常に息苦しさを感じるあなたへ贈る物語。 「こんなところにいたくない」パート帰りの希和が見つけたのは、小学四年生の息子・晴基とそっくりの筆跡で書かれた切実なメッセージだった。本人に真意を問いただすことも夫に相談することもできない希和は、晴基が勝手に出入りする民間学童『アフタースクール鐘』で働きはじめる。マイペースな経営者・要や子どもたちに振り回されながらも、希和はいつの間にか自分の考えを持たない人間になってしまっていたことに気付く。周囲から求められるものでも、誰かからの受け売りでもない、自分自身の言葉を取り戻すためにひとりの女性が奮闘する、大人の成長小説!* 言葉にしないと、伝わらない。 当たり前のことだと思っていたけど、人によってはそんなに難しいことなのか・・・ はっきりものを言う派の私には共感が難しかったけれど、学びにはなりました。 劇的な展開ではなく、ゆるやかな変化が続いていくような展開が寺地さんらしい作品。
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「声の在りか」というタイトルを見た時は、音や人の話が聞こえにくい主人公のストーリーかな?と思った。 自分の言葉を持たない…持てない? 自分の気持ちを発信しない…出来ない? 本当の自分ってどこにいるんだろう? 「声の在りか」というのは、うまく自分の気持ちを表現できずにいるうちに...
「声の在りか」というタイトルを見た時は、音や人の話が聞こえにくい主人公のストーリーかな?と思った。 自分の言葉を持たない…持てない? 自分の気持ちを発信しない…出来ない? 本当の自分ってどこにいるんだろう? 「声の在りか」というのは、うまく自分の気持ちを表現できずにいるうちに、自分の気持ち自体も見失ってしまっている主人公の自分探しの話だと思う。 自分の言葉を持ちたい! そう思った時から、自分が変わった時から、少しずつ主人公の周囲が変化してくる。 自分はどうしたいんだろう?と考え、やりたい風にしていいんだ!と思って行動に移す時、自分の中の世界が変わるのかな。現実の周りの人達は変わってなくても、自分が感じる周りの世界が変わるんだと思う。 主人公は自分を表現することにはとても不器用で、私ともよく似ている気がする。 自分の主張はうまく出来ないが、その分、周りをよく観察している。周りの人の気持ちを感じる力も、私はとても大事だと思う。自分の気持ちと、周りの人の気持ち、どちらも大切に出来るバランス力を持ちたいと思う。 でも、現実にはなかなか難しい。 いいタイミングで、いい言葉が思いつくのは難しいもんだ。主人公と同じように、後で「こう言えばよかったんだ」と気づいたり、「あの時はやっぱり言わない方がよかったのかも」と省みることが、私は本当に多い。 また、一人のボス的な人によって、自分の想いが踏みにじられるのも、よくあることだ。ことなかれ主義の人に「なんでもないこと」のように扱われたり、話をすり替えられたり、うまくごまかされたりすることもある。相手がいることなので、どうしたらよかったのか、私はよく途方に暮れてしまう。 不器用な私が嫌になる。 自分を表す力、周りと調和する力を上手くバランスさせたい。 自分が(他人を抑圧するような)困った人にならないようにしたい。 そういう気持ちを忘れずにいたいなと思う。 いつも「声の在りか」を見失わないように。
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自分の意見を言うことを避けて生きている母親の変化のさまが描かれている。色々共感するところも多かった。改めて意識しないまでも普段感じてることが言語化されてて、思い出させられる感じだった。 文章がなめらかでするすると読めた。
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希和の気持ちが分かりすぎる。反論を数日後に思いつくのとか、まんま私。でもこの性格を劇的に変えることなど不可能ということを分かった上での、物語の終わり方なのかなぁと思った。読後は少しだけ気が楽になれる。
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「コミュニケーション」の大切さ。我々はどこまで理解しているのだろう。そんなことを考えさせられました。 噂話 ― 誰かを槍玉に上げるだけの下劣で無責任なコミュニケーション。 SNSも多くは似たような使い方をされていて、虚栄心や自己顕示欲にまみれた上っ面だけのツールと化してい...
「コミュニケーション」の大切さ。我々はどこまで理解しているのだろう。そんなことを考えさせられました。 噂話 ― 誰かを槍玉に上げるだけの下劣で無責任なコミュニケーション。 SNSも多くは似たような使い方をされていて、虚栄心や自己顕示欲にまみれた上っ面だけのツールと化している。こんなつまらない使い方をしている人たちが、SNSというものを百害あって一利なしのツールに貶めていると思います。 子どもは敏感です。大人の心理を察知して自分の言動に反映させるようになります。 ほとんどの親は子どもの健全な精神的成長を望んでいるはずなのに、大人の醜さを平然と子どもに見せているし、そこに気づいていない人が多い。そんな現実に慄然とします。 鐘音要を登場させることで真に大切なコミュニケーションを見せてくれているところは寺地さんらしくてよかったけれど、俗世に対し超然とした態度をとることの難しさを強く感じてしまいました。 それでも、自分をしっかり持って一歩を踏み出そうとする希和の姿が印象的でした。
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そこいら中にいるよなぁ。 推測の段階で決めつけて、「うわさ」という大義名分を使って嘘の情報を広める人たち。 そんな人たちと一緒にいることに違和感を覚えながらも離れる勇気が持てなかったり、そんな不安定でざらざらした気持ちを味わったことのある人は多いだろうと思う。 モヤモヤとして...
そこいら中にいるよなぁ。 推測の段階で決めつけて、「うわさ」という大義名分を使って嘘の情報を広める人たち。 そんな人たちと一緒にいることに違和感を覚えながらも離れる勇気が持てなかったり、そんな不安定でざらざらした気持ちを味わったことのある人は多いだろうと思う。 モヤモヤとしていて掴みどころがない上に、毎日忙しく過ごしていると自分の気持ちなんてわからなくなってしまってそれをはっきりと言葉にするのは難しい。輪郭もわからないぼんやりとしたものであるのだけど、寺地さんは言葉にすることできちんと輪郭を持たせた。 そのことがすごいと思うし、嬉しくもある。 本を開けばそこには目を背けたくなるような嫌〜な世界が広がってもいるのだけれど、読後感はスッキリとしていた。
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学校や仕事、家庭、夫婦間、親戚付き合いなどいろんな価値観と折り合いながら生きていかないと子どもと大人の関わり方って今ほんとに難しいなぁと読んでいて思いました。 寺地さんの本は、いろんなことがサラッと書かれているのでどきっとさせられるのですが、今回は読むのがしんどかったです。 保護...
学校や仕事、家庭、夫婦間、親戚付き合いなどいろんな価値観と折り合いながら生きていかないと子どもと大人の関わり方って今ほんとに難しいなぁと読んでいて思いました。 寺地さんの本は、いろんなことがサラッと書かれているのでどきっとさせられるのですが、今回は読むのがしんどかったです。 保護者会でどこまで関わるかなど折り合いをつけるのが難しそうと感じたからでしょうか。 「たくさん勉強した人はたくさんチケットを手に入れて、遠い場所でも近い場所でも、自分の好きな場所に行ける。」 勉強することに対して、前向きに考えられるなと思いました。 物語の最後、ちょうど緊急事態宣言がだされたところで、主人公が 「読んでた、本の最後の数ページをいきなり破って持ち去られたみたいな気分」 と表現をしているの読んできっと多くの人が感じた緊急事態宣言だったなぁと今更ながら思いました。 まだまだ振り回される日々が続きますが。 「たったひとことで状況を一変させるような、魔法みたいな強い言葉は、きっとこの世にはない。それでも自分の言葉を持ちたい。」
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