声の在りか の商品レビュー
・日数 5日 ・おもしろさ 主婦の葛藤を描いた感じ。 ・好み そんなにすきじゃない。 ・視点 主婦目線
Posted by
思ったことは言わなきゃいけないんだけど、特に鈍感な男性に対しては。夫だから、彼氏だからこそ言えないことってあるよね。それで女性はストレスを溜めてあるとき爆発して過去のことも持ち出して全部ぶつけて、男はハァ?ってなるの、男女の諍いのあるあるすぎて。だんだんと主人公の希和が、自分の想...
思ったことは言わなきゃいけないんだけど、特に鈍感な男性に対しては。夫だから、彼氏だからこそ言えないことってあるよね。それで女性はストレスを溜めてあるとき爆発して過去のことも持ち出して全部ぶつけて、男はハァ?ってなるの、男女の諍いのあるあるすぎて。だんだんと主人公の希和が、自分の想いを伝えられるようになって成長を感じた。 内容がリアルで、ママ友同士の嫌な感じとか、私もこんなふうになるのかなって思ったら気が滅入った。主人公の希和にも、こうあるべき、みたいな固定概念があって、要や理枝とのコミュニケーションのなかでそれがだんだんほぐれていく。読み手の固定概念を崩してくれて、色んな見方考え方を与えてくれる。大人女性向けの本だな。
Posted by
母親となり保護者として他の保護者さんと関わっていくことの難しさ、子供が成長し少しずつ親から離れていく変化の過程などに共感しました。 ついタイミングをのがしたり、つい遠慮してしまったりしすぎて自分の声を失わないようにありたいと思いました。
Posted by
主人公の希和は、小学生の息子を持つ主婦だ。 元々自分の感情に疎くて、何か嫌なことを言われても後から怒りが湧いてきて、言い返そうと思った頃には相手の方が何を言ったか忘れてる。 そんな希和の性格に親近感を持った。私もそんな感じなので。 さて、元からそういった性格の希和は、自分の地元...
主人公の希和は、小学生の息子を持つ主婦だ。 元々自分の感情に疎くて、何か嫌なことを言われても後から怒りが湧いてきて、言い返そうと思った頃には相手の方が何を言ったか忘れてる。 そんな希和の性格に親近感を持った。私もそんな感じなので。 さて、元からそういった性格の希和は、自分の地元で育児に追われ、ママ友同士の息の詰まる空気感、子どもが人質に取られているようで学校で軋轢を産むわけにはいかないという思考、育児に非協力的で話を全然聞いてくれない夫、そんな夫に物申したくても子どもの前で喧嘩してはいけないと自分に言い聞かせる…などなど、自分を殺して我慢を重ねて、気づけば自分の考えを持てなくなっていた。 私の言葉は、私の考えはなんだっけ? 私の、声の在りかは…? 近所の小児科医院、鐘音医院の息子で、希和の同級生の弟、要が「アフタースクール鐘」という放課後児童クラブを作った。 近所では道楽だの怪しいだの子ども援助機関で金を稼ぐのは悪どいだのの悪口を言われているアフタースクール鐘。(この辺りの偏見から来る心ない地元の人間の言葉や空気感もなかなか閉塞的でクる) しかし希和が、気になることがあってそこに訪れてみると、要は捉え所のない人であり、学校や家庭以外にも子どもの居場所が必要だというしっかりとした考えを持っていた。 そして希和に言う。 「あなたにもこの場所が必要そうに見えます」 アフタースクール鐘で働くようになり、要やここに通ってくる子どもたちと関わるようになることで、行動力がつきはじめ、PTAなどでも他の保護者と関わろうとするなど、だんだん希和は自分の感情と向き合えるようになり…… ブクログのあらすじに書かれている通り、この物語は大人の成長物語だ。 でもそれだけじゃない。いろいろな家庭の形について考えさせられ、読み手の固定観念をほぐしてくれる。 それに成長するのは主人公の希和だけじゃない。 希和の成長に伴って、夫をはじめとした周りの人も少しずつ影響されていく。 そして子どもの成長にもはっとさせられる。 子どもの成長を見て、大人は自分は果たして成長できているのか、振り返ることができる。 それらの描写を何気なく、それでいて印象的に、本作は綴ってくれている。 子どもも、大人も、分け隔てなく。 様々なひとの声の在りかを。 それでもまだ閉塞的で息苦しいところはあるかもしれないけど。 生きるのに必死でそれどころじゃないかもしれないけど。 だからこそ、大人になっても成長は必要なのだ。 いや、大人になってからこそ、私たちは些細でも成長し続けるのだ。 思考をやめず、必要な時に声を出す勇気を持つために。自分を持ち、自分や周りを大事にできるように。 幸せに、なるために。
Posted by
序盤は主人公の感じている閉塞感や孤独感に息が苦しくなるほどだった。身近にあるありふれたたくさんの小さな絶望が丁寧な描写され、少しずつ気道を声帯を圧迫していく。 しかし物語が進むにつれて、主人公が「自分の声」を取り戻し、そして自分の意思を伝えられるようになったとき、こちらが感じてい...
序盤は主人公の感じている閉塞感や孤独感に息が苦しくなるほどだった。身近にあるありふれたたくさんの小さな絶望が丁寧な描写され、少しずつ気道を声帯を圧迫していく。 しかし物語が進むにつれて、主人公が「自分の声」を取り戻し、そして自分の意思を伝えられるようになったとき、こちらが感じていた息苦しさは消えていて、爽やかな読後感が残る。
Posted by
誰でも同じことが同じようにできるわけじゃないんだから、できることは『できるんだよ、すごいでしょ』と胸をはればいいんじゃないですかね。 今は不安を不安のまま抱えるほうがいい。こわくても、自分の心をごまかしていないと思えることがうれしい。 勝ちの種類がひとつではないことを。前進す...
誰でも同じことが同じようにできるわけじゃないんだから、できることは『できるんだよ、すごいでしょ』と胸をはればいいんじゃないですかね。 今は不安を不安のまま抱えるほうがいい。こわくても、自分の心をごまかしていないと思えることがうれしい。 勝ちの種類がひとつではないことを。前進する方法がひとつではないことを。
Posted by
「僕は怒ってます。あの日以来ずっと怒っている。機嫌がいいとか、毎日をおだやかに過ごすっていうのは、感情を殺すって意味じゃない。僕は自分の感情を殺したくない」 (P.206)
Posted by
わかる、わかるよ、、私もだ。 思いを言葉にするのは難しい。適切な言葉が瞬時に出ないし、三日後くらいにあぁ言えば良かったんだと思ってモヤモヤすることも多々。 言葉が上手くないから誤解される事もしばしば。 「声の在りか」、、私の、私自身の気持ちを声にのせて上手に伝えられるようになりた...
わかる、わかるよ、、私もだ。 思いを言葉にするのは難しい。適切な言葉が瞬時に出ないし、三日後くらいにあぁ言えば良かったんだと思ってモヤモヤすることも多々。 言葉が上手くないから誤解される事もしばしば。 「声の在りか」、、私の、私自身の気持ちを声にのせて上手に伝えられるようになりたいな。 息子の年齢が近い事もあり、その辺りの描写にウルウルも。 自分自身で自由を手に入れられるように。 岡野さんのチケットの話しは良かったな。子どもたちに伝えてあげよう。私自身の言葉にのせて。
Posted by
まわりに伝えたいこと、複雑な感情、 …困っていること、頼りたいこと、ギャフンと言わせたいこと、 …そういったものをそのまま言語化する過程に必要とされる体力の計り知れない重量感を感じた。 自分もなかなか言いたいことが言えない幼少期を過ごし、やっと少し言えるようになったのは、自分が...
まわりに伝えたいこと、複雑な感情、 …困っていること、頼りたいこと、ギャフンと言わせたいこと、 …そういったものをそのまま言語化する過程に必要とされる体力の計り知れない重量感を感じた。 自分もなかなか言いたいことが言えない幼少期を過ごし、やっと少し言えるようになったのは、自分が稼ぎ始めて、精神的経済力を持てるようになってからだったことを思い出した。 自分がわからない、どうしたいかが言えない、選べと言われて選べない、他の人が自分の発言で怒ったり傷ついたりするのがこわい、でもそれってある種の過大評価?、と考えていた20歳前後の頃も懐かしく感じた。 全体を通して、共感できる一方、後ろめたい気持ちも出てくる作品だった。 その他、親としてのちょうどいい按配に悩む母親、周りの親切をクリティカルにしか受け止められないプライド、勝ちの種類を生み出す子供の成長ぶり、が印象的だった。
Posted by
言いたいことを言わずに飲み込み、どんどんアプアプしていく姿が苦しかったけど、少しずつ変わって行くとこがよかった。 自分は逆に考えずに口にしてしまい後悔するたちなので(^◇^;) 人は人と関わりながら生きていて、どれくらい関わりたいかで言葉数も変わってくる。 こんな私でも言いた...
言いたいことを言わずに飲み込み、どんどんアプアプしていく姿が苦しかったけど、少しずつ変わって行くとこがよかった。 自分は逆に考えずに口にしてしまい後悔するたちなので(^◇^;) 人は人と関わりながら生きていて、どれくらい関わりたいかで言葉数も変わってくる。 こんな私でも言いたいことをあえて言わない人もいるし、逆もあるだろうなぁ←私を警戒する人。 でもやっぱり本当に分かりあうためにはやっぱり会話が必要なんだと思ったし、時にはただそこにいるということも大事なんだな、と。何事もバランス。 人との関わりに正解も満点もない、失敗したり、近づいたり、離れたり、それでいいって思えた。
Posted by