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まとまらない言葉を生きる の商品レビュー

4.3

58件のお客様レビュー

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2022/03/09

安易にまとめず、要約せず、端折らず。 飛び交う言葉に向き合う。 もやもやと腑に落ちない言葉、出来事が溢れている。 スッキリハッキリ解が出ないことも、あれこれ考え続ける。 それが大事なのかも知れない。

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2022/03/07

 この本で著者は「言葉」を通じて丁寧に世の中を見つめ、ごく当たり前のことを主張している。  では、その当たり前のことを日々実践できているかと問われると「できていない」「実践しているけれど十分ではない」という答えになる。そのせいか、読み終わって気分が重くなった。  「だったらきちん...

 この本で著者は「言葉」を通じて丁寧に世の中を見つめ、ごく当たり前のことを主張している。  では、その当たり前のことを日々実践できているかと問われると「できていない」「実践しているけれど十分ではない」という答えになる。そのせいか、読み終わって気分が重くなった。  「だったらきちんと実践しろよ」、そんな声が本から聞こえてきたような気がする。

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2022/02/27

言葉が壊れている。 いつかの政権以降、広告的な要約や断言の多様により、そのすきまにこぼれ落ちたものの声はなかったことにされてしまうことが増えた。 本で紹介されたいくつもの障害者運動をしてきた方の言葉が、痛切な響きを持って届いた。障害者運動をしていなくったって、その感情を知ってい...

言葉が壊れている。 いつかの政権以降、広告的な要約や断言の多様により、そのすきまにこぼれ落ちたものの声はなかったことにされてしまうことが増えた。 本で紹介されたいくつもの障害者運動をしてきた方の言葉が、痛切な響きを持って届いた。障害者運動をしていなくったって、その感情を知っているし、知らないことでも、言葉を残してくれたことによって想像することができる。 わたしも、まだ言葉を諦めたくない。

Posted byブクログ

2022/02/17

・「制度よりムード」の怖さ。 ムードをつくる側なら何の不都合もないだろうが、この社会には、つくられたムードの中で生きることを強いられる人もいる。 ・遠慮はある種の圧力によってさせられるもの。「遠慮するなよ」という言い方はおかしい。

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2022/01/23

2021年に読んだ本の中でとても印象に残った本。その後、原一男監督の映画を観ていく中で思い出し、リンクしていると感じた。 優生思想とか少数の声が掬い取られずつしされていく世の中とか、なんか色々頭の中ぐるぐるしながら読んだ。 また読み返そうと思う。

Posted byブクログ

2022/12/27

ーー「言葉が壊れたきた」と思う。ーー この1文から始まる本書は、「読み応えがあった」なんてもんじゃない、それ以上の、ズシリと重く心にのしかかるエッセイだ。高校生くらいの子が、クラス単位で1年ほどかけてみんなで読み、語り合ってほしい本。 *** 「遠慮」とは、するよりさせられるもの...

ーー「言葉が壊れたきた」と思う。ーー この1文から始まる本書は、「読み応えがあった」なんてもんじゃない、それ以上の、ズシリと重く心にのしかかるエッセイだ。高校生くらいの子が、クラス単位で1年ほどかけてみんなで読み、語り合ってほしい本。 *** 「遠慮」とは、するよりさせられるもの。 「心の病」って治さなくちゃいけない? 「自己責任」という言葉は人を黙らせ、他人の痛みへの想像力を削いでしまう。 「理不尽に抗う方法」を知らなければ、「理不尽な目にあう」ことに慣れてしまう。 「正しい」「立派」「役に立つ」ーこれらを追い求めて幸せになるのだろうか? *** などなど、引用したらきりがない。 ここには、著者が出会った、障害や病気と共に生きる人々の言葉が紹介されている。そのひとつひとつが読む者をハッとさせ、著者が深く優しくその言葉の真意を解き、大きく言えば今の社会を根底から疑わなければいけないことを思い知らせてくれる。 今の世の中は、帯にもある「生きた心地」という言葉がすごく遠くにあるような気がする。「生きた心地」を取り戻さなければ、ほんとうに生きたことにはならないのではないだろうか。単純で大げさな言葉や数字にひっぱられて要約すると「立派」となるような人生が良いのだろうか。少なくともこの本を読んでいる間は、自分にも十分に思い当たるような厳しい言葉を突きつけられつつも、思考はほぐれ、「生きた心地」がしていた。

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2021/12/29

障害者差別の研究をする著書の視点から、現代において言葉が壊されていたり、むやみに簡略化されたりすることへの危惧を書いている。 身近で考えると、インスタの情報系投稿とか、tiktokなど、短時間で気軽に「何も考えずに」楽しめるコンテンツが増えていることに対する違和感と似ていると思っ...

障害者差別の研究をする著書の視点から、現代において言葉が壊されていたり、むやみに簡略化されたりすることへの危惧を書いている。 身近で考えると、インスタの情報系投稿とか、tiktokなど、短時間で気軽に「何も考えずに」楽しめるコンテンツが増えていることに対する違和感と似ていると思った。(もちろん、それらが悪いとかの話ではないけど) 何でもかんでも手っ取り早く分かることなど、本当の意味ではできないと思う。分かるためには、それにいかに深く向き合えたかという視点も忘れてはいけないと思った。

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2021/12/18
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

言葉が「降り積もる」とすれば、あなたは、どんな言葉か降り積もった社会を次の世代に引き継ぎたいですか? ある視点からすればいわゆる気が狂う状態とてもそれが抑圧に対する反逆として自然にあらわれるかぎり、それじたい正常なのです。 p.28 いくらこの世が惨めであっても、だからといってこのあたしが惨めであっていいハズないと思うの p.67 日常生活を維持するために、その人が果たさなければならない努力の量を仮に「生活負荷」と名付けてみる p.148 「治す」のではなく「癒す」と言っているところが重要だ p.153 差別されている人に「勇気を出せ」とけしかけるのではなく、勇気を出せる条件を整えることが大切で、そのためには孤立しない・孤立させないを育むことが必要だ p.194 評価されようと思うなよ。人は自分の想像力の範囲内に収まるものしか評価しない。だから、誰かから評価されるというのは、その人の想像力の範囲内に収まることなんだよ。人の想像力を超えていきなさい。 p.202 死だけが不可逆なのである。生きて肌に温もりが残るあいだは改善可能性が、希望が残り続けている。p.226

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2021/12/15

「言葉が壊れてきた」 こんなショッキングな出だしで始まるこの本は、何とまとめることがとてもできない。 文学者たる著者が令和の日本を生きていくなかで感じる、違和感というか、嫌悪というか、不安やその他のざわざわ、もやもやする言葉について語っていく。 本当に言葉が壊れている。生き難くす...

「言葉が壊れてきた」 こんなショッキングな出だしで始まるこの本は、何とまとめることがとてもできない。 文学者たる著者が令和の日本を生きていくなかで感じる、違和感というか、嫌悪というか、不安やその他のざわざわ、もやもやする言葉について語っていく。 本当に言葉が壊れている。生き難くする言葉が溢れている。そう思う。 言葉は"降り積もる"から、そんな言葉だらけにしてはいけない、という警鐘を鳴らす。 でも、じゃあ降り積もらせたい"よい"?言葉とはなんだ? そんなものはない。(なんたって純粋な励まし言葉すら、日本語にはない) でも、じゃあ。 言葉にすがって生きていると思う。 そんな自分はどう言葉と暮していこう。

Posted byブクログ

2021/11/29

日常的に使う言葉についてハッとさせられる1冊。 励ましの言葉とか、地域とか、軽率に使っている単語の意味を私はわかっているのだろうか、と考えさせられた。特に主語を大きくしてしまう「私たちは」はもっと慎重に使おう、気をつけよう、と感じた。 内容はすごく良いのだが、作者が言葉に向き合っ...

日常的に使う言葉についてハッとさせられる1冊。 励ましの言葉とか、地域とか、軽率に使っている単語の意味を私はわかっているのだろうか、と考えさせられた。特に主語を大きくしてしまう「私たちは」はもっと慎重に使おう、気をつけよう、と感じた。 内容はすごく良いのだが、作者が言葉に向き合ってなんとか誤解されないようにとまとまらない言葉のままに書いているために、いかんせん読みにくかったので星3つ。

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