平成くん、さようなら の商品レビュー
Uber、アンダーズ東京、マークジェイコブス、フィオレンティーナのケーキ、性的な描写も出てくるものも(お金持ちではあるが)意図的に執拗に上流の平成らしい価値観を書いているように思う。リメンバーミーや君の名は。がサラッと会話の中で前提として出てくるあたりがリアリティがある。一方で安...
Uber、アンダーズ東京、マークジェイコブス、フィオレンティーナのケーキ、性的な描写も出てくるものも(お金持ちではあるが)意図的に執拗に上流の平成らしい価値観を書いているように思う。リメンバーミーや君の名は。がサラッと会話の中で前提として出てくるあたりがリアリティがある。一方で安楽死が合法化された未来、平成くんの最後などが日本で実現可能になりそうな科学技術でSFチックで、平成のリアリティさとうまく融合して書いているなと思った。よくも悪くも著者をテレビでよく知っているからわざとらしさが目についてしまうけど、現代社会批判に偏ることなく、口先では理路整然と言ってても結局は自分の五感で感覚的に生きてる素直でずぼらな平成くんの描かれ方よくて、読後感も悪くない、読んでよかったなと思った。
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メディアによく出ている著者と主人公が完全に重なり、小説なのにノンフィクションのように感じた。未来の日本の安楽死を見ているかのようだった。
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平成くんの、どこまでも論理的で聡明なのに垣間見える人間らしさとか不器用なところがすごくもどかしいと同時に愛おしかった 人は図らずも、誰かが生きていた記憶を背負ってしまうことがある。本当にそうだと思った そして安楽死については、少しでも華のあるうちに穏やかに逝きたいという気持ちはす...
平成くんの、どこまでも論理的で聡明なのに垣間見える人間らしさとか不器用なところがすごくもどかしいと同時に愛おしかった 人は図らずも、誰かが生きていた記憶を背負ってしまうことがある。本当にそうだと思った そして安楽死については、少しでも華のあるうちに穏やかに逝きたいという気持ちはすごく分かるけれどそれでは優生思想につながってしまうし、やっぱり難しいなと思った フィクションとノンフィクションの境が時々分からなくなったけどその曖昧さがまた良かったのかな
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芥川賞候補作、ということで。 そうではないだろうけど結構ご本人とリンクする部分が多く感じられて、いちいち鼻につく(悪い意味では無く) 若きブルジョア層のスマートな生活感の無い日常に沿って進む安楽死制度というテーマは、割とストーリーには馴染んでいたように思うが、自分の生き死にを...
芥川賞候補作、ということで。 そうではないだろうけど結構ご本人とリンクする部分が多く感じられて、いちいち鼻につく(悪い意味では無く) 若きブルジョア層のスマートな生活感の無い日常に沿って進む安楽死制度というテーマは、割とストーリーには馴染んでいたように思うが、自分の生き死にを他人事のように捉えて履行する・しないってやりとりは、今必死に生きる人たちを思うと、所詮他愛もない絵空事・戯言の類だろうなと思う。 今後起こるだろう重要なテーマに踏み込んでいる気がするものの、どうにも登場人物たちに良い印象が持てず、終始「だからどうしたっての」というような投げやりな感想ばかりわいた(悪い意味では無く!) いかにも、芥川賞の候補になりそうな雰囲気だなと思った。
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安楽死が合法化された現代日本というパラレルワールドが舞台。 描写がリアルで引き込まれました。 これまで安楽死を身近に考えたことはなかったけど、平成くんや愛を通してもしもの世界を体験しました。 他人の物事について、本人の意思を尊重するというのは当たり前のことのようでありながら、死が...
安楽死が合法化された現代日本というパラレルワールドが舞台。 描写がリアルで引き込まれました。 これまで安楽死を身近に考えたことはなかったけど、平成くんや愛を通してもしもの世界を体験しました。 他人の物事について、本人の意思を尊重するというのは当たり前のことのようでありながら、死が関わるとこんなにも難しいものなのですね。
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ノンフィクションなのではないかと錯覚してしまうくらいのリアルさがあった。自分が死ぬのも怖いけど、大切な人の死はもっと怖い。
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平成くんはその名の通り、平成生まれ。 平成が終わろうとしているとき、同棲している恋人の愛に、安楽死しようと思うと伝える。 安楽死が認められるようになり、制限はあるものの自分で死ぬ権利も持てるようになった世の中。 苦しみの中で、生を断ち切りたいと思う人がいる一方、死へと周囲か...
平成くんはその名の通り、平成生まれ。 平成が終わろうとしているとき、同棲している恋人の愛に、安楽死しようと思うと伝える。 安楽死が認められるようになり、制限はあるものの自分で死ぬ権利も持てるようになった世の中。 苦しみの中で、生を断ち切りたいと思う人がいる一方、死へと周囲からの圧で追いやられる人もいて。 本当に死を求めているのか、一時的な考えから死にたいのか、その線引きの難しさを思う。 いつか日本も、安楽死が認められる日が来るのだろうか。
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すぐ横で暮らしていた者にとっては 突然二度と会えなくなることはもちろん苦しいけれど 例えば離れてもう会うことはないということと その人が死んでしまって会えないということ 本人以外の他者からしたら何が違うというのだろう いつか会えるかもしれないという可能性 が死んでしまったという...
すぐ横で暮らしていた者にとっては 突然二度と会えなくなることはもちろん苦しいけれど 例えば離れてもう会うことはないということと その人が死んでしまって会えないということ 本人以外の他者からしたら何が違うというのだろう いつか会えるかもしれないという可能性 が死んでしまったというに過ぎないのではないか 過去の思い出は失われないし、 新しい思い出がアップデートされないという点も同じだ
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寝る前に少し軽めの本を読み始めよう〜と思ったら、ものの2、3時間で最後まで読み切ってしまった… 初めは「最近よくある軽い風の書き方でちょっと嫌だなあ」「また自殺願望の話かあ」とか「でも手法はかなり面白いなあ」とか考えてたけど、読み終わった頃にはしっかり心に傷がついてボロボロ泣い...
寝る前に少し軽めの本を読み始めよう〜と思ったら、ものの2、3時間で最後まで読み切ってしまった… 初めは「最近よくある軽い風の書き方でちょっと嫌だなあ」「また自殺願望の話かあ」とか「でも手法はかなり面白いなあ」とか考えてたけど、読み終わった頃にはしっかり心に傷がついてボロボロ泣いておりました。
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文章が好き ◯ 作品全体の雰囲気が好き ◯ 内容結末に納得がいった ◯ また読みたい その他 生と性と死のワードがないまぜになって話が進む。 頭の良すぎる天才の、始末のお話。 物語のラスト、愛と「平成くん」のかみ合わない会話がとても切ない。 物語上安楽死が合法...
文章が好き ◯ 作品全体の雰囲気が好き ◯ 内容結末に納得がいった ◯ また読みたい その他 生と性と死のワードがないまぜになって話が進む。 頭の良すぎる天才の、始末のお話。 物語のラスト、愛と「平成くん」のかみ合わない会話がとても切ない。 物語上安楽死が合法化している設定。 いかにも現実的にありそうな事例としてその場面が表現されているので、少し混乱してしまった。 登場人物のセレブな生活が現実離れしているのも相まって、ありそうで無さそうな、「ファンタジー」。 時々出てくるワードが、実際に存在するモノなので、リアルな世界を描いているんじゃないかと思ってしまう。
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