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正しい女たち の商品レビュー

3.5

69件のお客様レビュー

  1. 5つ

    8

  2. 4つ

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  3. 3つ

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  4. 2つ

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2024/09/18

相変わらず解像度が高い。 女性特有の視点や感情も嫌になるくらい的確に描写されてる。 短編は初めて読んだけど読みやすかった。 それぞれのお話がいつも少し物足りないくらいで終わる、ように感じた。

Posted byブクログ

2024/09/17
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

「別れることが決まった途端、イツキとのありふれた日常は脱皮するようにまあたらしいものになった。すべての瞬間が鮮やかで澄んでいて、かけがえのないものに思われた。」 それが長く留守にするものであっても短いものであっても、楽しみにしていた予定ほど出かける直前、なぜだか家族とのやり取りやいつもと変わらない時間が急に愛おしく貴重に思え、ウキウキする気分がしぼんで、もう出かけるのはやめてこのまま家族と家で過ごしたい、と、締め付けられるような気持ちになることがよくあるけれど、その感じが『幸福な離婚』の主人公の気持ちとオーバーラップし、終始、切なかった。 別れを目前に、思いやりを持てるのは、主人公が思う期間限定のものだからでは決してなく、その大切さや愛おしさを再認識し、初心に返るからこそだと思いたい。

Posted byブクログ

2024/08/04

人間のぬちゃぬちゃ具合を気持ちが悪くならない程度に楽しめる本。(わたしは村田沙耶香さんの本が気持ちが悪くなってしまって読めない) これは忘れた頃にもう一度読み直したい! そして茜さんの、登場人物の心情をその人の動作やその時の情景を使って、読者に伝える描き方?は天才だと思う

Posted byブクログ

2024/07/11

女って怖い、ってまとめられてしまいそうなお話たち…(男って怖い、というパターンも少しあった) 自分の中での正しさを押し付けちゃうと急にエゴになってしまう。 共感してしまう箇所は数多くあるが、友達だとしても家族だとしても、自分と他人の線引きはしっかりしないとずぶずぶと沼のような関係...

女って怖い、ってまとめられてしまいそうなお話たち…(男って怖い、というパターンも少しあった) 自分の中での正しさを押し付けちゃうと急にエゴになってしまう。 共感してしまう箇所は数多くあるが、友達だとしても家族だとしても、自分と他人の線引きはしっかりしないとずぶずぶと沼のような関係になることも多いよなと思う。 なんていうんだろう…ずぶずぶ感?なんとも言えないエゴ?をなんとも言えない形のまま書かれている感じだった。 おもしろいけど、個人的には読後感がずんと重たいかも。

Posted byブクログ

2024/07/01

塊にいることの安心感、そしてそこから逸脱していくことへの嫉妬と抵抗。学生時代からまさに今も自分の中にあったその感覚を言語化された。 『幸福な離婚』結婚する後輩にかける言葉の正解は「おめでとう」ではなく「がんばって」。離婚すると決めてからの2人の期限付きの残りの結婚生活はとても穏...

塊にいることの安心感、そしてそこから逸脱していくことへの嫉妬と抵抗。学生時代からまさに今も自分の中にあったその感覚を言語化された。 『幸福な離婚』結婚する後輩にかける言葉の正解は「おめでとう」ではなく「がんばって」。離婚すると決めてからの2人の期限付きの残りの結婚生活はとても穏やかで、それが切なかった。終わりがあるから優しくなれる。もう自分のものではないから、変えようと思わない。 『描かれた若さ』爽快だった。「自分だけが歳を取らないとでも思っているんだろ。あるいは、自分たち男だけはゆっくり老いるのだと。賞味期限は長いとか考えてんだろうね。あたしたち女はね、あんたらみたいな男のせいで、早くから歳を意識させられるんだよ。だからさ、強いんだよ、みられることにも、現実にもね。」 「彼女のこと、ぜんぶ知っているわけじゃないですよね。違う育ち方をした、違う人間なんですよ。結婚したからって同じ人間になるわけじゃないんですから。」 「ねえ、好きな人と毎日会えるって本当は幸せなことだよね。それだけでいいって思う瞬間があったから、一緒に住みはじめるのになあ、とか考えちゃったよ。」 「最近彼女たちと会うと息苦しい。堅実な人生の見本を前に喉が詰まったようになる。」

Posted byブクログ

2024/05/26

学生時代に出会った女の子が社会人になり、結婚する人もいたり、それぞれを描く短編連作。 女性を年齢とか容姿とかで評価して見てる表現が多くて、分かるんだけどさ、嫌な気持ちになっちゃったな。特に最終話。

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2024/04/14

短編集だと思っていたら、読み進めるうちに、4人の女性の隙間だらけの悲しい友情が見えてきた。 友情を維持することが正しいと思ってると、女同士ってこうなるよね。なんか分かる。 彼女たちはそれぞれ、自分の正しさの中で生きていたけど、みんなあまり幸せそうじゃなかった。 "正しい...

短編集だと思っていたら、読み進めるうちに、4人の女性の隙間だらけの悲しい友情が見えてきた。 友情を維持することが正しいと思ってると、女同士ってこうなるよね。なんか分かる。 彼女たちはそれぞれ、自分の正しさの中で生きていたけど、みんなあまり幸せそうじゃなかった。 "正しい"と"幸せ"は、イコールじゃない。 粘っこい文体は好みだったけど、個人的には印象の薄い作品だったなあ。

Posted byブクログ

2024/03/02
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

・比喩が上手い。普段読まない作家の言葉遣いが新鮮だった。迂闊だった。困る、水がかたいなど。 ・すべての短編が最初の短編に出てくる4人の女性の派生である。と最後の解説に描かれていてなるほどと思った。 ・正しい女たち、とは自分の正しさの信じて正義を貫く者というように読み取った。それが自分の価値観とはあまり一致せず、作品全体を通してあまり共感できなかったのでこの評価。正しさなんてのは全て主観的で流動的なものであると思うので、正しい女ではなく正しさを信じる女たちとかの方がタイトルとしては良い。正しさというものを客観視できない女に対して皮肉をこめているのかもしれないが。 温室の友情 ・歪んだ愛は連鎖する。 ・小説においてすべてを語らない部分があり、それが女性らしいと感じた。 海辺の先生 ・田舎町の情景、スナックの風景、先生の人柄が目に浮かぶような描写。自分の中でかなりエモーショナルになれる作品。 偽物のセックス ・自分が欲しかったのってこんなものだったんだというのがリアル。でもそれから逃れられないのが人間であり男だなあと思う。 ・強制力を持って動けば、悲惨だと思う状況も好転し得る。 幸福な離婚 ・終わりを意識することで今が大切になる。メメントモリ。100日後に死ぬワニと同じ構造。 ・終わりを決意したからこそ肩の力が抜けて一緒にいる窮屈さがなくなるというのは真実だと思うけど、個人的にはそれでも2人で踠くのが理想かなと思う。 桃のプライド ・誰にも羨ましく見えたり苦労していたりするポイントがある。 ・誰かを羨ましく思うのはやめて、羨ましく思われたいというのもやめたいやつから本当に好きなことに全力で向き合えるのだと思う。そこにいるうちは中途半端。 ・母親の最後の言葉が泣ける。 描かれた若さ ・男の若い女第一主義に物申す短編。男の立場からすると男の潜在意識が若さを求めているのは確かにあると思うが、それを過剰に受け取って必要以上に若さを追求する流れを作っているのは女性自身な気もする。

Posted byブクログ

2024/02/19

「女たち」と複数形になるとなんだか不穏な空気になってくる いろんな女の感情が蠢いていて最初読むのが怖そうでなかなか積読から手に取れなかった連作短編集 最後の短編が女を若さでしか見ない「ババア」と見下す男が仕打ちを受ける話がスッキリした 女は「ババア」て言葉に傷ついてるのよね

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2024/01/18

『透明な夜の香り』の描写が素敵でこちらの作品も読んでみた。いや、タイトルに惹かれて手に取ったら、同じ作家さんじゃない?と気付き、購入に至った。 正直にいうと前半はあまり好みではなく、いわゆる中高生女子特有のベタベタ感があり(今思えば、それを思い出すくらい描写がリアルだったのかも...

『透明な夜の香り』の描写が素敵でこちらの作品も読んでみた。いや、タイトルに惹かれて手に取ったら、同じ作家さんじゃない?と気付き、購入に至った。 正直にいうと前半はあまり好みではなく、いわゆる中高生女子特有のベタベタ感があり(今思えば、それを思い出すくらい描写がリアルだったのかもしれない)、うわぁという感じ。そうそう、私はこういうの嫌いだったなぁと。 後半は、大人になってから感じる友達との距離や不安や、諸々の話が展開された。こちらは面白く、考えさせられる部分もあり、止まることなく読み進められた。 何が正しいのかは分からないし、どれも正しいのだと思う。色んな立場や生き方の女の葛藤や不安が盛り込まれている物語だったと思う。

Posted byブクログ