正しい女たち の商品レビュー
私立中学で出会った四人の少女達。彼女達の連作短編6編。 「温室の友情」 彼女達の中学時代から大学、社会人へと、道が別れていく様子を。不倫している友人へ、そこから救い出したい正しい女としての行動が危うい。 「海辺の先生」 スナックを経営する母を持つ娘。勉強の機会を失っていたその娘の...
私立中学で出会った四人の少女達。彼女達の連作短編6編。 「温室の友情」 彼女達の中学時代から大学、社会人へと、道が別れていく様子を。不倫している友人へ、そこから救い出したい正しい女としての行動が危うい。 「海辺の先生」 スナックを経営する母を持つ娘。勉強の機会を失っていたその娘の大学進学を手助けする偽りの先生。彼女の大学進学を機にその先生も研究室に戻っていく。この一冊の研究職の男性率が高く、誰かと重なっていると思うのだけど、はっきりわからない。 「偽物のセックス」 四人の中で専業主婦となった女性の日常生活。夫は、同じマンションに住む女性の自分の欲求に正直な女に惹かれていく。その女のポリシー婚姻を結んだ正しいセックスという意思に、妻に戻る。 「幸福な離婚」 妻の不倫と転勤とに、離婚を4ヶ月後に決めた夫婦。別れを決めた後の満ち足りた婚姻生活。妻の不倫相手が、温室の友情の不倫好きの男性。この夫も研究者だから、どれかと重なるのかな。 「桃のプライド」 四人のうちタレントとなった女性。三十を超えて自分の限界を感じる。正しい職を得た他の二人、家庭と子供を持った一人との、人生の差を見つめる。 「描かれた若さ」 女の年齢への不謹慎な発言と態度を、その結婚願望を逆手にとって、復讐される。ホラーっぽい。
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「温室の友情」 男は女のこととなると怖がってばかりだ。ああ、面倒くさい。 ここ、激しく共感。 「幸福な離婚」 もうすぐ死ぬとわかっていれば優しく出来る。死は別れだ。そうだとしたら、イツキはこの結婚の死を看取ろうとしてるのかもしれない。 この2人の離婚後が気になる。
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「海辺の先生」が1番すき。 「幸福な離婚」もほわほわした優しさに包まれてる感じがとてもすきだった。離婚までの時間ってのが切ない。 「桃のプライド」タレントとモデルの間みたいな売れない女性の話。最後の1ページですきになった。 気付いたら6篇中3篇すきだったみたい。
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面白かった 千早茜さんつぼだなぁ あの時はみんな同じだった。それが普通、だった。ででも普通ってめっちゃむずい。まじで結婚して子供産んで育ててっていう過程が普通とされているこの世の中ハードル高すぎだって 結婚している人としかやらないって貫く女の人かっこよかったなぁ大好き
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正しいことをする、「普通」であるってすっごく心地のいい状態だと思う。 迷わなくていいし、悩まなくていい。これでいいのかなっていう不安な気持ちを優しく「これでいいんだよ」って包み込んでくれるから。 時々「普通」に違和感を感じてそこから脱却しようとするけど、社会に関わってく中で、「異...
正しいことをする、「普通」であるってすっごく心地のいい状態だと思う。 迷わなくていいし、悩まなくていい。これでいいのかなっていう不安な気持ちを優しく「これでいいんだよ」って包み込んでくれるから。 時々「普通」に違和感を感じてそこから脱却しようとするけど、社会に関わってく中で、「異」であるとこに不安になって、また引き戻されて、、、。 自分は弱いなぁって改めてちょっと悲しい気持ちになりました。
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普段は隠している人間の本性や欲望が、ふとしたことをきっかけに表面化してしまう瞬間をリアルに描いていた。
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登場人物や視点が入れ替わり立ち替わり、人間関係もややこしいので少し置いていかれる感がありました。学生時代、かつて仲良しだった4人組が大人になって少しずつ人生観がズレて行く感覚は分かる。最初と最後の話で、結束した女たちは怖いよなーと我ながら思います。タイトル通り、正しく理由があって...
登場人物や視点が入れ替わり立ち替わり、人間関係もややこしいので少し置いていかれる感がありました。学生時代、かつて仲良しだった4人組が大人になって少しずつ人生観がズレて行く感覚は分かる。最初と最後の話で、結束した女たちは怖いよなーと我ながら思います。タイトル通り、正しく理由があって淡々と行うんですよね。
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温室の友情、桃のプライド 同じであることが繋いでいる関係性 環境が変われば望もうと望まないと変わってしまう 同じところにいたのに、いつしか見える景色が変わってしまって、隣の芝生が青くみえることはあるよな そうならずにいたい 海辺の先生 こういう先生の存在っていい、安心感のある...
温室の友情、桃のプライド 同じであることが繋いでいる関係性 環境が変われば望もうと望まないと変わってしまう 同じところにいたのに、いつしか見える景色が変わってしまって、隣の芝生が青くみえることはあるよな そうならずにいたい 海辺の先生 こういう先生の存在っていい、安心感のあるお話だった 幸福な離婚 こんなにも満ち足りているのに、いずれ終わってしまう リミットが決まってるから満ち足りているのか 切なかった、このまま続いてほしいと思ってしまう 描かれた若さ スカッとする
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温室の友情 海辺の先生 偽物のセックス 幸福な離婚 桃のプライド 描かれた若さ 海辺の先生と桃のプライドがすき。 短編だけど、少しずつ繋がってるのもすき。 桃のプライドのMORIの言葉。 「わたしは桃娘にならなくては、と思ったの。 だからあなたたちのつぶやきを見るのよ。 あなたたちは求めるばかりで、求められることを考えていないから。あなたたちと同じことをしないために」
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幸福な離婚がお気に入り。 千早さん作品はどれも 女の、醜くて目を背けたくなる部分を、じわじわと描き出しているので 向き合うことができる時に読む。笑
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