すみれ荘ファミリア の商品レビュー
優しい筆致なのに登場人物たちはハッキリしていて、そのコントラストが心地よかった。 優しさとか愛とか形がわからないものをいろんな角度からうつしていて、物語は浮世離れしているはずなのにどこか身近な感じがした。 読めてよかった。
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凪良ゆうさんの作品は、今回で3冊目になる。 「流浪の月」でがっつり掴まれてしまったけれど、この作品はいまいち、物語に入りきれなかった感が残る。 主人公の一悟がなぜ虚弱体質なのか…の真相は、怖すぎたけれど。 すみれ荘に関わる人みんなどこかが壊れていて、それを隠しながら生きている気が...
凪良ゆうさんの作品は、今回で3冊目になる。 「流浪の月」でがっつり掴まれてしまったけれど、この作品はいまいち、物語に入りきれなかった感が残る。 主人公の一悟がなぜ虚弱体質なのか…の真相は、怖すぎたけれど。 すみれ荘に関わる人みんなどこかが壊れていて、それを隠しながら生きている気がする。 一つのことにたいしての執着がすごい。 優しいようで、恐ろしい。
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多面性があるのが人というもの。女だから、母親だから、なんてことに捉われず、どんな一面も「それが自分だから」と認めてあげたい。そして認めてほしい、と思うのは傲慢なのでしょうか。 愛の形は人それぞれ。時にそれは憎しみにも変容してしまう。他人に理解できなくても、身勝手で歪んでいたと...
多面性があるのが人というもの。女だから、母親だから、なんてことに捉われず、どんな一面も「それが自分だから」と認めてあげたい。そして認めてほしい、と思うのは傲慢なのでしょうか。 愛の形は人それぞれ。時にそれは憎しみにも変容してしまう。他人に理解できなくても、身勝手で歪んでいたとしても、それも含めて当人にとっては愛なんだと思う。 みんなそれぞれの生きづらさを抱えていて、それを告白していくことで「こんなモヤモヤした思いを抱えながら生きているのは自分だけじゃないんだ」と共感して安心できる。凪良ゆうの作品を読むと毎回孤独じゃないと思える。
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なにが幸せかなんて、人によって違うじゃないか。 みな、それぞれのやり方で日々を送ればいい。 ゼロと一は違う。 知ってしまえば、知らなかったころには戻れない。記憶は消せない。確かにあった幸せが、ぽろぽろと手のひらからこぼれていく無力感はたまらない。じゃあ最初から手に入れないほうがよ...
なにが幸せかなんて、人によって違うじゃないか。 みな、それぞれのやり方で日々を送ればいい。 ゼロと一は違う。 知ってしまえば、知らなかったころには戻れない。記憶は消せない。確かにあった幸せが、ぽろぽろと手のひらからこぼれていく無力感はたまらない。じゃあ最初から手に入れないほうがよかったかと問われると、それは絶対に嫌だ。 試練は苦しいものだけれど、迷い、苦しみ、悩み、乗り越えることで人生の真理を学ぶことができる。 無駄な努力はしない、あたしはあたしのままで生きていくしかないってだけだから。高望みさえしきゃ楽になる。それがわかった。 諦めれば、少しは楽になる。 想像力の欠如って、あらゆるところで無神経の形になって表れる。 面倒なことってのは実は大事なこと。 世界は面倒ごとであふれ、そのおかげで自分は立ち続けていられる。 納得できるってことは、気持ちがいいってことだよ。 仕事は生きていくための手段だ。好きでも嫌いでも仕事はしなくちゃいけない。 よくなったと思うと落ちる。原因も分からない。その繰り返しは、人から少しずつ希望ややる気を奪っていく。 変わらないように見えるだけで、実際は少しずつ変化が起きてる。 後戻りできないなら、決めたことをまっとうしていくしかないじゃない。 『天は自ら助くるものを助く』。どれだけ手を差し伸べられても、その手をつかむかどうか決めるのはきみだ。本当の意味できみを助けられるのはきみだけだ、神はその道しるべをくれるだけ、それを見落とさないよう、自分で自分を愛してあげなさい。 私は私を幸せにするためぬ働いて稼いでるんだから。 考えなくていい。何をやっても駄目なときってのはある。そういう時は神経を鈍くさせて、嫌なことには目をつぶって自分を守るんだよ。 何も感じないのは楽だ。 神さまは人にとって無駄なものは何も与えない。冬が長く続き、きみの心は植物の種のように眠っている。けれどいつか再び芽を出す。それまで、神さまが慈しんで作ったきみのすべてを大事にしなさい。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
私は人間は面倒臭いから好きではない。 凪良さんは面倒な部分を表現するのが上手くて、否定せず諦めるわけでもなく受け入れていく感じがたまらなく好き。 心地いい気分になれる。
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読みやすいはずなのに、なぜか読みづらかった。 著者の書き方と自分が合わないのかな? 人の多面性を知れる作品
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下宿の管理人を務める主人公とそこの普通の住人を巡る日常のストーリーかと思いきや、その下宿人たちの持つ裏の顔が語られていく様子に、次のこの人はどんな裏の顔なのだろうと、怖くもありました。最後に、おまけの短編も引っ付いていて、こちらも表の顔と裏の顔を描いたストーリーで良かったです!
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読めば読むほど雲行きが怪しくなっていって、どうなるの?どうなるの?と思いながらあっという間に読めた。凪良ゆうさんの作品は、それぞれの作品で色が違うけど、伝えたいことや気持ちに一貫性があるなと思った。
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下宿屋すみれ荘に住む人たちと、管理人の一悟とのほのぼのした日常…ではなく、普通に見えるけど、みんなそれぞれの内面に抱えている毒。それがだんだん表に出てきて。 一番堪えたのは、「不条理な天秤 母の告白」の章かな。 そして短編「表面張力」も、結構ゾワっときた。
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家族の愛や、人間の優しさ、普通って何だろう。 とある下宿「すみれ荘」の管理人と住人たちの話。 凪良ゆうさんの作品はこれで読了3冊目でした。 どの本もテーマが一貫していて、毎回少しずつ異なった形で心をゆさぶられ、優しさに包まれます。 人間の不可解さに少し怖くもなります。 うまく...
家族の愛や、人間の優しさ、普通って何だろう。 とある下宿「すみれ荘」の管理人と住人たちの話。 凪良ゆうさんの作品はこれで読了3冊目でした。 どの本もテーマが一貫していて、毎回少しずつ異なった形で心をゆさぶられ、優しさに包まれます。 人間の不可解さに少し怖くもなります。 うまく言葉で表せませんが、この作品は、個人的に すごく好きなお話でした。和久井さんに幸あれ。
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