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すみれ荘ファミリア の商品レビュー

4.1

341件のお客様レビュー

  1. 5つ

    105

  2. 4つ

    148

  3. 3つ

    63

  4. 2つ

    2

  5. 1つ

    2

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2021/07/26
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

下宿屋の管理人をしている病弱な一悟はある日、男を自転車で引いてしまった。 小説家だというその男は右手を骨折してしまったので、そのお詫びとして口述記述をすることとなる。それ故、下宿屋に間借りもすることになった。 芥と名乗るその小説家の目のホクロをみて気が付いた。 5歳の時に両親の離婚によって離ればなれになった、弟であることを。 なぜ彼は本名をかくし、わざわざ下宿屋にはいりこんできたのだろう? 下宿屋には、他にも PMSの酷い美寿々、 テレビマンで昼夜問わず働いている隼人、 花屋につとめて、病弱な一悟のためにハーブティをいれてくれる青子 という、個性的でなにやら色々ありそうな面々が住んでいる。 だが芥が入り込んできたことにより、その秘めたる部分がみえてきて・・・?! って話です。 何が怖いってここにあるのは「愛」とか「好意」なんだよね。 本来プラスになるそれが、ちょっと間違ったら「えぇ?!」ってことになり、 それが重なると、大きな事件や事故に発展してしまう。 やっぱ人間一方的に重い「愛」だけじゃゆがんでしまうのかしらね? 逆にいうと、 芥が一悟の前に現れた理由が最後にわかるんだけど、 ちょっと悲しかったな。 文庫本にはあとがきのあとに、後日談が加筆されています。 ほら、漫画で本文終わったあとにある、おまけ書下ろしみたいなやつ。 こちらもちょっとほろ苦い・・っていか、ほろ怖い感じがしてすきでした。

Posted byブクログ

2021/07/24

 本屋大賞受賞作『流浪の月』から辿って買った小説。もともとキャラクター小説を売り出すレーベル(富士見L文庫というらしい)で出ていただけあり、『流浪~』よりもキャラが立っており、様々な重い設定のオードブル。  現実世界では家族でもない限りここまで感情のド直球ぶつけ合いはそうそうし...

 本屋大賞受賞作『流浪の月』から辿って買った小説。もともとキャラクター小説を売り出すレーベル(富士見L文庫というらしい)で出ていただけあり、『流浪~』よりもキャラが立っており、様々な重い設定のオードブル。  現実世界では家族でもない限りここまで感情のド直球ぶつけ合いはそうそうしないだろうけど、どこかに疵があり、壊れてしまった人はどんどん崩れてゆく。  誰にでも表の顔と裏の顔がある。そんなことは当たり前で、それを表だ裏だと峻別せずにうまく現実に落とし込んでゆく。それが大人になるということなのだろう。

Posted byブクログ

2021/07/24

話が進むにつれてじんわり感情の矛盾した深い部分が露わになってくる、凪良さんの作品の自分の好きな部分がまた一つわかった。 あとがきで、「不可解な感情について書いている」と凪良さんが自身で書いているけれど、そういう解決できない、正解がない、いや正解があるかもしれないけどそれを選べない...

話が進むにつれてじんわり感情の矛盾した深い部分が露わになってくる、凪良さんの作品の自分の好きな部分がまた一つわかった。 あとがきで、「不可解な感情について書いている」と凪良さんが自身で書いているけれど、そういう解決できない、正解がない、いや正解があるかもしれないけどそれを選べない矛盾とか、そういう部分が嫌な感じなく入ってくる。 やっぱり事実だけを見ると「こっちが悪い」って思うけど、当事者の中ではそんな綺麗に線引きできないことだらけ。 そして家族だから、親だから、愛があって当然という考えが多くあって、故に深い部分で複雑に絡み合う、だから親族間の事件が多い。私だって感じたことのある家族内の「差」は蓋をしてきたことに気づいた。 たくさん考えることが出てくるけど、また新たな豊かさを知ることができたと思う。すごい。

Posted byブクログ

2021/07/21

ほのぼのとしたすみれ荘なのかと思いきや、だんだんダークな雰囲気に…. 人はいろんな顔を持っていて、自分の知っている顔だけではないということを改めて思い知らされました。

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2021/07/12

すみれ荘の管理人は虚弱体質。 同居する曲者メンバーに曲者弟も加わる。 やがて虚弱体質の理由も分かり、家族として混沌ぶりも見えてくる。 最後の方にある「理想が行き過ぎれば現実が居場所を無くす」に深く同意。 この家族の現実もまた一つの家族の形なんだね。

Posted byブクログ

2021/07/12

一気読みでした。 そして続けてもう一度、今度はより心情に深く溶け込みながら読んでいこうとしている最中です。 人と付き合っていく上で、他人に対して印象が変わっていくことが度々あります。 いい所が見えて好きになったり、逆に悪い所が見えて嫌になったり。 だけどやっぱり簡単に手に入る情...

一気読みでした。 そして続けてもう一度、今度はより心情に深く溶け込みながら読んでいこうとしている最中です。 人と付き合っていく上で、他人に対して印象が変わっていくことが度々あります。 いい所が見えて好きになったり、逆に悪い所が見えて嫌になったり。 だけどやっぱり簡単に手に入る情報よりも、そこにいきつくまでの"事情"の方が大事なものがたくさんあるとおもいました。 正しいとか間違ってるとかじゃなく、愛は愛として受け入れたい。自分と違うものを"そうなんだね"とありのまま受け入れられるようになれたらいいなとあらためて思いました。

Posted byブクログ

2021/07/06
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

 単行本を既読済みで、単行本未収録の短編目当てで再読。 「表面張力」はタイトル通り、少しでも気を抜くと溢れてしまう、少し危うい感じがでてるなぁ、と。一悟と央ニは出てますが、脇役かな。   本編ほど棘はないけれど、心の裏側が何とも言えなかったです。

Posted byブクログ

2021/07/06

凪良ゆうさんの小説は毎回一気読みしてしまう。今回も。やっぱり面白かった。 連作短編集で物語を通してすみれ荘の管理人(代理?)の一悟目線で進む。 話毎にメインの人物がいて、それは入居者だったり一悟の家族だったり。当たり前だけれどみんな表の顔と裏の顔を持っている。中にはかなりヤバい裏...

凪良ゆうさんの小説は毎回一気読みしてしまう。今回も。やっぱり面白かった。 連作短編集で物語を通してすみれ荘の管理人(代理?)の一悟目線で進む。 話毎にメインの人物がいて、それは入居者だったり一悟の家族だったり。当たり前だけれどみんな表の顔と裏の顔を持っている。中にはかなりヤバい裏の顔を持つ登場人物もいるけれど、それでもみんな生きていく。少しミステリ要素も入っていて、そこも面白かったです。 最後にその後の話が短く載っていましたが、出来ればもっとその後の彼らを見てみたいな。

Posted byブクログ

2021/07/04

前半のほのぼの空気から一変して人間の二面性がむき出しになる後半はある意味サスペンス。これだから凪良ゆう先生の作品は好き。ただ前半平和すぎてちょっともたついた感があったから星4つ。

Posted byブクログ

2021/07/01

富士見L文庫のほうで読む。 シェアハウスものといっても、ほのぼの系ではない。みんな病んでいて、現実と地続きの世界が描かれている。他人との距離感がうまくとれることが「大人」の条件の一つだと思っているのだが、それはなかなかに難しい。

Posted byブクログ