めぐりんと私。 の商品レビュー
「本バスめぐりん。」の続編 種川市の市立中央図書館の移動図書館「めぐりん号」の運転手の「テルさん」こと照岡久志と相方の司書の「ウメちゃん」こと梅園菜緒子が主人公だったが、本書は「めぐりんと私。」というタイトルが示すとおり、移動図書館に本を借りに来る人たちや同僚の視点で描かれている...
「本バスめぐりん。」の続編 種川市の市立中央図書館の移動図書館「めぐりん号」の運転手の「テルさん」こと照岡久志と相方の司書の「ウメちゃん」こと梅園菜緒子が主人公だったが、本書は「めぐりんと私。」というタイトルが示すとおり、移動図書館に本を借りに来る人たちや同僚の視点で描かれている 前作と対になっている構成だから読んでて、より心に響くものが大きかった ・本は峠を越えて 大和市から不本意に種川市に引っ越してきた初老の女性の永山節子が主人公 おもいがけない「めぐりん号」との出会いを通して自身の半生と本との関わりが描かれる ・昼下がりの見つけもの 27歳の中途退職して求職に向けて資格取得中の勝又裕也が主人公 実家で小学生の時に紛失した図書館の本を見つける 父に返却を頼んだのになぜか無くなっていた その真実は ・リボン、レース、ときどきミステリ 派遣社員の楠田佳菜恵は人形の衣装作りが趣味で人付き合いは苦手 オフィス街のステーションでめぐりん号から実用書や軽い読み物を借りる日常 あるきっかけで派遣先の営業社員の桐原から読書好きと見込まれて声をかけられ、交流が始まる 桐原からはかなりの読書好きと思われ戸惑うが ・団地ラプンツェル 妻を亡くして少し元気のない初老の前川政司は偶然団地のステーションで旧友の久地大悟に出くわす 次回の移動図書館の日に再会を約束するが大悟は現れない、がっかりする政司の前に小学生の宮崎智也と田中綸太郎が大悟の部屋を教えてくれる その理由は急に引っ越してしまった友達の潤くんの行方捜しが絡んでいた ・未来に向かって 種川市図書館のサービス課職員でめぐりん号担当の速水典子が主人公 迂余曲折を経てやっと念願の図書館の正規採用職員となった典子は司書になるきっかけとなった故郷の移動図書館「ほんまる」の廃止と担当の三ツ木進さんのことに思いを馳せる 前作と同様、最終章にこれまでの登場人物がさりげなく登場する 「ほんまる」の行方は少子高齢化や過疎化が進む日本中の公共サービスの在り方に一石を投じる
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うちの近所にも本バス来てほしいなーと思わずにはいられない本。というか自分が本バス乗りたい。 リボン、レース、ときどきミステリが一番よかった。佳菜恵さん好感持てる。 本好き=めっちゃ小説読む本の虫という周りからの認識はなんなのか。例えばゲーム好きと言うと根っからのゲーマーから嗜む程...
うちの近所にも本バス来てほしいなーと思わずにはいられない本。というか自分が本バス乗りたい。 リボン、レース、ときどきミステリが一番よかった。佳菜恵さん好感持てる。 本好き=めっちゃ小説読む本の虫という周りからの認識はなんなのか。例えばゲーム好きと言うと根っからのゲーマーから嗜む程度まで程度の差があるのはちゃんと認識されている。だが読書が趣味となるとなぜか凄く読む人、真面目という認識。腑に落ちない。分かる分かると思いながら読んだ。 あと昼下がりの見つけもの。図書館の本をなんだと思っているのかと問い質したい。
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本バスめぐりん。続編。 今回もほっこり。 まだまだこれからも、めぐりんを取り巻くひとたちの本とのエピソード読みたいな。
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読者は孤独な趣味だと思っていたけれど、本を愛し行動することは人と分かち合いながらできるのだ。 繋がりと広がりを強く感じさせてくれるシリーズ。 ミステリーと呼ぶにはささやかすぎるけれどここまで物語の邪魔をしない謎解きは他に無い気がする。
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『本バスめぐりん。』の続編 めぐりん号の利用者たちが主人公の短編5編 老婦人が引越してきた理由 家の天袋に隠された18年前の貸出本の謎 会社総務部の女の子が営業部男子から声をかけられた理由 爺さん2人と小学生2人が行方不明の友達探し 移動図書館の将来…
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『本バスめぐりん。』の続編。 今回もちょっとハラハラ、でもホッとする話ばかりで楽しく読めた。 「本は峠をこえて」 終戦直後に移動図書館(当時は『自動車文庫』と呼ばれていたらしい)があったのが感慨深い。この話の主人公・節子にとっての本は人生を切り開く第一歩であり、挫折の折も寄り添...
『本バスめぐりん。』の続編。 今回もちょっとハラハラ、でもホッとする話ばかりで楽しく読めた。 「本は峠をこえて」 終戦直後に移動図書館(当時は『自動車文庫』と呼ばれていたらしい)があったのが感慨深い。この話の主人公・節子にとっての本は人生を切り開く第一歩であり、挫折の折も寄り添い転機のきっかけにもなっていた。 読書に興味のない夫が懸命に考えた愛情の証、素敵だった。 「昼下がりの見つけもの」 子供のころに失くして両親が弁償したはずの図書館本が突然見つかる…といういかにも大崎さん作品らしい謎。 しかしその真相はけっこう苦い。というより、こういうことに大切な本を利用するなと言いたい。 横道に逸れるが、松尾由美さんの『安楽椅子探偵アーチー』が出てきて懐かしかった。 「リボン、レース、ときどきミステリ」 本が好き、と言ってもその好みはそれぞれ。私のように小説が好きな人間もいれば、趣味の本、雑誌、写真集や画集、あるいは解説本などが好きだという方もいるだろう。 異性から本が好き=小説、特にミステリ好きと思われてしまって否定できず、ミステリ作品に挑戦しようとする佳菜恵が可愛い。 『十角館の殺人』『ツナグ』『屍人荘の殺人』『ジェリーフィッシュは凍らない』が出てきてニヤリとしてしまう。 「団地ラプンツェル」 作中一番好きな話だった。突然引っ越ししてしまった少年が残した謎めいたメッセージ。それを元に少年の行方を捜す友人の二人と、幼馴染の高齢者男性二人の即席探偵団。 こんな凝ったメッセージを残すなんて、かなりおませな少年なのかと思うけれど、年齢差のある探偵団はきちんと答えを導き出した。 これもまた本バス<めぐりん号>と本が繋ぐ縁。 「未来に向かって」 大崎さんの作品でよく提示される、業界の危機。特に税金を使う公的図書館は、中でも移動図書館は真っ先に標的にされるのだろう。 <めぐりん号>のサポート職員・典子が司書になるきっかけを与えた丸山市の移動図書館<ほんまる号>廃止の衝撃のニュース。しかし典子にそのきっかけを与えた<ほんまる号>の当時の職員は諦めていなかった。 本や本バスが繋ぐ縁の話ではあるが、そこには必ず人がいる。一見のんびりしていそうなテルさんが探偵役というのも面白い。亀の甲より年の功とは言うものの、テルさんは踏み込むべきところ引くところをよく知っている。ウメちゃんの素直さ率直さも心地いい。
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あちこちの図書館を利用できる生活は大変ありがたいけれど、移動図書館を楽しみに待つ体験も貴重だと思わされる。その場でのコミュニケーションも楽しそうと思いつつも、自分だったらその楽しそうな輪に入れずにささっと借りて帰るだろうけど。
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図書館が近くになかったので、小学生の頃ずっと移動図書館を利用してた。図書館に行くようになったのは大学生になってからかも。
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移動図書館=本バスめぐりんと、司書、利用者のちょっとした謎解きと日常。 本のある暮らし。 続編。 前作に続き、ほのぼのとしていてよかった。 移動図書館は利用したことないなぁと、今更気づく。 子どもたちは保育園に移動図書館が来ていたなぁ。 将来、車運転しなくなったら便利かも、でもそ...
移動図書館=本バスめぐりんと、司書、利用者のちょっとした謎解きと日常。 本のある暮らし。 続編。 前作に続き、ほのぼのとしていてよかった。 移動図書館は利用したことないなぁと、今更気づく。 子どもたちは保育園に移動図書館が来ていたなぁ。 将来、車運転しなくなったら便利かも、でもそうなると目が読書に耐えれないかも…うひー
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本文より、 「1冊の本から宇宙旅行までできる!」 まさにそうだと思う。 今では、スマホタブレットで指一本でどこまででも行けるが、 活字を読んで色々と想像をめぐらせる、それもいいんじゃない⁈ 移動図書館。 私自身は巡り合ったことはないが、 ここにも存続の危機が! 税収が減ると予算...
本文より、 「1冊の本から宇宙旅行までできる!」 まさにそうだと思う。 今では、スマホタブレットで指一本でどこまででも行けるが、 活字を読んで色々と想像をめぐらせる、それもいいんじゃない⁈ 移動図書館。 私自身は巡り合ったことはないが、 ここにも存続の危機が! 税収が減ると予算も減る。 必要としている人々がいるのに、切り離されていく。 移動図書館を運営するにどれだけの費用がかかるんだろう?
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