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無暁の鈴 の商品レビュー

3.9

18件のお客様レビュー

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2024/06/16

挫折に次ぐ挫折で、最後は1000日回峰を達成し上人となったが、更なる高みを目指して即身仏となった無暁の物語。全編を通して重い内容が続く。 宇都宮藩の重役の家に庶子として生まれ、本妻と兄弟に虐められ、10歳で寺に預けられる。寺でも武家と覚えの良いので、先輩達から虐められ、13歳で出...

挫折に次ぐ挫折で、最後は1000日回峰を達成し上人となったが、更なる高みを目指して即身仏となった無暁の物語。全編を通して重い内容が続く。 宇都宮藩の重役の家に庶子として生まれ、本妻と兄弟に虐められ、10歳で寺に預けられる。寺でも武家と覚えの良いので、先輩達から虐められ、13歳で出奔する。この時、無暁と名乗る。同い年の友達ができて、二人で江戸へ。ひょんなことから二人でヤクザの家に厄介となる。この友人が無暁を助けた事で殺され、仇討ちで多勢を殺し八丈島に島流し。艱難辛苦の島暮らし。更生した事で亡き父親の手配りで20年間の島暮らしを脱する。 多勢の亡くなった人々を弔いながら、出羽三山での修験道。50歳の無暁には肉体的にも厳しい修行で辛い。 何故修行するのか、何が真理なのか、即身仏となるため入定塚の中で、今だに生きている証の鈴の音が鳴り響く。最後に生きることに未練が出て苦しむ無暁が悲しい。

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2024/04/15

重い。それでも、このような人生があったのだなと思える。江戸時代の江戸以外の様子が描かれている。八丈島への島流し、そこでの生活など考えたこともなかった。最後の鈴の音(ね)。文字よりも耳に残った。

Posted byブクログ

2023/12/31

読書中。途中で気が付きました。「隠居すごろく」の作者でした。あの話は面白かった。「善人長屋」はテレビドラマで観てました。なら、きっと面白いはず。  この話は結構ドロドロしています。あまり好きな展開じゃないけど、半分ほど読んでからかなり興味がわいてきました。後半楽しみです。では、ま...

読書中。途中で気が付きました。「隠居すごろく」の作者でした。あの話は面白かった。「善人長屋」はテレビドラマで観てました。なら、きっと面白いはず。  この話は結構ドロドロしています。あまり好きな展開じゃないけど、半分ほど読んでからかなり興味がわいてきました。後半楽しみです。では、またあとで。  ここからネタバレです。  ところが、島を出て修行するようになってからの文面がまるで、お寺や修行僧の解説のようになってやたらこまごま仔細に入り、物語を形作るにそこまで細かなことまで解説する必要があるのかとうんざりしてきた。これは作者の独りよがり自己満足ではないかと思ってしまう。  読者が読みたいのはそんなちまちましたことではないのでは?もちろんある程度の描写は必要ではあるが少し度を過ぎているように思う。読んでいて苦痛で仕方がないl。  すでに8割がたを読み終えている。あと80頁を残すのみ。ここでやめるのもしゃくだし。これはえらい余計なものを手にとってしまった。ほかに読みたい本がごまんとあるのに。でも、もう少し我慢して読みます。ハイ。  苦行の読書を無事終えました。何かぎくしゃくした感じが否めません。ストーリーが走らないというか走らないにしても歩みが進まないというか。  いろんな文献を参考にして書いているからストーリーが息づかないでいるのではないかと思います。難しいことをわかりやすく話したりかいたりできることが一つの才能だとよく言われますが、その辺すっきりさせれば、このいい話も活かされるのにと思います。  ただ、ほかの読者さんはこういった意見が皆無なので、私だけが、理解不足でこの本を読みきれなくてうだうだ言っているだけのことかもしれません。  

Posted byブクログ

2023/10/23

分厚いので身構えたけど3日で終えた。いやあ重い終わり方だった、無暁の半生だけど簡単ではない、とても真似出来ない正解とも思えない、ただ無暁が自分から選んだという事実だけである。即仏心の事は知っているけど千日行がその為のものとは知らなかった。その先にあるのが即仏心で、その為に修行に耐...

分厚いので身構えたけど3日で終えた。いやあ重い終わり方だった、無暁の半生だけど簡単ではない、とても真似出来ない正解とも思えない、ただ無暁が自分から選んだという事実だけである。即仏心の事は知っているけど千日行がその為のものとは知らなかった。その先にあるのが即仏心で、その為に修行に耐えることが出来るのか?蓋を閉める暗闇で鈴を鳴らす、嫌だ死にたくないが本心だった、いやそうなるよ、干物の様に海水掛けられて。小坊主3年から江戸の生活に末吉にしのに、島生活に、繋がるのかと、辛い。見て来た様に書く西條奈加さんは流石

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2023/04/01

西條さんの作品にしては予想以上に重い内容でした。 八丈島の流人生活を具体的に長期間にわたって描いている小説を初めてだったのでかなり興味深く読みましたが、最後は本当に即身仏まで突き進んでしまうとは、、

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2023/01/02
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

間違って購入してしまったので仕方なく読み始めたら、そんなに悪くはなかった。けど、また江戸~昭和の話で飢饉ですかー、貧乏ですかー、いじめですかというおなかいっぱい感は否めない。 島流し編はまあまあよかった。貧乏だけど村の人にも認めてもらえて、明るい部分があった。お父さんにも受け入れられたし。でもその後の修行僧編はよくわからなかった。即身仏ってありがたいの??宗教がわからないと理解できないのか?キリストと同じ?自分の苦しみを彼が代わって受けてくれるという考え方がよくわからない。 ちょっと貧乏な話は今ダメだわ。生きる気持ちが萎えてしまう。

Posted byブクログ

2022/11/15

生とは何か、 死とは何か、 信仰とは何か、 真摯に向き合う無暁の姿は、時として読み手である自分に跳ね返る。 ーお前はどうなのだ? と。 人生に迷いを感じている時だったので、問答するように読む。

Posted byブクログ

2022/09/24
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

主人公無暁の波瀾万丈の人生。激しい浮き沈みの中で、彼の心の中には、現実に反発する一方、人生への諦めを感じる。 厳しい人生の中、弱い者への温かい視線を感じる。 退廃した宗教に失望しつつ、もう一度、自分の身を削って信仰に身を捧げる求道者の姿を見た。 江戸時代の八丈島の暮らしや、出羽国の山伏や即身是仏といったなかなか知ることのできない史実も、とても興味深いものだった。

Posted byブクログ

2022/05/30

武士の息子から寺の小坊主 出奔して江戸でヤクザ 罪を犯して八丈島へ流刑 その後、主人公が選んだ道は・・・ とにかく重くつらい内容 己を見つめ仏の道に進むには あまりにも純粋な主人公が最後に選んだ道が 凄まじく厳しく心を打たれます

Posted byブクログ

2022/05/04

良かったかな・・・主人公の一生の話でした。そうか、行き着くところはそこだったのかとちょっと驚くような展開ではあったけど、そういう生き方もありかと思った。 出会いに焦点があったような内容だと思った。

Posted byブクログ