百貨の魔法 の商品レビュー
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桜風堂~の銀河堂書店がテナントに入る星野百貨店のお話。リンクものが出てくるかな?という期待は裏切られたけれど、ステキな物語だった。 コンシェルジュの結子さん、子供時代に百貨店の(影の?)アイドルであった鷹城夫妻のお話は、色んな人をもまきこんですごいお話になってて涙、涙。。。 時計と宝飾品のフロア責任者佐藤さんのお話もよかった。(あ、彼は桜風堂~に出てきたよね??) 百貨店か~。田舎者には縁がなかった場所だから、そこでのステキな思い出をもつ子供たちがうらやましい(^^) これからも結子さんと共に!!
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華々しい時代を終えて、今は傾きつつあるとある百貨店の話。 なんとなく百貨店ってちゃんとした格好でいかないと行けない格式ばった場所、みたいなイメージがあるかなと思うんですけれど。 そういった雰囲気も出しつつ、とてもホスピタリティの溢れた、なんでも揃う魔法が溢れた場所として描かれて...
華々しい時代を終えて、今は傾きつつあるとある百貨店の話。 なんとなく百貨店ってちゃんとした格好でいかないと行けない格式ばった場所、みたいなイメージがあるかなと思うんですけれど。 そういった雰囲気も出しつつ、とてもホスピタリティの溢れた、なんでも揃う魔法が溢れた場所として描かれているのが素敵。 すごく大きな事件が起こるわけではない。けれど確かにみんなが前向きになっていく物語。ひとりひとりの行動の積み重ねが物事を動かして、奇跡を生んでいく過程が美しい。 その中心にいる、芹沢結子という謎めいたコンシェルジュの存在がまたいい。 「人間はね、夢を見たい生き物なの。辛い日々にあっても、欠片でもいい、明日を信じるための要素が――奇跡の欠片のような物があれば、未来を信じていけるのよ」 本棚にお守りのようにして置いておきたい、そんな素敵な本でした。
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ノスタルジックというか古色蒼然というか、後ろばっかり見ているお話だなぁ。星野百貨店が陽炎みたいなコンシェルジュと一緒に記憶の彼方に儚く消えていく未来しか思い浮かばなくって辛い。
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多少のファンタジー要素はあったけど、グッと引き込まれる話や、登場人物の背景と星野百貨店との繋がりもしっかり描かれていて、読み応えがあった。 私も商業施設の運営をやっていた身。今はその建物すらなくなってしまったが、自分が働いていた頃のことを色々思い出しながら読んだ。 本作、村山...
多少のファンタジー要素はあったけど、グッと引き込まれる話や、登場人物の背景と星野百貨店との繋がりもしっかり描かれていて、読み応えがあった。 私も商業施設の運営をやっていた身。今はその建物すらなくなってしまったが、自分が働いていた頃のことを色々思い出しながら読んだ。 本作、村山さんご自身による取材と、想像力で書かれた作品とのこと。あとがきを読んで、百貨店業界が窮地に立たされているその事実にもしっかり言及されていて、なぜかそんなところで涙してしまった。悲しいことに、実店舗では物が売れない時代が到来してしまった。 ネットショッピングが悪いとは言わないし、私も頻繁に利用している。 でも、こうやって生身の人間のやり取りが少なくなったことや、星野百貨店の従業員たちがみせる目配り・気配りがなくなっていくのは、やっぱり淋しい気もする。 こういったホスピタリティ精神こそ、百貨店に限らず、日本人にあってほしいと願うからかもしれない。 創業者の思い入れ、地域の歴史などが建物の隅々にまで染み渡っている星野百貨店。 姉妹作も読んでみようと思う。
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百貨店と人々の物語に自分の人生を重ねながら読んでいた。昭和世代と平成世代とで印象が変わりそうな本。令和に生まれた子たちも百貨店で素敵な体験ができれば良いと思う。
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世の中の百貨店がみんなこうだったら、今のようにどんどん閉店していくことにはならなかったのかもしれないなぁ。 販売の仕事をしているあたしには、考えさせられる小説でした。
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第一幕 空を泳ぐ鯨ーエレベーターガール 第二幕 シンデレラの階段ー家業を継いだ靴屋の女性 第三幕 夏の木馬ー宝飾品売場の男性 第四幕 精霊の鏡ー資料室の女性 幕間ー星野百貨店創業者 星野誠太郎 終幕 百貨の魔法ーコンシェルジュ芹沢結子、鷹城夫妻、ドアマン ------...
第一幕 空を泳ぐ鯨ーエレベーターガール 第二幕 シンデレラの階段ー家業を継いだ靴屋の女性 第三幕 夏の木馬ー宝飾品売場の男性 第四幕 精霊の鏡ー資料室の女性 幕間ー星野百貨店創業者 星野誠太郎 終幕 百貨の魔法ーコンシェルジュ芹沢結子、鷹城夫妻、ドアマン ------- 全て優しい物語。 私には物足りなかった。 謎っぽいけど謎でもなく、あそことここが繋がって『なるほど』という感じもなく。 『お利口くん』『福の神ちゃん』の登場も特にスパイスに感じなかった。 最後、結子の正体を皆んなに明かすシーンも読んでみたかった。 子供の読書感想文には良い本かもしれない。 映像化したら天井窓のステンドグラスや金色のエレベーター、煌びやかな百貨店の雰囲気を味わえるし心が温まる安心して観られる作品として良いかもしれない。 三人称として『その人』が多用されているのがとても読み辛かった。
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私の年代には、百貨店はキラキラ輝く思い出の沢山詰まった場所でした。昭和の華やかな思い出の中に帰れる心温まる物語。星野百貨店に行ってみたくなります。素敵な物語でした。
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百貨店に関わる人たちの暮らしや考えと、それをめぐって起こる奇跡の話。ファンタジー要素もあるけど、百貨店という場所の魅力など、とても身近に感じられるように書いてあるので、心が温まる。いくつかの話は少し涙腺が緩んだ。
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2023.5.20 読了。 戦後の復興と共に風早の街に創設され街の人々に愛されてきた星野百貨店も時代の波に抗えず閉店の噂が飛び交っていた。願いを叶える猫が住むという不思議な噂を持つ百貨店の創業者の一族やデパートの売り場それぞれの店員が百貨店を愛し守ろうとするファンタジー小説。 ...
2023.5.20 読了。 戦後の復興と共に風早の街に創設され街の人々に愛されてきた星野百貨店も時代の波に抗えず閉店の噂が飛び交っていた。願いを叶える猫が住むという不思議な噂を持つ百貨店の創業者の一族やデパートの売り場それぞれの店員が百貨店を愛し守ろうとするファンタジー小説。 初の村山早紀作品。正確には☆3.7くらい。 「願いを叶える猫が住む百貨店」というあらすじを読んでファンタジー色が強いものかと想像していたが現代日本の百貨店の現状をリアルに折り込み、魔法というキーワードはよく出てくるもののその章ごとの主役たちが少し後向きな思考になった時にちょっと背中を押してくれるきっかけにすぎないという感じで実際は登場人物たち自身が行動し愛する百貨店を良い方向に持っていこうとする姿勢が素敵な物語だと感じた。 裏テーマとしては家族の喪失があるのかなぁ〜と感じたし、夢をみることに頼りすぎ感じた人の家族の悲しみや家族が壊れていく哀しみが描かれていて、ただ願いを叶えてもらって幸せになりました。で、終わらせていないところも好ましかった。 戦後の復興を経験し、皆から愛され街の人々を守っていくという強い想いを持つ創業者や一緒に百貨店を築いた人々や、現在の百貨店を守り続けたいという社員たちのプライドもかっこいいと思える希望の持てる小説だった。
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