複眼人 の商品レビュー
台湾の歴史とか知っていると尚更興味深い一冊。 村上春樹が好きな人なら、ちょっといい感じの印象を持つかも。
Posted by
この小説をどのように評すればよいのだろう。 どこまでかは小説内の現実で、どこかは小説内の神話や童話で、どこかはたぶん小説内の登場人物の空想であったりする。 海や森、環境問題に台湾の先住民、息子を亡くした1人の母だったり、そしてワヨワヨ人に複眼人。 それぞれの領域に属する事柄が、...
この小説をどのように評すればよいのだろう。 どこまでかは小説内の現実で、どこかは小説内の神話や童話で、どこかはたぶん小説内の登場人物の空想であったりする。 海や森、環境問題に台湾の先住民、息子を亡くした1人の母だったり、そしてワヨワヨ人に複眼人。 それぞれの領域に属する事柄が、押し寄せるゴミの渦のごとく、境界を越え出会い、時に混ざり合う。 そうやって混ざり合ったものの深みから、浮かび上がることで救われる何かがきっとある。 個人個人の苦難を克服するために、少しずつ記憶は形を変えていく。物語られていく。
Posted by