まんが やってみたくなるオープンダイアローグ の商品レビュー
オープンダイアローグとは、精神療法のひとつだそうだ。その入門書(まんが)である本だが、そうとは知らず読んでしまった。私は著者の想定した読者ではなかったかもしれないが、これから小学生になる子の親として、老いていく親の子として、もはや若手でもない会社員として、そうでなくとも人として、...
オープンダイアローグとは、精神療法のひとつだそうだ。その入門書(まんが)である本だが、そうとは知らず読んでしまった。私は著者の想定した読者ではなかったかもしれないが、これから小学生になる子の親として、老いていく親の子として、もはや若手でもない会社員として、そうでなくとも人として、覚えておきたい心構えみたいなものをいくつか受け取ったのでメモ。 ・「治療」や「解決」や「結論」を求めず、そして「ノープラン」で、ただただ「対話を続ける」ために「対話」をすることが肝要。相手や状況を変えようと思ったり、アドバイスしようと思ったりしてはいけない。「対話さえしていればどうにかなる」「おまけのように良い変化が訪れたらラッキー」の精神で、他愛ない話でいいから「対話」を続ける。 ・「否定や批判をせずに人の話を聞く」というのは、ただ同調したり共感を示したりすることではない(もちろん本当に共感したなら、それを示すのは構わない)。「話し手の主観の世界」を理解しようと努めること。そして、それとは異なる自分の意見を述べるときには、それが「説得」や「否定」となることなく「主観と主観の交換」となるように気を付ける。「私なんかダメだ」に対し「そんなことないよ!」ではなく「私から見たらあなたってステキだけどね」なら良い。とか。 ・「リフレクティング(治療者チームが、患者やその家族の前で、患者の発言についての感想の交換や治療方針についての話し合いを行い、それを患者に見せる手法)」というのが風変わりではじめはちょっと飲み込みにくかったが、これも大事なところという気がする。子育てで言えば、なにか子供の教育に関する話し合いを本人に聞かせず親だけでして、親だけで納得した結論を子どもにこの世の真理のように伝えるのではなく、むしろ親もいろんな価値観や可能性を天秤にかけて迷っている存在なのだというところを包み隠さず見せた方がいいのかもしれない。子(患者)も交えて一緒に話し合う、というのともまた違うっぽい。 …てことで、すべてこのように実践するぞ!というわけじゃないにしても、頭に入れておきたいと思った。
Posted by