かがみの孤城(下) の商品レビュー

辻村深月(著者)

2023/07/20

p.129 彼らの世界で、悪いのは心。どれだけ心の立場が弱くても、弱いからこそ、強い人たちは何も後ろ暗いところがないから、堂々と心を責める。学校にも来ないし、先生に意見も言わない人間は何を考えているかわからない、理解しなくていい存在だから。

馬鹿にされている気がする、と言う園田美織が使った言葉が、心の頭の真ん中をぐらぐら揺らす。当たり前じゃないかと思う。あんな、自分の恋愛のことだけで、頭がいっぱいな子、馬鹿みたいに思って当然じゃないか。レベル低く思って、当然じゃないか。

私はあの子に時間奪われたんだ、と思う。学校に行けるはずだった時間。部活に入って、授業を受ける時間。うーっと短い息が出て、歯を食いしばる。なんであんな人たちが、自分たちが世界の中心みたいな顔をして、ずっと学校の真ん中にいるんだろうと思うと、髪を掻きむしりたくなってくる。

2023/07/10

下巻なので伏線回収のラッシュ。それぞれの抱える過去も明らかになるけど、断片的なのは記憶が飛び込んできている状態だからなのかね。
思春期の自分に寄り添ってくれる人がいることのありがたみがヒシヒシと伝わる。

2023/07/07

文庫で上下ぶっ通しで。
伏線の回収は面白かったけど、スバルとアキに関しては現実世界での接点が分からないままだった。

2023/07/04

繊細な思春期においてこころの支えとなる人、相談できる人の存在がいかに必要か身に染みた。怒涛の伏線回収もさすがすぎる。

2023/06/28

仕事早く帰って下を早く読みたい！って気持ちになるほどにひきこまれ、ワクワクし、ドキドキし、感動した。
中学生が主人公だけど、大人が読んでも色々と考えさせられた。様々な意味で「宝」探しをしているような気持ちになった。
映画化されたものは、原作を読んで自分の中でできていたイメージとかけ離れていて違和感があって残念だった。やはり読書という形で、自分で世界を創造するのが好きだし、そんな自分にぴったりな表現、世界観だった。

2023/07/03

肝心のミステリーの部分が序盤に予想できてしまい、わざとではないかしらと思うほどその謎に気付かない登場人物たちにやきもきする。
クライマックスにおいても想像通りの展開と結末に無表情で読了。
オッサンが読んでいるのだから致し方なし。

某名前忘れ系映画にインスピレーションを得ていることは間違い無い。

それはさておき、若い人にはお薦めできる本書。
基本的に知能の低い人間は、自分のエゴイズムを他人に押し付け、それを強制させようとする。
ある程度権力を持つ者やヒエラルキーの上と勘違いしている者たちは特に顕著である。
人生においては、そんな知能の低い者とは闘わなくてもよい場面も多々あると気付くことができれば、救われる人もいるのではないだろうか。
支配されることほど恐ろしく、滑稽なものはない。

2023/06/25

鏡の中に出会った7人は現実世界に落ち合おうとするも何故か会うことができなかった。
実は平行世界？こころは会えなかった理由を探る。物語は終盤に差し掛かり、実は7人が生きていた時代が異なることがわかる。
また終盤になりオオカミの正体、その後の話もわかるようになる。

2023/06/22

初めての辻村深月作品｡辛い部分もあったけれどお話に惹き込まれました｡腹が立ったり悲しくなったり､嬉しくなったり安心したり……様々な感情に心が揺れました｡辛い時に手を差し伸べてくれる味方はいてほしいものです。

2023/06/21

ありえないと思うストーリーなのにいつのまにか引き込まれてしまう世界観でした。
一体どのような人選で選ばれた子供たちなのか…
微妙にすれ違う会話。

なぜなのか。
最後にしっかり伏線回収。
未来を想像させる素晴らしい終わり方でした！

映画も素晴らしかったです！

2023/06/21

怒涛の勢いで一気に読んでしまった
途中のミスリードはあまり上手くなく「違う、そうじゃないだろ」感はあるものの、さらにその先にも明かされるカラクリがあるので何度も驚かされながら読める。
久しぶりにのめり込んで読めて楽しかった。

【ネタバレ】
やっぱ主人公とリオンだけ同じ年代なのの理由はちょっと弱いよ
少女漫画的作為が否めませんね