かがみの孤城(上) の商品レビュー
デビュー作の「冷たい校舎の時は止まる」に匹敵する力作(作者の熱量を感じる作品)ではないでしょうか? 加えて、デビュー当時よりも作家としての力量もあがっているため、とてもよくまとまっています。 本屋大賞受賞も納得です。 過去の辻村作品の特性から、ストーリー中の謎解きのヒントとな...
デビュー作の「冷たい校舎の時は止まる」に匹敵する力作(作者の熱量を感じる作品)ではないでしょうか? 加えて、デビュー当時よりも作家としての力量もあがっているため、とてもよくまとまっています。 本屋大賞受賞も納得です。 過去の辻村作品の特性から、ストーリー中の謎解きのヒントとなるアイテム・キーワードを拾いながら読み進めましたが、幾層にも重なった謎のうち、解けたのは一部でした。 (わかったのは、時間の違い と ある子と別の子が現実世界で遭遇している点ぐらいかな…) 「冷たい校舎…」の登場人物について、 後に「ロードムービー」、「光待つ場所へ」などのスピンオフ作品が書かれたように、 本作品の登場人物のその後も書いてもらいたいです。
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読んでいてちょっと辛くなる状況を構築しつつ,なるべく現実ではなく鏡の向こう側の世界を中心に物語の布石が打たれていく.少しずつ変化する心の距離を丁寧な筆致で描き,後半につなげる.
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書店に行ったら平積されていたので買った。 数年前に色んな賞を貰っていた気がして読んでみたいなぁと思っていた。 辻村深月さんの本は『ツナグ』『氷のくじら』を読んだことがあり興味があった。 本作は物語に重力がある。 学校に行けない子供達は何故学校に行けないのか? それは、どんな秘...
書店に行ったら平積されていたので買った。 数年前に色んな賞を貰っていた気がして読んでみたいなぁと思っていた。 辻村深月さんの本は『ツナグ』『氷のくじら』を読んだことがあり興味があった。 本作は物語に重力がある。 学校に行けない子供達は何故学校に行けないのか? それは、どんな秘密なのか? かがみの孤城ってなんなのか? オオカミ様は何? 七人の子供の間に繋がっていく絆の行方は? オオカミの遠吠えはチェーホフの銃? 物語の仕掛け・・・? いずれにしても下巻が楽しみです! 学校に行けなくなった主人公の『こころ』は中学一年生。ある日、自分の部屋にいると姿見の鏡が光りだして触れてみると鏡の世界に引き摺り込まれる? そこにはオオカミの頭を持つ少女と城のような建物が!? 『こころ』と同じような境遇の子供達が七人が集められ、城に隠された鍵と部屋を見つければ、どんな願いも叶うとオオカミの少女に告げられる? 信じられるのは誰か?人を欺き誰の手に鍵が渡るのか!そして、願いを叶える代償は・・・ そんな殺伐とした物語ではありません。 少し不思議な物語・・・
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中学校入学当初から学校に通えなくなった少女が、心に押し込んだ重荷を両親にも話せず、自身の心と身体に起きる変調に苦悶しながら引きこもっている。最初は重い小説を買って読み始めてしまったなぁと後悔しかけたが、ある日、彼女の部屋にある鏡が輝きその中に吸い込まれ、得体の知れない城で、それぞ...
中学校入学当初から学校に通えなくなった少女が、心に押し込んだ重荷を両親にも話せず、自身の心と身体に起きる変調に苦悶しながら引きこもっている。最初は重い小説を買って読み始めてしまったなぁと後悔しかけたが、ある日、彼女の部屋にある鏡が輝きその中に吸い込まれ、得体の知れない城で、それぞれに事情を抱えた少年少女たちと出会う。この辺りから彼らのことが少しずつ明らかになっていくことで、物語に引き込まれた。この謎の城がなんなのか、オオカミの仮面をつけた少女は何者なのか、下巻が楽しみだ。
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待ちに待った文庫化! 発売日にAmazonで予約注文。 中学生のこころは、ある出来事がキッカケで学校へ行かれなくなった。焦る気持ちでドンドン自分を追い詰め、閉じこもってしまう。そこへ突然部屋の鏡が光り、お城の世界へ誘われ…。そこで出会う7人の中学生たち。 ファンタジーから始ま...
待ちに待った文庫化! 発売日にAmazonで予約注文。 中学生のこころは、ある出来事がキッカケで学校へ行かれなくなった。焦る気持ちでドンドン自分を追い詰め、閉じこもってしまう。そこへ突然部屋の鏡が光り、お城の世界へ誘われ…。そこで出会う7人の中学生たち。 ファンタジーから始まった物語は、謎と伏線が張り巡らされていて、辻村深月ワールドへ連れて行かれました。さぁ、伏線の回収と着地は⁈ 下巻へ
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さすが辻村深月先生.期待を裏切らない面白さ.上巻410ページを一気読みです. 舞台は(イケてるメンバーが校舎に閉じ込められる「冷たい校舎の時は止まる」とは真逆で),不登校の子たちの避難場所となる鏡の孤城.物語も,各メンバーからの視点ではなく,主人公の視点だけで語られる.このた...
さすが辻村深月先生.期待を裏切らない面白さ.上巻410ページを一気読みです. 舞台は(イケてるメンバーが校舎に閉じ込められる「冷たい校舎の時は止まる」とは真逆で),不登校の子たちの避難場所となる鏡の孤城.物語も,各メンバーからの視点ではなく,主人公の視点だけで語られる.このため,他の子たちの背景などは初めの内は分からないし,主人公の行動にも歯がゆく感じるところがあるのだけれども,その案配が絶妙で物語に引き込まれる. 下巻もすぐに読みたいのだけれども時間がない.失敗したなー,もう少し時間に余裕のある時に読み始めればよかった.たらたら少しずつ時間をかけて読めばいいやと考えていたのが運の尽き.これ,読み始めたら止まらないよ.
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さすが辻村深月さん!と思わず叫びたくなる作品。 中学生のなんとも言えない、複雑な心の描写が本当にうまい。こんな気持ちあったな、と心の奥底を抉られるような気持ちにすらなる。 言葉の端々にいろんな伏線が隠されていて、きっとこういうことなんだろうな、と想像はできるものの、先が気にな...
さすが辻村深月さん!と思わず叫びたくなる作品。 中学生のなんとも言えない、複雑な心の描写が本当にうまい。こんな気持ちあったな、と心の奥底を抉られるような気持ちにすらなる。 言葉の端々にいろんな伏線が隠されていて、きっとこういうことなんだろうな、と想像はできるものの、先が気になって本を捲る指が止められない。 個人的に辻村深月さんの会話での句読点の使い方が好き。戸惑いながらも勇気を出して言葉を発するこころたちの気持ちが、こちらまで伝わってくる気がする。 さぁ下巻も楽しく読むぞー!
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ようやく文庫化された!!! 舞台も観に行って本当に素敵な作品で、手元に早く置きたいと思ってたから本当に嬉しすぎる!
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
読み始めて、本屋大賞に選ばれるのは当然だなぁと思った。 理由のわからないイジメで学校に行かれなくなったこころ。 フリースクールへ行ってみようと思うが、身体が動かない。 母は苛立ち、家庭内にいることも辛くなった時に、鏡が光り、かがみの孤城に招かれて、一定の期間内に鍵をみつけ、願いの間を開くことができれば、なんでも願いが叶うと言われる。 そこには、こころ以外に同世代の男子と女子が合わせて7人。 こころは秘密の場所で冒険をすることになってしまった。 この冒頭に心惹かれない読書家はいないだろうな。 そして、こころがうけている理不尽な仕打ち。理解力のない教師。クラスの中心人物に擦り寄る同級生。 嫌になる程、されました。 私は幸い、学校の外に自分の世界を既に持っていましたので、頑張れましたが、今も当時のクラスメイトも先生も許してはいません、というか別世界の人ですね。 声かけられても、この人誰? 状態ですし。 (私はそれなりの年齢ですが、当時とあまり変わりがない童顔なので、こちらは覚えていないの声かけられて誰? となる) だから、この社会にいるイジメを受けている子供達に読んで欲しいと切実に思いました。 そういう気持ちが賞に繋がったのだと思います。
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