女ふたり、暮らしています。 の商品レビュー

キム・ハナ(著者),ファン・ソヌ(著者),清水知佐子(訳者)

2022/01/08

時々読書の感想やお互いに本を薦め合う友達に借りて読んだエッセイ。

音楽や文学の趣味が合うので気が合いながらも全く性質の違う2人の同居エッセイ。
凸凹な2人が互いを心からリスペクトし合いながら、でも時々喧嘩もしながら、色んなことを乗り越えて、猫4匹と楽しく暮らしている日常が綴られている。

料理は得意だが片付けや整理整頓が苦手で服をはじめモノをたくさん所持していたソヌと
ミニマリストに近いような精神で少なく持って大事に手入れしながら使い、片付けや整理整頓が得意な時々台所しもべ妖精ドビーになるハナ。

翻訳家さんの腕もあるのだろうが、とにかく2人とも賢く文章がうまい！！サクサク読めるしユーモラスなところはクスッとしてしまう。

私が何よりも読んでいて心地よかったのは、最初にも書いたが、お互いをこれでもかというくらいリスペクトし合っているところ。
私は結婚して夫も子どももいるが、この一緒に暮らす人をちゃんと尊敬し、尊重する姿勢というのは、同性と婚姻関係も恋愛関係もなく暮らしている2人だけでなく、夫や子どもなど家族に対しても大切にすべきことだと思った。

些細な喧嘩から大きな相違からくる問題点を、躓きながらも解決したり折り合いをつけていく2人のそれぞれの考え方に、たくさん学ぶところがあった。

読み返したくなったら自分でも買おうと思う。

2021/12/22

恋愛感情を持った男女2人組以外にも、ハナさん・ソヌさんみたいに、誰かと一緒に暮らす選択肢がもっと広がるといいなぁと思った。

2人+4匹の暮らし方から、「婚姻制度以外にも誰かと一緒に暮らせるんだよ」って、勇気づけられた。

とはいえ、恋人同士でも、家族でも、友人同士でも一緒に生活するとなればもちろんケンカや揉め事はあって…。そこも赤裸々にくすっと笑えるように書かれてて、なんだか素敵だった。

そして日本でも、韓国やフランスのように生活同伴者システムの議論が、本当に進んでほしい…。男女の夫婦以外でも、一緒に暮らす人と税金控除や保険制度、病院付き添いとかできるといいのになぁ。

2021/11/13

誰かとこんな関係性を築いて毎日の暮らしをいっしょに営めるなんて、ほんとにすてきだなぁと思う。最高のライフパートナーでは。
クスッと笑えてしみじみ泣けるエピソードがいっぱい。なににもとらわれずに、自分の気持ちに素直に生きていきたいと思わせてくれる。装丁もすごくかわいい。

2021/11/13

女性2人がこの生活に至るまで、もちろん世の人々と同じように社会の常識に揉まれてきたのだろうけど、そんな苦労を語るような本ではない。
いろんな選択肢を肯定しよう、楽しい人生を追求しようと、この時代に最も大切にして良いと謳われることを、大切にしてみた2人の明るくリアルな体験談。
2軒目の居酒屋で、人生の先輩にただ励まされるような、あったかい感覚。

2021/10/28

くつくつと笑える作品でした。同じアジアにおけるフェミニズムについて考えさせられます。でも、明るくて朗らか。

2021/10/13

家族の形は男と女と子供だけではない。
シングルの気楽さと共同生活の心強さがどちらも手に入る、友人との暮らし最強説

2021/10/12

もうすぐ友人とルームシェアをする予定なので、将来のロールモデルとして、参考になるかと思って読んでみた。
足りないものを補い合うような関係性が良いんだなと思ったし、どんなに仲が良くても大きな喧嘩はするんだろうという心構えにもなった。
わたしと友人も読書が好きなので、お互いに読んだ本の感想を言い合ったり、勧めたり、部屋の中にお互いの蔵書が増えていくのを眺めるのはきっと楽しいだろう。
最後の方にあった『生活同伴者法』というのが気になって調べてみたけれど、日本では検討もされていない法案のようだった。あったらいいのにな。パートナーシップ制度はあるけれど、もっと枠を広げ、友人・知人間でもお互いの任意でお互いを任せられるような法案が、日本にもあったらいいと思った。

2021/09/25

この暮らし方は、キャリアが充実してるイケてる2人だから自信を持ってできるんだよなあ…とやっかんでしまった。

2021/08/18

結婚するのではなく二人の気のあった友人が共同生活する様子をその始まりから日々の全て、良いところも悪いところも赤裸々に語ってとても楽しいし、考えさせられる。それぞれの親との関係も嫁姑問題をクリアして良好だしとても風通しが良さそうだ。写真も沢山あって生活感がリアルに伝わる。
同居人に対する法改正にも最後触れてあり、こういったことが実現されたら本当に素晴らしいと思った。

2021/08/15

友人同士でマンションを購入し、猫と暮らす2人の女性の話。『恋愛関係でも婚姻関係でもない他者との同居（ムールシェアともまた違う）』という形が、とても興味深く、羨ましくもあった。著者２人は、恐らく家族関係は安定しており、経済的に余裕があり、プライベート・友人関係も充実していると言う点ではかなり限られた人（平たく言うと、恵まれている）の話だな、と穿って見てしまったのも否めないが…。
でも、既存にはない新しい“パートナー”との暮らしの形を見せてくれた気がして、自分の未来の選択肢が増えたように思う。
あと、なにより猫たちがとてもかわいい。写真もとてもよい。