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ヴィクトリアン・ホテル の商品レビュー

3.7

75件のお客様レビュー

  1. 5つ

    15

  2. 4つ

    25

  3. 3つ

    28

  4. 2つ

    3

  5. 1つ

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2021/08/03
  • ネタバレ

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「優しさは呪いではありません」 「ただ、社会的道徳や社会的正義を理由にした批判になると、それは創作側の自由と意見を殺しかねません。社会的に許されない表現をしている。つまり、作者の人間性や思想やモラルに問題がある。そういう方程式で作者の人格否定に繋がることが多いからです。」 「時代と共に変わった価値観で、ある日突然攻められるのは結構つらいもので、僕はその是非をよくかんがえます。」 「犯罪行為や迷惑行為をしているのでなければ、それぞれの価値観を尊重して、理解を示すことが多様性と共存、そして寛容ではないでしょうか。」 「純粋な善意や優しさがどっちに転ぶか、そんなことで責任を負わないでください。」 「表に見える中のたった一面で人間性を断じようとした自分の浅慮を恥じた。綺麗なだけで生きてきた人間がどれほどいるだろう。他人に潔癖を求められるほど自分は綺麗だろうか。」

Posted byブクログ

2021/07/21
  • ネタバレ

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図書館で借りたもの。 伝統ある超高級ホテル「ヴィクトリアン・ホテル」は明日、その歴史に幕を下ろす。女優、スリ、作家、老夫婦。それぞれの運命の行方は…。予測不能の一夜を描く。 初読みの作家さん。 それぞれの人物の時代が違うのかな?って思ったけど、けっこう複雑に違くて面白かった。 “百人の中のたった一人でも不快になった時点で、その言動が“誤り”とされる。許されないものとされる。不快だから、という私情でクレームも罵倒も中傷も正当化される。” 優しさに救われる人もいれば傷つく人もいる。 全ての人間に受け入れてもらうなんて、無理なこと。 この本のテーマかな。

Posted byブクログ

2021/07/21

高級ホテルにたまたま宿泊した人々の群像劇。 ただ単に人間ウォッチ物語かと思いきや、 すっごく巧みに練られた構成で面白かった。 途中時間軸に違和感が生じるけど、読みやす過ぎてスイスイ読み進めてしまう。 善意は人によっては簡単に悪意に転じる。 人間の付き合いの難しさ。 用は、みんな...

高級ホテルにたまたま宿泊した人々の群像劇。 ただ単に人間ウォッチ物語かと思いきや、 すっごく巧みに練られた構成で面白かった。 途中時間軸に違和感が生じるけど、読みやす過ぎてスイスイ読み進めてしまう。 善意は人によっては簡単に悪意に転じる。 人間の付き合いの難しさ。 用は、みんな違ってみんないい。(金子みすゞさんの詩は人間と鳥と鈴なんだけど) 同じ人間同士でも色んな人の意見に耳を傾けて反論や意見をするだけでなく、他人に共感する気持ちや受け入れること、理解する努力が必要だということ。

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2021/07/05

初 下村敦史と思いきや、以前 いろいろな作家の短編集「アイアムアヒーロー THE NOVEL」で読んだ作家さんでした。(確か・・・ゾンビが出てきたような・・) 今回の舞台は100年の歴史を持つ高級ホテル「ヴィクトリアン・ホテル」 高級なホテルに集う人たちは セレブばかりだけでは...

初 下村敦史と思いきや、以前 いろいろな作家の短編集「アイアムアヒーロー THE NOVEL」で読んだ作家さんでした。(確か・・・ゾンビが出てきたような・・) 今回の舞台は100年の歴史を持つ高級ホテル「ヴィクトリアン・ホテル」 高級なホテルに集う人たちは セレブばかりだけではなく 様々な悩みや事情を抱えた人間も混じっていた。 借金で心中を考えている夫婦、仕事に悩む女優、一流企業の女たらし、窃盗をした無一文の男、そして小説家・・・ 「同じホテルにいる客」という立場で それぞれが絡み合っていく。 まず 読み始めて 登場人物が多くて(んんん??)理解するのに時間がかかった。 いろんなシチュエーションで縁を結んでいくのだが どこか違和感を持ったまま話が進む。 終盤に差し掛かり 時代を騒がせたNEWSが 違和感を消して 話の筋を見せていく。 この本はオチを知ると楽しみが薄れるので、(自分の読解力の無さ?!)と 違和感を感じながら 頑張って最後までたどりついて欲しい。 けっこう 登場人物がいいこと言っているのも ちょっと胸にきますよ。

Posted byブクログ

2021/07/05

内容もものすごく考えられていて、そうなってそう繋がっているのか!と思うところが沢山あって面白かった。さすがです。 でもそれ以上に、言葉ということについて発信する側、受け取る側のことをとてもよく考えさせられた。沁みた。

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2021/07/02
  • ネタバレ

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ホテルを舞台にした人間模様。優しさとはみたいなテーマが基本なのかな。軽い読み物ですが、これってミステリーなんでしょうか? 時系列を歪ませる理由が感じられず、そこがトリックと言われても釈然としないかなあ。 基本テーマをじっくり書かれた方が良いと思う。

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2021/06/25

だんだん時系列が分からなくなってきて、整理しようかと思ったけど、おお、そういうことかと!。さすが下村さん。一筋縄では行かない展開でした。

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2021/06/15

最後どう回収されるのかと思いきや。。。時間差攻撃は僕には少し分かりにくかったかなぁ。SNSでの批判とか、人の評価を気にしてしまうとか、それらとどう付き合って行くのかに、一つのテーマを感じました。それで苦しむことはない。ほんとに。

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2021/06/10

なにかのおすすめでタイトルと「一気読み&二度読み必至!」という帯の言葉にひかれて読んでみた作品。 ヴィクトリアン・ホテルというタイトルからホテルを舞台にした群像劇のミステリなんだろうな。 そしてホテルを舞台にしたミステリといえば東野圭吾氏のマスカレードシリーズがあるけれど...

なにかのおすすめでタイトルと「一気読み&二度読み必至!」という帯の言葉にひかれて読んでみた作品。 ヴィクトリアン・ホテルというタイトルからホテルを舞台にした群像劇のミステリなんだろうな。 そしてホテルを舞台にしたミステリといえば東野圭吾氏のマスカレードシリーズがあるけれども、果たして本書はいかに…と思ってページをめくってみた。 するとそこにはコロナ禍で登場人物たちがマスクをしている現実が描かれていた。 なるほど、この本はリアルな現在を描いてくれるのね、としっかり意識される。 これがそもそもの仕掛けだったわけだ。 主要登場人物はホテル客5名。 のど越しのよいドリンクのように、とっても読みやすくどんどんページが進む。 が、ところどころになんとなく感じる違和感。 中盤以降でその違和感の正体がはっきりしてくる。 そうか、「二度読み必至」はこれのことか! そもそも主要登場人物の一人がキャラ変しすぎているだろう、という場面があるんだけれど、それこそがこのトリックのなせる技だ。 で、気づけば、そうか、あれもこれも伏線だったか~、読後妙に納得している自分がいた。 この”ジェットコースター感覚”ともいえるトリックを素直に面白い!と両手をたたいて感じ入るか、ちょっと辟易=おなか一杯と感じるかはその人の読書量にも比例するかとは思う。 けれど、本書で登場人物を違えて何度も何度も語らせている”ある事柄”だけは、閉塞したリアルな今の社会で実際に起きている問題であり、作者はこれをもっとも訴えたかったんだろうな。 P300 奇麗なだけで生きてきた人間がどれほどいるだろう。他人に”清潔”を求められるほど自分は奇麗だろうか。 嫉妬もするし、打算もあるし、ずる賢く立ち回ることもあるし、感情的にもなるし、矛盾したことを言ってしまうこともある。怒るし、憎むし、嫌う。それでも、その負の一面が自分のすべてではないことを自分で知っている。 少なくとも、負の感情を赤の他人にいきなり吐きつけて傷つけたりしない程度のモラルは持っている。 読後心が優しくなろうとする、ハートフルな物語。 一読して損はなし。 ===データベース==== 事件、誘惑、秘密の関係……すべてを見ているのは、このホテルだけ。 張り巡らされた伏線、交錯する善意と悪意に! 伝統ある超高級ホテル「ヴィクトリアン・ホテル」は明日、その歴史にいったん幕を下ろす。ホテルを訪れた宿泊客それぞれの運命の行方は――? 『闇に香る嘘』『黙過』『同姓同名』など、話題作を次々発表する社会派ミステリの旗手がエンターテインメントを極めた、感動の長編ホテルミステリー! ! 【主な登場人物】 佐倉優美――悩める人気女優 三木本貴志――自暴自棄なスリ 高見光彦――新人賞受賞作家 森沢祐一郎――軟派な宣伝マン 林志津子――人生の最期をホテルで…

Posted byブクログ

2021/05/17

明日をもって百年の歴史に幕を下ろすヴィクトリアン・ホテルでの一夜。 5人の人生が交錯する群像劇…と思いきや、まさかの仕掛けが。 違和感の正体はこれか!と思わず読み返して確認してしまった。 また、本作のテーマである善意と悪意の捉え方についても考えさせられた。

Posted byブクログ