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フォン・ノイマンの哲学 の商品レビュー

3.8

69件のお客様レビュー

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  2. 4つ

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2022/03/18

図書館で借りた。 コンピュータサイエンスを学べば、「ノイマン型コンピュータ」として必ず名前は知ることになるフォン・ノイマン。その人の伝記たる本。 知らなかった事がたくさんあり、非常に有意義な1冊と感じた。 もちろん、コンピュータは戦争とともに発展してきたし、戦争に深く関わってる...

図書館で借りた。 コンピュータサイエンスを学べば、「ノイマン型コンピュータ」として必ず名前は知ることになるフォン・ノイマン。その人の伝記たる本。 知らなかった事がたくさんあり、非常に有意義な1冊と感じた。 もちろん、コンピュータは戦争とともに発展してきたし、戦争に深く関わってる科学者ならば、原子爆弾にも多少繋がりはできるだろう、までは予想ついたかもしれない。 それでも、「京都に原爆を落とすべきだ」という考えを持っていたとか、量子力学を否定したアインシュタインと交流があってノイマンが量子力学を発展させたとか、歴史的側面から見ると知らないことだらけだった。

Posted byブクログ

2022/02/20

天才と呼ばれる科学者の天才っぷりは、想像をはるかに超える。 天才はなろうとしてなっているのではなく、生きているだけで自然にもう天才なのだなぁ。 一般の人が自分を聡いかどうかなんて考えるのも愚かしいと思うくらい本当の天才はぶっちぎっててすごい。 今も名前が知られている著名な...

天才と呼ばれる科学者の天才っぷりは、想像をはるかに超える。 天才はなろうとしてなっているのではなく、生きているだけで自然にもう天才なのだなぁ。 一般の人が自分を聡いかどうかなんて考えるのも愚かしいと思うくらい本当の天才はぶっちぎっててすごい。 今も名前が知られている著名な天才たちの繋がりが興味深い。ギムナジウムや研究所で出会ったりしていている。20世紀の欧米は天才の宝庫。 原爆が作られ落とされるまでの展開が、感情を入れず事実のみで語られているのがよかった。淡々としているからこそ科学者目線での当時の様子を素直に感じることができた。 戦争と科学者を並べてみて改めて見えてくるのは、天才科学者であってもポストを得たり望む研究ができるかどうかは才能だけではまったくなく、生まれ育った環境、人脈、タイミングなどが絡み合って生じる偶然の結果なのだなということ。 原爆の研究や製造、投下についても、関わった要人や科学者が一枚岩だったわけではなく、反対してい た人物も多くいたことが知れたのもよかった。 原爆投下はこんなに止めた人がいるにもかかわらず誰も止められない流れだったのが残念でならない。 科学者それぞれが違った立場、思想で争ったり協力したりしながら研究をしている。 きっと今も昔も天才たちは天才としてしか生きられない。晩年のノイマンの忙しさを鑑みるに、多くの才能を持って生まれてしまった天才にとっては人間のひとつの人生では時間が足りず不幸なのかもしれない。

Posted byブクログ

2022/02/06

興味深いエピソードが多く語られるが、ノイマンの「哲学」であるという「非人道主義」、「虚無主義」についてさほど掘り下げられてはいない。 他にも奇人変人の類いの天才達が何人も登場するので、ノイマン自身は徹底的な合理主義者ではあるものの、むしろ常識人に思えてしまう。

Posted byブクログ

2022/02/05

人間のフリをした悪魔というサブタイトルだが、本当にそうか。原爆への態度、科学優先主義に見えたからと言って、彼の脳内が非人道的な躊躇いを持たぬものとは決めつけられず、寧ろ達観、或いは距離感のある戦争に対し、脳が合理的に処置した結果。核を用いる事の抑止力、皮肉。今すぐにでもソ連を爆撃...

人間のフリをした悪魔というサブタイトルだが、本当にそうか。原爆への態度、科学優先主義に見えたからと言って、彼の脳内が非人道的な躊躇いを持たぬものとは決めつけられず、寧ろ達観、或いは距離感のある戦争に対し、脳が合理的に処置した結果。核を用いる事の抑止力、皮肉。今すぐにでもソ連を爆撃せよと言った『博士の異常な愛情』は、大国間の予防戦争を希求したか、それを通り越して、馬鹿げた人類への諦観、世界全体の不協和への戒めと軌道修正を期待したか。 コンピュータの父、ゲーム理論、マンハッタン計画、数学の天才として知られるノイマン。本著にはアインシュタイン、シュレーディンガーに加え、ノイマンが天才と認める多数の超人が登場し、そのプライベートな性格を覗かせると共に、到底入り込めない火星人たちの空間を味わうことができる。 その天才たちのドラマの中でも、ユダヤ人の凄さを垣間見る何気ないシーン。ノイマンの親友ウィグナーの妹が、ラブレターをスペルミスの指摘だけで返すような愛という感情が欠落した内向的な天才、ディラックを追いかけて子供まで作ってしまう所。天才の遺伝子のユダヤへの継承か、天才たちの世界観に圧倒された後で、その起源を垣間見た気がして、やけに頭に残った。

Posted byブクログ

2022/01/31

「人間のフリをした悪魔」という副題に興味をそそられて図書館で予約して借り、読了。タイトルに「哲学」とあるが、特にそこに焦点を絞りすぎることなく、フォン・ノイマンの研究関係の経歴から生い立ちや私生活までカバーしたごく一般的な伝記の体であった。ただ、おそらく日本の読者が一番興味がある...

「人間のフリをした悪魔」という副題に興味をそそられて図書館で予約して借り、読了。タイトルに「哲学」とあるが、特にそこに焦点を絞りすぎることなく、フォン・ノイマンの研究関係の経歴から生い立ちや私生活までカバーしたごく一般的な伝記の体であった。ただ、おそらく日本の読者が一番興味があるであろう原爆開発者としての部分が他の分量に比べると多少膨らませてあるような気はする。といっても、とにかく膨大な業績を残し、あらゆる分野に足跡を残している異能の人なので、下手をすると仕事の羅列で一冊終わりそうな勢いである。どこかにフォーカスでもしないと散漫な本になりかねないだろう。名前と業績をなんとなくぼんやり知ってはいたが、あらためてすごい人だと思った。 しかし、読み終わっても残る印象は「知の巨人」とか「偉大な頭脳」とかいうよりも「異能の人」とか「異才」とかどうも「異」の字をつけて表現したくなるようなものである。育ちがよく、文学や歴史にも精通し、仕立ての良い服を着こなし、人付き合いも上手でいろんなことにそつがなく、しかも仕事がめちゃくちゃできる。自分の専門分野(数学まわり)では早くから頭角を現し、関わりのない分野(経済学など)に首を突っ込んではその分野を根底からひっくり返すような仕事をし、全く新しい分野(ゲーム理論とかコンピュータとか)も切り拓く。それって漫画の中には居るかもしれないけど、リアルに存在したらやっぱり「異常にできる人」である。 一般に、天才と呼ばれる人には驚きの天然エピソードがついて回るものだが、それはやはり、突出した才能がある人にはそれと釣り合うような何らかの人間的欠損があり、その人全体として凸凹の帳尻が合っているのを人が期待するからだろう。事実、この本に登場するノイマン以外の科学者は多かれ少なかれ凸凹がある。しかしフォン・ノイマンにはそれがなかった。今だと「別の星から来た人」と言われるレベルに特異的である。あまりの完全無欠さに、この人、本当は見えないどこかが大きく凹んでいるんじゃないの、と畏怖を抱かせるところを表現するために人はフォン・ノイマンを「人間のフリをした悪魔」と呼んだのではないだろうか。 本書の中ではノイマンの哲学として「科学優先主義」「非人道主義」「虚無主義」を挙げ、その結果としてマッド・サイエンティストの代表とみなされた部分を「人間のフリをした悪魔」としている。しかし科学者ってえのは、みんなある程度科学優先で虚無的なものである。事実や論理しか依って立つところがないという姿勢で日々生きていると、どうしたってそういう傾向は出てくる。そして欧米人は得てして欧米人以外を人間と認識するのをうっかり忘がちなので、欧米人以外に対しては悪気なく非人道的な態度をとることが往往にしてある。西欧の科学者はそういう意味で、先に挙げたマッド・サイエンティストの3条件を満たす人が大勢いるはずである。 そんな中でフォン・ノイマンが「人間のフリをした悪魔」と呼ばれたのは、やはり、その超人類的頭脳が周囲にもたらす畏怖の念のせいだったような気がする。「原爆の父」オッペンハイマーや「化学兵器の父」ハーバーと比べても、よりバランスのとれた人間性と広い視野を持った一流の知識人という印象が強い。マッド・サイエンティストの代表に祭り上げられてしまったのはキューブリックの功罪が大きく、本当にマッドなサイエンティストは他にもっとたくさんいるであろう。 ともあれ、20世紀最大の「異」な人であることは間違い無く、その生涯をコンパクトに概観できる良書。

Posted byブクログ

2022/01/23

コンピュータを作った人はそれだけで相当な天才だろうとは思っていたけれど、想像以上の広範囲。ゲーム理論・宇宙物理学・流体力学・気象学。マンハッタン計画を主導する立場だった事は知らなかった。その彼の「我々が今生きている世界に責任を持つ必要はない」という考え方は衝撃的だけれど、そういう...

コンピュータを作った人はそれだけで相当な天才だろうとは思っていたけれど、想像以上の広範囲。ゲーム理論・宇宙物理学・流体力学・気象学。マンハッタン計画を主導する立場だった事は知らなかった。その彼の「我々が今生きている世界に責任を持つ必要はない」という考え方は衝撃的だけれど、そういう考えを持っていなければ原爆開発は出来なかったという事かも知れない。化学優先主義は今後の世界にも脅威になるだろうと思う。

Posted byブクログ

2022/07/26

序盤からノイマンの賢さや有名な人の名前が出てきて興味が湧く。 合理性や目的を追求すると残忍な側面もあるのかもしれないと感じた。

Posted byブクログ

2022/01/20

伝記。言動や著作から科学優先非人道主義であることが垣間見れることは分かったが、言うほど哲学を分析してるとは思えなかったし、悪魔と言うほど残酷な考えか?とも思ってしまう。 数学は物理と同様、人間の思惑と別に存在するというゲーデルの主張と対立して、ノイマンは、人間の経験とは切り離せな...

伝記。言動や著作から科学優先非人道主義であることが垣間見れることは分かったが、言うほど哲学を分析してるとは思えなかったし、悪魔と言うほど残酷な考えか?とも思ってしまう。 数学は物理と同様、人間の思惑と別に存在するというゲーデルの主張と対立して、ノイマンは、人間の経験とは切り離せないと主張していた話が面白かった。非人道的な悪魔ならそんなことは考えないのではと思ってしまう。 本書は事実を解説していく部分は面白いけど、それが何を示しているのかという部分で、わたしには物足りなくて期待外れだった。

Posted byブクログ

2022/01/19

1.書店で見たときに、どこかで見たことがあると思ったので読みました。 2.オーストリアで生まれたノイマンは8歳の時点で大人顔負けの数学や暗記能力を発揮しております。その才能は学校に行っても発揮され、数々の大学教授を驚かせます。大学卒業時には学士と博士の両方の単位を取得し、社会へ...

1.書店で見たときに、どこかで見たことがあると思ったので読みました。 2.オーストリアで生まれたノイマンは8歳の時点で大人顔負けの数学や暗記能力を発揮しております。その才能は学校に行っても発揮され、数々の大学教授を驚かせます。大学卒業時には学士と博士の両方の単位を取得し、社会へ飛びだちます。その後は、大学教授や研究機関に所属し、年間100本ペースの論文を執筆していきます。なかでも際立った発明は原爆とコンピュータの発明です。 このような数々の偉業を成し遂げたノイマンがどのような生涯を送ったのか、本書では本人の生い立ちと共に、友人関係と絡めながら書かれています。 3.スティーブ・ジョブズと重ねながら読んでいました。ただ、ジョブズよりも世界に影響を与えた人物ではないかと思ってます。 10歳の時点で既に大学生並みの知識と思考を有しており、大人になってからはコンピュータを作り出し世界に多大な影響を与えます。卓越した頭脳があってとても羨ましい限りですが、私生活を見ると、日頃のストレスの反動でかなり雑な生活を送っていました。この点については自分は納得がいかず51歳とで亡くなるのも無理はないなと思いました(当時ならば長生きに入るだろうけれど)。 天才は凡人には考えつかないことを考えるのだから、不思議だなーと思いながら読んでいました。 そして、 彼から学ぶことは「とにかく考えること」「たくそんの情報に触れること」だと思いました。

Posted byブクログ

2022/01/14

『フォン・ノイマンの哲学 人間のフリをした悪魔』(高橋昌一郎) ノイマンの頭の中の回路はどうなっているのか知りたい…そしてこんな人を知らなかった自分の教養のなさを恥じたい。。

Posted byブクログ