女の子はどう生きるか の商品レビュー
未熟な現実に対して 想像力とイヤミと歴史の授業と ジェンダージョーク(?)を交えながら 理知的な喋りを繰り広げる。 いわずもがなのランドセル問題や 成程シンプルが一番「配偶者控除廃止案」、 養育費天引き案とスウェーデン小咄、 などなど一部特筆すべき部分があった。 つまり「サッ...
未熟な現実に対して 想像力とイヤミと歴史の授業と ジェンダージョーク(?)を交えながら 理知的な喋りを繰り広げる。 いわずもがなのランドセル問題や 成程シンプルが一番「配偶者控除廃止案」、 養育費天引き案とスウェーデン小咄、 などなど一部特筆すべき部分があった。 つまり「サットヴァみ」多めと見せかけて決してそんなことはなく、「積年のラジャス」が想像力を偏らせている気もしたし、「性分的タマス」が散りばめられている感じがひしひし伝わってくる。世のタマスには我がタマス、世のラジャスには我がラジャスなのであり、未来にしかないサットヴァなど基本的には現在過去に体重を乗せる御大には望むべくもない。 近未来SFを描くのが最適解。「手塚治虫が描くべきだったのはこれだ」と言わんばかりの。とはいえ、そういうマンガ作家がこれから増える理由の一つが、本書の著者の存在なのだろうとも思う。「ダメ出しでは世界は変わらんよ」と言わんばかりの天才たちが待望される世界だ。
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だったら、女の子はどう生きるのか? どうしてもこの日本で生きていく女の子には壁がある。その壁を、過去から現在に渡って説明し、未来への突破口を開こうとする本。そう、強くなりたいのではなく、そのままでも認められる社会を目指すのだ。 専業主婦を目指すのは、男女共に収入が下がっている現在、厳しい道だし、もちろん自分に収入がないのは離婚という選択肢がない危険性を伴う。けれど、その道だって理解した上で選ぶ人がいるだろう。必要なのはAの道に進んではいけないというアドバイスではなくて、Aの道とBの道についてのメリット・デメリットを知った上で選べる決定権。 何のための男女平等なのか、それは安心して生きるため。誰もが弱者であり(または弱者になる可能性があり)、弱者が安心して生きていける社会がほしいのだ。男女で考えると女性が弱者側だけど、視点はたくさんあり、視点の数だけ弱者側が生まれる。誰もが何かの視点では弱者になる。そこを忘れないようにしよう。
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少女文庫だと知らずに図書館で借りた本。 しかし人気でかなり待たされた。 内容は、いろいろな男女の違いについての質問に、上野先生が答える形で書かれている。 今の中高生は、ちゃんと読んでくれるのかな。 図書館で予約しているのが、中高生だったらいいなと思いながら読んだ。
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日本の社会が男女差別を生み出している。 労働のあり方、年金、学校教育、選挙制度。 その中でどう負の連鎖を断ち切るか。 女性脳や男性脳がないとして、男女の多様性はセックスの問題なのか、それともジェンダーなのか。
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「女性専用車両」のこと、わたしもモヤっとしていたことを上野さんがもやもやの原因をきっぱり言語化されていた。 なんとなくこっちが悪いんじゃないかと感じてしまうことが、社会のなかで生きていくうちにいつの間にやら刷り込まれている女性差別の発想なんだよ、とはっきり言ってくれる。 先日読...
「女性専用車両」のこと、わたしもモヤっとしていたことを上野さんがもやもやの原因をきっぱり言語化されていた。 なんとなくこっちが悪いんじゃないかと感じてしまうことが、社会のなかで生きていくうちにいつの間にやら刷り込まれている女性差別の発想なんだよ、とはっきり言ってくれる。 先日読んだ『泣いたあとは、新しい靴をはこう新しい靴をはこう。』はちょっと生ぬるかったなと、この本を読んで思ったのである。 2019年の東大学部入学式での式辞全文が掲載されているのもよかった。
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10代向け女性学の1冊。 日常にある違和感を読者から質問形式で答えていく一問一答型の書籍。 読みやすく、改めて振り返りができた。
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上野千鶴子が好きなんだけど、上野さんが認める女性は私とは違う、と勝手に劣等感を抱いていた。あと、フェミニズムって怖そうとか(笑) でもこれを読んで、上野さんの目指すものが少し理解できた気がする。それがとても優しく自由なものであることが。 「フェミニズムの基本のきは、女らしさ/男...
上野千鶴子が好きなんだけど、上野さんが認める女性は私とは違う、と勝手に劣等感を抱いていた。あと、フェミニズムって怖そうとか(笑) でもこれを読んで、上野さんの目指すものが少し理解できた気がする。それがとても優しく自由なものであることが。 「フェミニズムの基本のきは、女らしさ/男らしさに縛られたくない、自由に生きたいってこと」p177 「弱者が強者になりたい思想じゃない、弱者が弱者のまま尊重されることを求める思想」p178 女性学、ジェンダー研究など新たな学問を切り拓いてきた上野さんが説く、その自由で柔軟な思想は、今世界が直面している困難にも考え方のヒントをくれそう。 「予測不可能な世界には、これまでの前列や慣行が役に立ちません。見たこともない現実に立ち向かって、答えのない問いにとりくまなければならないのです。そういうときに必要なのは、複数のシステムが出会うこと、いくつものシステムに足をかけること、違うシステムを積極的に受け入れること」p191 その「システム」を「渡り歩いている」p191 のが、家事育児仕事を同時にこなしてきた女性だと。 「違うシステムが接触することで、それまでにないイノベーション(革新)が起きる」p192 「システムの中でノイズ(情報の素)を起こして~ノイズを受け入れ、ノイズを楽しみ、共に成長できる仲間たちを見つけて」p194 と、上野さんは若い世代に訴えかける。「人生の最後に...あ~、生きててよかった、おもしろかった、って言えるように」p195 フェミニズムって、権力を持った人(男女問わず)が弱い立場の人を利用し、虐げてきた歴史・現状にノーを言うことだった。 「わたしたちが弱者として生まれ、弱者として死んでいくことを忘れないようにしましょう。そういう大事なことを教えてくれるのがフェミニズムです。そしてそれを実現するためにあるのが、男女平等です。」p197 最後に収録されている「東大入学式祝辞」では、弱い立場の人たちに寄り添う上野さんの思いが伝わってきて、読んでいて胸がいっぱいになって、自分が入学するわけでもないのに泣けてしまった(笑) タイトルは「女の子はどう生きるか」だけど、おばちゃんも十分励まされて、上野さんがますます好きになりました。 これからの自分がイノベーションを起こせるとは思えないんだけど、ノイズを楽しむくらいはできそうな気がする。
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社会に出る前に読んでおくと良いなぁと思いました! 社会人の女の身からすると少し胸がチクリとする部分もありました。現実社会をちゃんと伝えてくれることが良いと思います。なかなかこういうことを教えてくれる大人は居ないですからね。
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大人が読むと、特にある程度フェミニズムが理解できていれば、目新しいことはない。 しかし、自分が中高生の頃、この本があったら、目から鱗が落ちたと覆う。 女子が出席番号で必ず後ろだったり、勉強ができて気の利いた女子がいても、上昇志向の強い(教師に認められたがる)男子が生徒会長になる...
大人が読むと、特にある程度フェミニズムが理解できていれば、目新しいことはない。 しかし、自分が中高生の頃、この本があったら、目から鱗が落ちたと覆う。 女子が出席番号で必ず後ろだったり、勉強ができて気の利いた女子がいても、上昇志向の強い(教師に認められたがる)男子が生徒会長になる。家では母はパートと家事でヘトヘト、父は母がてんてこまいしていてもテレビ見ている。なんとなく納得のできない思いを抱えていても、世の中(中高生の世間は狭いので、学校の教師と親)がそれで問題ないと思っているのだから、しょうがないのか、自分の将来も暗いな、としか思っていなかった。 それから随分経って、世の中大きく変わったかというとほとんど変わっていないことに愕然とする。 男女混合名簿にしている学校は少ないし、相変わらず生徒会長は男子が多い。男子の部活に女子マネはいるが、女子の部活に男子マネはいない。そもそもマネジャー(マネジメントを行う人)じゃない、雑用係。男子は入試でも就職でも下駄をはかせてもらえるし、政財界のトップに女性がほとんどいない。非正規労働者は女性が多く、シングルマザーの貧困率も高い。 こんな世の中にしているのは大人なのに、子どもに世の中を変えていって、というのも勝手だよな、とは思うが、問題意識は早いうちから持っておくに越したことはない。 特に上野さんの地方議員パートタイム制に賛成。 仕事を別に持っていれば、落選に怯えて業者と癒着することもない。そもそも議員が偉いなんて、議員が金持ちなんておかしいんだから。 中高生どころか、大学生でも、この本に書いてあることをきちんと理解している女の子(男の子も)少ないと思うので、男女問わず、若者はぜひ読んでほしい。 難を一つだけ言えば、「ママは『VERY』や『STORY』にもでれるくらいおしゃれ」とか「クソリプ」とか、今なら何の違和感もないけど、数年経てばそんな雑誌も言葉もなくなってるかもしれない。今の女の子が読みやすいように書いているのだろうけど、すぐに古くなりそう。 日本のフェミニズム界には、まだ上野先生を上回るスーパースターはいないので、いつまでも(もう73歳なんですね!)お元気で、改訂もしてください。
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内容は面白い。 ただ、本文をゴシックで組んでるのが読みづらくて残念だ。会話調やざっくばらんな感じを出したい、というデザインなんだろうけど。 組版のセオリーは読みやすさのためにあるんだな、と改めて思う。
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