1,800円以上の注文で送料無料

ゴールデンタイムの消費期限 の商品レビュー

3.7

56件のお客様レビュー

  1. 5つ

    10

  2. 4つ

    23

  3. 3つ

    13

  4. 2つ

    6

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2023/12/07
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

ブクログあなたにオススメで気になった『ゴールデンタイムの消費期限』(斜線堂有紀)。 ハッキリとしたキッカケは覚えてないけど、小説家とAIの組み合わせなんて珍しい…と思って気になったのかもしれしません。 「本書にて紹介される天才達と私は程遠い場所にいるし、別世界の話かぁ〜」なんて思いつつ読んでいたら、以下2点で楽しめました。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー ❶人の教育方法として使用されるAI ⑴この教育指導法だとどうなるか。 ⑵教育の先にはどんな可能性があるか。 それを読んでいるうちに意識し始め、「この物語はどうなっていくのか」という事が非常に楽しめました。 【こうすればあなたは成功できる】と機械に提示される事を、果たして受け止めるか否か。 天才レベルにまで至ったからこそ持つプライドがそれを許すのか。 「天才はこう感じて思い行動するのか」と非常に興味深かった。 ❷幼少時から1つの能力に特化した天才達の苦悩 「秀でた能力を持った人が必ずしも幸せとは限らないケースがある」と聞いた事はあったけれど、 その具体的内容までは今まで知らずじまいだったので、「こういったケースもあるかもしれない」という事を知れてよかった。 小説ってこういう【IF】が楽しい。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 淡々と終わっていく感じなのかなぁと思いきや、 どんでん返し的な部分があって久々に「は……?」と声が出てしまった。

Posted byブクログ

2023/10/09
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

読了、75点 AIによるかつての天才を集めた才能発掘プロジェクト、というメインテーマが大変興味惹かれるし、実際に読むとストーリも面白かった。 良かった点は、いい意味で小説としての予定調和を外していること。キャラクターを把握できていない序盤とはいえ、きっとこういう感じで丸く収まるんだろうなって展開を想像していたら、そういうこと言っちゃうのかというシーンが何度か。 また話が進むに連れてメンバーの関係性が少しずつ変わっていくのが短い小説の中でしっかりと描かれていること。 残念だった点、正確に述べるなら私は期待したけどそういう方向が深く語られなかった点としては、 AIに芸術が理解できるのか、そもそも優れた芸術とはなにか?という話が深掘りされなかったこと。 一切語られないのならまだしも、映画監督の人物のエピソードにそういう話が登場する以上もう少し突っ込んでほしかったですね。 総じて面白かったし、斜線堂有紀さんの小説は最近だと自分の中でどんどん好きになって言ってる感じ。

Posted byブクログ

2023/10/09

AIによる元天才を甦らせるプロジェクトの話。途中途中で起きる事件に対してそれぞれの登場人物の背景や心情が丁寧に描かれていて、とても人間味溢れる内容。終わり方も綺麗で満足いく作品。もっと壮大な事件とかも欲しかったな。

Posted byブクログ

2023/07/12

「レミントン・プロジェクト」に集められた「元」天才たち。みんなまだ幼い頃から才能を認められ、周囲の大人やメディアにもてはやされ、期待に応えるべく筆舌に尽くせぬ努力と苦悩を重ねてきた子たちです。「二十歳過ぎたらただの人」になるのでは、と慄いています。痛々しいです。好きなことなのに、...

「レミントン・プロジェクト」に集められた「元」天才たち。みんなまだ幼い頃から才能を認められ、周囲の大人やメディアにもてはやされ、期待に応えるべく筆舌に尽くせぬ努力と苦悩を重ねてきた子たちです。「二十歳過ぎたらただの人」になるのでは、と慄いています。痛々しいです。好きなことなのに、「好き」を見失っているように感じました。 で、人工知能「レミントン」とセッションして、最終的に、「好き」との折り合いを付けられたのでしょうね。「レミントン」との関わり方も、自分で選ぶことができましたが、案外ここもプロジェクトの目的だったりして…?

Posted byブクログ

2023/07/01

元天才作家の主人公はいろんなジャンルの若き天才を集めAIでの再教育にて復活させまっせ計画「レミントン・プロジェクト」に招待されて… 今までの人生で天才やったことがいっこも無いはずやのに、何故か主人公にしっかり感情移入できて元天才の苦悩を疑似体験してしまえるのは斜線堂さんの作品の...

元天才作家の主人公はいろんなジャンルの若き天才を集めAIでの再教育にて復活させまっせ計画「レミントン・プロジェクト」に招待されて… 今までの人生で天才やったことがいっこも無いはずやのに、何故か主人公にしっかり感情移入できて元天才の苦悩を疑似体験してしまえるのは斜線堂さんの作品の力によるものなんやろな〜さすがです。 ほんま才能ってなんなんやろう?って才能の一欠片も持っていないけど考えたけども才能が無いことは悲劇ではなくて下手こそものの上手なれじゃないけども才能がなくても好きなことがいっぱいあれば楽しい人生なのかな〜って思った。

Posted byブクログ

2023/06/03

AIネタか主役ではないけど、AIについて深い洞察を感じる  これはなかなかにおもしろかった。予定調和にならず、ある意味人間的なハッピーエンド。でも、そこに至るバイオリニストのヒロインの葛藤はあまりに悲しいな。  AIについては軽く触るだけで深掘りはないんだけど、まぁそれがテー...

AIネタか主役ではないけど、AIについて深い洞察を感じる  これはなかなかにおもしろかった。予定調和にならず、ある意味人間的なハッピーエンド。でも、そこに至るバイオリニストのヒロインの葛藤はあまりに悲しいな。  AIについては軽く触るだけで深掘りはないんだけど、まぁそれがテーマではないだろうから、良いのかな。もう少し踏み込んでみて、別のテーマで書いてくれたら、それはそれでかなり楽しい物語になりそうだ。

Posted byブクログ

2023/03/28
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

斜線堂作品8冊目。かつて天才小説家だった綴喜(つづき)に『レミントン・プロジェクト』 への招待状が届く。かつては栄光を有したが、すでに消費期限が過ぎた6人、ヴァイオリニスト、料理人、画家、映画監督、棋士、小説家が人工知能を用いてリサイクルされる!どうすればかつての栄光を再度手にできるのか、AIの力を借りるという他力本願。そしてAIによって自分よりも優れた才能を見せつけらてしまう。こいう時代がもう来ている。人間の力ではなく、人工知能によって世界は動いている。AIによる小説にあの読友さんは涙するのだろうか?⑤

Posted byブクログ

2022/11/11

はじめは若者向けかも...と危ぶんだが、アラフォーでもじゅうぶん楽しめた。小学生で小説家デビューし、中学生でベストセラーを出版。天才小説家と呼ばれた高校生の綴喜くんは国の一大プロジェクトに招待される。そこには同年代のあらゆるジャンルの天才少年少女たちが集結していた。そのプロジェク...

はじめは若者向けかも...と危ぶんだが、アラフォーでもじゅうぶん楽しめた。小学生で小説家デビューし、中学生でベストセラーを出版。天才小説家と呼ばれた高校生の綴喜くんは国の一大プロジェクトに招待される。そこには同年代のあらゆるジャンルの天才少年少女たちが集結していた。そのプロジェクトとは。もし自分に何らかの才能があって、登場人物の立場になった時どうするのか。「自分なら」と何度も立ち止まって考えた。終盤はもう少しインパクトが欲しかったし、題名はあまり好みではないが全体的には爽やかな青春ミステリーとなっている。

Posted byブクログ

2022/09/29

元・天才だった人を集めレミントンと呼ばれるAIを使って甦らせる。4年間も新作を出せていない綴喜は編集者からプロジェクトへの参加を打診される。目隠しをされヘリコプターで連れていかれたのは山奥の洋館。そこには元・天才が集められていた。 もう既にビックデータを使った試みがあるのではと思...

元・天才だった人を集めレミントンと呼ばれるAIを使って甦らせる。4年間も新作を出せていない綴喜は編集者からプロジェクトへの参加を打診される。目隠しをされヘリコプターで連れていかれたのは山奥の洋館。そこには元・天才が集められていた。 もう既にビックデータを使った試みがあるのではと思うほどリアル。おそらくポップスな歌などはビックデータを解析していけば絶対に大衆にウケる歌は作れると思う。ただそこにヒトは必要かボーカロイドでも可能かとなる。この小説では日本画、料理、音楽、映画、小説、将棋を取り上げている。それぞれの元・天才たちの葛藤が興味深かった。 そしてAI開発者の雲雀博士の最後のセリフ「才能が無くなった程度で、諦めるのは悔しかろう」を読んで優しい小説だと感じた。

Posted byブクログ

2022/09/23
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

何者にもなれなくても続いた先の人生で埋もれている大人にはたまらない気持ちになるお話。 結末よりも主人公の目を通して語られるひとりひとりの描写に胸を打たれた。 繊細な火花の輝きを喪われた後も印象付けんと刻みつけるみたいな、要所要所で熱の篭った人物描写。 執筆のシーンは主人公自身の文章を綴る喜びが読み手にも伝わるようで、綴喜とは絶妙な名前だなあと。 小説だけど過剰なドラマチックさを排したルポルタージュみたいな雰囲気で進むなと感じていて、かなり終盤まで、1日めから先はきっと主人公がレミントンと書いた作中作そのものなのだろうと思いながら読んでいた。いかにも観察眼に優れた人の描写文っぽいなと。 その予想は外れてしまった形になるけれど、主人公の視界を通して語られる人物たちはしなやかで強かで魅力的で、読了後はさっぱりした心持ちになった。 めちゃくちゃ感動しましたとか滂沱の涙みたいな感想にはならないのだけど、傷跡を残さなくても心に残る。不思議な読了感だけどこういうの好きだなあ。 そんなことを考えながら読んでいたので、主人公の選択については備藤さんと同じ気持ち。

Posted byブクログ