海と山のオムレツ の商品レビュー
アルベリアのシェフのサプライズ登場や、カモメとの戦いの今昔をはじめとするクライマックスの数々が終盤に待ち受ける 短編集なのに短編同士のつながりが豊かで濃厚な、満足度の高い一冊だった いつか彼らの土地の料理を食べてみたい
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イタリア半島の最南端カラブリア州に生まれた作者が、自分の幼少期から、少年、青年へと成長し、結婚して子どもを授かるまでの半生の折々の出来事を、カラブリアの郷土料理など、その時々に口にした様々な料理とその味わいの記憶とともに綴る短編集。 豪華な食事から、ピクニックに持って行くようなシ...
イタリア半島の最南端カラブリア州に生まれた作者が、自分の幼少期から、少年、青年へと成長し、結婚して子どもを授かるまでの半生の折々の出来事を、カラブリアの郷土料理など、その時々に口にした様々な料理とその味わいの記憶とともに綴る短編集。 豪華な食事から、ピクニックに持って行くようなシンプルな食事まで、様々な料理が登場するので、どの短編も空腹時には読まない方がいいと思う。
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聞いたこともないはずの料理がこんなにもきちんと想像させられる。おいしそうな表現はたくさん読んできたけれど、本当に空腹を誘発されたのは初めてだった。ものすごく瑞々しい表現力。作者の人生には、豊かな食事の経験と共にある。明日の朝ごはんはオムレツサンドつくろうかなあ。
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南イタリア・カラブリア州出身の作家が、家族と土地の記憶を食文化に乗せて語る自伝的短篇小説集。 イタリアンメニューを模した全16篇。 → 出てくる料理の多くはイタリア(カラブリア)の伝統料理。大蒜、唐辛子マシマシ。日本人の私には読んでいるだけでお腹いっぱいになった(笑) ああ、私...
南イタリア・カラブリア州出身の作家が、家族と土地の記憶を食文化に乗せて語る自伝的短篇小説集。 イタリアンメニューを模した全16篇。 → 出てくる料理の多くはイタリア(カラブリア)の伝統料理。大蒜、唐辛子マシマシ。日本人の私には読んでいるだけでお腹いっぱいになった(笑) ああ、私は日本人なんだなぁ、と思ったり。 好きなシーンは主人公が16歳で初めて「本」と出会うところ。もう、最高。本好きは全員読んでほしい→ あと、全体的な構成が良い。とても良い。こういう流れ、大好き! アルベリアのシェフがいい味出してるんだよなぁ。 あと、主人公の父親もね。昔のお父さんって感じ。 郷愁を感じないタイプなんで、その辺りは全く共感できなかったけど、南イタリアの空気を感じられて良かった。
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南イタリアのカラブリア州にある海沿いの村で育った「僕」は、その昔オスマン帝国の圧政を逃れイタリアへ移住したアルベリア人(アルバレシュ)の末裔。独自の言語と食文化を持ち、唐辛子をこよなく愛する人びとの誇りと饗宴の日々をノスタルジックに述懐した自伝的小説。 本書でアルバレシュの人...
南イタリアのカラブリア州にある海沿いの村で育った「僕」は、その昔オスマン帝国の圧政を逃れイタリアへ移住したアルベリア人(アルバレシュ)の末裔。独自の言語と食文化を持ち、唐辛子をこよなく愛する人びとの誇りと饗宴の日々をノスタルジックに述懐した自伝的小説。 本書でアルバレシュの人びとを初めて知った。イタリアへ移ったのが15〜18世紀だから20世紀後半にはすでに〈移民〉という存在ではないのだが、彼らが集って誇りを確かめ合う様子は高野秀行『移民の宴』における在日外国人の姿に重なって見える。 そして共同体を繋ぐのが食だ。とあるカップルのために南イタリアに点在するアルバレシュの人びとが寄り集まり婚礼パーティを開いたとき、本来数世紀前に別れたっきりでバラバラなはずの参加者たちを〈故郷の味〉でまとめあげたのは「アルベリアのシェフ」だった。饗宴に並ぶのはサルデッラ、ンドゥイヤ、シュトリーデラットと初めて聞く料理ばかりだが、説明を読むと今すぐ食べさせてくれ!と叫びたくなる。 「アルベリアのシェフ」はとにかく味覚が優れていたようで、本職の料理人ではないのに「僕」の人生の折々で大事な一皿をプロデュースしてくれる。後半になると、長いあいだ外国へ出稼ぎにいっていた反動で村に定住してからは保守的で頑固になってしまった父と、いつでもノスタルジーを払いのけて軽やかに皮肉を聞かせてくれる「アルベリアのシェフ」は、「僕」にとっての"二人の父"として対比されるようになる。 父に負けないくらい故郷の味に愛着のある「僕」だが、やがてドイツ人女性と結婚する。「僕」はどうやら料理をしないようなので、アルバレシュの味を再現・継承するのは日本食も作るほど料理好きな妻の役目になっているのだろうか。義母のミートボールパスタにドイツ育ちの感性が加わって、新しい味を生みだしているのだろうか。 記憶のなかで洗い清められ、不純物が取り除かれた美しき「ふるさと」を綴ったノスタルジックなメモワール。ツルツルとストレスフリーに読めるのが作りごとめいているが、たまにはこういうのもいい。
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食事って良いなあと思わせてくれる本だった。筆者が家族や友人と食事を共にする場面は、いつも楽しそうである。料理が美味しいというのはもちろんの事だが、何よりこの人達と一緒にいる事ができて幸せという感情が伝わってくる。 タイトルにもなっている「海と山のオムレツ」の話よりは、郷里の味が恋...
食事って良いなあと思わせてくれる本だった。筆者が家族や友人と食事を共にする場面は、いつも楽しそうである。料理が美味しいというのはもちろんの事だが、何よりこの人達と一緒にいる事ができて幸せという感情が伝わってくる。 タイトルにもなっている「海と山のオムレツ」の話よりは、郷里の味が恋しいという筆者に対して、アルベリアのシェフが「ふんっ」と一蹴した話が1番好きだ。「故郷の味を感じる舌はもう育っているのだから、新しい味覚を足す事に何の後悔や躊躇があるだろうか」という考えは新鮮で、面白かった。 あと、私の知っているイタリア料理(ピザやパスタ)が全然出てこない事も面白かった。パスタは出てきた方だけど、それよりは唐辛子の描写が多く、意外だった。
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知らない食材と料理を想像しつつ読むのが面白かった。食べるのが好きだけど、料理のエッセイって読んだことなかったな。
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とにかく出てくる料理が食べたくなる。 よくわからない料理もあるので、それをぼんやり想像すると、ますます食べたくなる。 どれも家庭料理なのだと思う。それが、おいしさだけじゃなくてあたたかさも感じられて、とてもとても心地が良かった。 友だちや家族や犬や恋人たちとの関係をより彩り引き立...
とにかく出てくる料理が食べたくなる。 よくわからない料理もあるので、それをぼんやり想像すると、ますます食べたくなる。 どれも家庭料理なのだと思う。それが、おいしさだけじゃなくてあたたかさも感じられて、とてもとても心地が良かった。 友だちや家族や犬や恋人たちとの関係をより彩り引き立てる料理の存在が、幸せな気持ちにさせてくれる。 特に家族との関係が素敵だった。 すごくあたたかくて、その姿に幸せを感じて、羨ましくてちょっと泣きたくなった。 アルベリアのシェフが好き。 とりあえずオムレツ作った。パスタ食べたい。美味しいオリーブオイル舐めたい。
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「最高の調味料は空腹である」 幼年期・少年期の思い出は「セピア色」といわれるが、匂いや味もまた思い出の一つとなる。 美食とはいかないまでも、正月のお餅の焦げる香りや駄菓子屋の甘いおやつには、既に失われた人たちや遠い過去の風景を呼び起こすちからがある。 そしてこの本。 ワインと...
「最高の調味料は空腹である」 幼年期・少年期の思い出は「セピア色」といわれるが、匂いや味もまた思い出の一つとなる。 美食とはいかないまでも、正月のお餅の焦げる香りや駄菓子屋の甘いおやつには、既に失われた人たちや遠い過去の風景を呼び起こすちからがある。 そしてこの本。 ワインとパスタとニューシネマパラダイスの国 (シチリアだったっけ)。 親しい人たちと笑いながら食べる幸せ。 物語の料理はどれも食べたことが無いはずなのに、なぜこんなに美味しそうに私を刺激するのか……。 さぁ、今日、誰と何食べる?
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作者のカルミネ・アバーテさんが 子供の頃からいかに美味しい料理とめぐり逢ってきたか。 料理の描写や日本では聞かない料理法だったり 料理名だったり、とにかく美味しそう!の連続。 料理を愛する父や故郷の人びと、 そしてその父を愛し、美味しい料理を作ってくれる母と祖母。 たしかに舌...
作者のカルミネ・アバーテさんが 子供の頃からいかに美味しい料理とめぐり逢ってきたか。 料理の描写や日本では聞かない料理法だったり 料理名だったり、とにかく美味しそう!の連続。 料理を愛する父や故郷の人びと、 そしてその父を愛し、美味しい料理を作ってくれる母と祖母。 たしかに舌が肥えるよなあと思った。 そして、作者が出会ってきた料理をこうして本にし、 その本を手に取り、読めたことを幸せだなと思った。 食べてみたいなあ、唐辛子がたっぷり入ったパスタ!
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