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認知バイアス の商品レビュー

3.9

66件のお客様レビュー

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2023/01/21

●=引用 ●自分の努力だけでチェンジ・ブラインドネスを防ぐとか、記憶力を向上させるとか、そうしたことはほぼ不可能だと思う。私たちにできることは、見落としをチェックする、自分も含めた人の記憶の裏付けが十分かをチェックすることくらいなのではないかと思う。※チェンジ・ブラインドネス=...

●=引用 ●自分の努力だけでチェンジ・ブラインドネスを防ぐとか、記憶力を向上させるとか、そうしたことはほぼ不可能だと思う。私たちにできることは、見落としをチェックする、自分も含めた人の記憶の裏付けが十分かをチェックすることくらいなのではないかと思う。※チェンジ・ブラインドネス=変化の見逃し ●最初がkで始まる英単語と3文字目がkの英単語はどちらの方が多いだろうか。(略)でも直感は最初がkの方が多いと告げたのではないだろうか。(略)この直感の理由は簡単だ。最初がkの単語はたくさん思い出せる、king,knife,kit,kind,knowなどなど。でも3文字目がkの単語はどうだろう。私はinkくらいしか思いつかなかった。だからkで始まる単語の方が多いと思ってしまう。ところが直感とは異なり、3文字目がkの単語は始めがkの単語の3倍もあるそうである。よく考えてみればmake,like,takeなどがある。このように思いつきやすさ、思い出しやすさで、発生頻度を判断するクセのことを、「利用可能性ヒューリスティック」と呼ぶ。つまり、人は思いつきやすければ、また思い出しやすければ、その事柄はよく起きていると考えるのである。 ●これを見ると、めったに起こらない事柄(ボツリヌス菌、竜巻、洪水など)はその発生頻度がかなり高く評価されている。一方、、グラフの右側に記された、よくある病気が死因の評定値は直線よりもかなり下に置かれており、過小評価されていることがわかる。(略)つまり私たちはめったにないことに怯え、よくあることに無関心ということになる。 ●「私は鈴木が書いた論文は読んでいない」という文や「洗濯」の文章は、コトバ、文を理解するということが何かをはっきりと示している。話者はある状況を記述しようとして発話なり、文の生成を行っている。そして聞き手がやることは単語の意味の確定や文法の解析を通して、その状況を自らの頭の中で再現することなのである。文を聞いたり読んだりする中で、私たちはコトバを理解するだけでなく、コトバが語っている状況を理解しているのだ。このことは認知科学では状況モデルの構築と呼んでいる。そしてできあがった状況をモデルが話者の記述しようとしていた状況と合致した時に、その文が理解できたということになる。つまり文、文章、発話を理解することは、その中のコトバを理解するのではなく、コトバによって語られた状況、世界を理解することなのである。以上のことを考えると、学校、職場、社会で行われる教育がなぜうまくいかないことが多いのか、なぜ時間がかかるのかが理解できるのではないだろうか。話者、伝え手は特定の状況を伝えようとするが、言語の持つ抽象性、それがもたらす情報の貧困化が、状況の微細な、しかし重要な要素を捨象してしまう。その結果、聞き手はコトバとしてはそれが理解できたとしても、状況の再現ができない、あるいは異なる状況を再現してしまう。これによって学習が停滞するのである。 ●本章ではまず創造の認知プロセスについて考えた。創造的になるには心の制約を外す。緩和させることが重要であり、それは数多くの失敗によってもたらせる。そして失敗の過程での多様な試み、そしてその無意識的評価が重要であることを述べた。次に、イノベーションについての思い込みについて考えてみた。イノベーションを起こすためのレシピレベルの方法、イノベーションを絶えず生み出せる個人の資質というものは存在しない、少なくとも存在する可能性は少ないことを歴史的にみてきた。その分野について豊富な知見を有し、数多くの失敗を重ねてきた人にしか、創造の女神は微笑んでくれない。私の好きな言葉に、偉大な細菌学者であったパスツールの残したものがある。彼の言葉でこの章をしめようと思う。チャンスは準備された心に訪れる。CHance favors the prepared mind

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2023/01/13

ファクトフルネスの続編?応用編?みたいな内容でなかなか面白かった。 後半内容が難しくなって置いてけぼりになりかけたが、さらっと読めたなぁ。

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2023/01/12

具体的な例や問題をあげて説明しているので、なるほどと思うことが多く、面白かった。 私がなんとなく思っていたような、認知バイアスを人間の欠点としてとらえているような話ではなかった。手持ちのものを使って変化の激しい環境に適応してきた人間というものが、素晴らしいものだと思えた。 それぞ...

具体的な例や問題をあげて説明しているので、なるほどと思うことが多く、面白かった。 私がなんとなく思っていたような、認知バイアスを人間の欠点としてとらえているような話ではなかった。手持ちのものを使って変化の激しい環境に適応してきた人間というものが、素晴らしいものだと思えた。 それぞれの章にブックガイドがついているので、さらに詳しく知りたい人には便利。

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2022/12/07

久しぶりにちゃんとした本を読んだ気がしました。最近はあまり勉強してないのに専門家のような顔をして本を書く人と書かせる出版社が増えました。本当に残念なことです。この本は違います。しっかりと勉強されてます。おすすめ書籍の紹介も豊富なので、入口として最高だと思います。

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2022/11/29

クイズやゲームのようなおもしろい事例を入口として、様々な思考の偏りやクセを幅広く再確認できる一冊。 各章末に参考文献とその簡単な紹介がのっているので、気になった分野を深掘りするのにもいい。 自己決定したはずが実は誘導されてたってことは確かにあるかも。

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2022/11/13

いろんなフィルターを通して人は物事を見ている 各章の終わりにもっと知りたい人へのおすすめ本が紹介されている

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2022/11/03

8章がいちばんお気に入り 何気なく自分がやっていることが、他から起因していたり無意識的に動いてることが多いんだなあ ブリコラージュできるように、自分が使える材料を蓄えておきたい〜

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2022/10/22

私たちは自分の行動の原因をその時の状況に求めるが、他人の行動の原因はその人の性格、意思、態度などに求めることが多い。これは対応バイアスと呼ばれている。 ひらめき、洞察は精神病理学では病識(病気であることを認識すること)と訳される。無意識的システムが相当程度洗練された試行を行った...

私たちは自分の行動の原因をその時の状況に求めるが、他人の行動の原因はその人の性格、意思、態度などに求めることが多い。これは対応バイアスと呼ばれている。 ひらめき、洞察は精神病理学では病識(病気であることを認識すること)と訳される。無意識的システムが相当程度洗練された試行を行った時に、初めて意識的システムができた!と叫ぶこと。

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2022/07/24

心理学の面白いところだけしゃぶり尽くせる本。 実際のところそういう本は死ぬほどあるんだけど、この本は学術的な文脈に沿っていて、よくある誇張も誤解もない点に真の価値があると思う。 この分野に関してもっと専門的な本を読みたいと思っていたのでブックガイドがありがたい。

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2022/06/01

9章の【「認知バイアス」というバイアス】が素晴らしい。 心理学の実験が被験者を間違えさせるような出題の仕方をしていたかもしれないことが紹介されている。 他の本の引用が結構多くまとめ本みたいなところもある。 心理学は「再現性の危機」で過去の実験が再現できないということが多々あった...

9章の【「認知バイアス」というバイアス】が素晴らしい。 心理学の実験が被験者を間違えさせるような出題の仕方をしていたかもしれないことが紹介されている。 他の本の引用が結構多くまとめ本みたいなところもある。 心理学は「再現性の危機」で過去の実験が再現できないということが多々あったため、ここで紹介されている実験が本当に有効なのか、また有効であったとしても9章のように「間違えるように誘導していたのでは」という疑問も残る。 「第6章 言語がもたらすバイアス 」が9章の次に面白かった。

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