湖の女たち の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
舞台が地元なのですが、いろいろな地域がちゃんぽんにされているので、身近な知識が逆に混乱を招きました 結局、事件の真相に近づくのは記者の方で、刑事と介護士の関係の描写は必要なのか?と思ってしまいます そうなった要因は語られますが、出てくる刑事たちが愚かで最低だし、最終章で浮かび上がってくる真相は最悪のもので、舞台の身近さが嫌悪感を増してしまいます 風呂敷を広げた割にうやむやにされる部分も多く、著者の作品の中でも正直イマイチに思います 「生産性のない人間」、この発言への怒りがすべてのはじまりのようには感じました
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いつか読みたいと思いながら なかなかタイミングに恵まれなかった 吉田修一さん はじめまして すごくスッキリとした綺麗な文章で テンポも良く 読みやすいなぁ さすがなんだなぁ と 読み進めたけれど お話の内容は うーん.... ちょっとシュールというか なんというか フ...
いつか読みたいと思いながら なかなかタイミングに恵まれなかった 吉田修一さん はじめまして すごくスッキリとした綺麗な文章で テンポも良く 読みやすいなぁ さすがなんだなぁ と 読み進めたけれど お話の内容は うーん.... ちょっとシュールというか なんというか フランス映画を観た後のような 読後感 とでも言いましょうか この感じをきちんと言語化する 表現力が足りませんでした
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介護施設での老人の死,事故か過失か殺人か.というミステリーかと思っていたら,変態プレーの愛憎劇で屈折した愛情と捜査の行き過ぎに焦点が変わり,そのうち731部隊の話も出てきてどこへ物語は進むのかと思っていたら尻すぼみだった.
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不思議な小説だが、言葉の端々に引き込まれた。 100歳の老人が介護施設で殺された。 犯人を仕立てようとする警察、取材する雑誌記者、介護施設で働く女。 犯人探しだけの推理小説ではなく、湖の景観を紡ぎ出す文章が魅力的だった。 湖の夜明けを丹念に描写する…紅の八塩という夜明けの色。
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「湖はこんなに美しいのに、なんで。そんな気持ちで書いていた」⇒その通り、「湖が生活の一部として厳然とある女たちの時間が描かれて行く。 冒頭で起きた犯罪の行方は五里霧中・・でも誰かが悪に手を染めていることは事実なのに。 冒頭の事で 滋賀県の病院であった入院患者の死亡を巡る冤罪事件と...
「湖はこんなに美しいのに、なんで。そんな気持ちで書いていた」⇒その通り、「湖が生活の一部として厳然とある女たちの時間が描かれて行く。 冒頭で起きた犯罪の行方は五里霧中・・でも誰かが悪に手を染めていることは事実なのに。 冒頭の事で 滋賀県の病院であった入院患者の死亡を巡る冤罪事件と釈放されたかの女性の姿が脳裏をかすめる。しかも、彼女は滋賀県警の尋問の在り方を問う裁判を始めている。伊佐美と啓介の「犯人に仕立てる」という会話が出てきた捜査状況は、インタビューに応じていたあの滋賀県警女性管理職が行った無味感想な答えに繋がって行った。 「湖って、自分が見ているのではなく見られている感覚に陥るんですよ。動かないから穏やかなようで、恐ろしくもある。そして、山や海には覚える『死』を感じなかった。美しいものの先にある危険を感じず、身を守らなきゃという本能がなくなる。人間と自然の境界は、わりと淡いものなんじゃないか」時々訪れる奥琵琶湖を思い出すとそういった温度感があったことを思い出す。かつて起きた「園児列に突っ込んだ暴走車事件」なんかね。 「ここに出てくる人たちの言葉がどれほど罪深いかは、みんな分かっている。だが、こういう考え方をする人もいる。いるのが世界。」恐らく、ネガティヴな感想を持ったであろう読者を背に、吉田が目指していく社会の描き方、私は肯定的。 ただ、いかんせん力不足を感じたのは佳代の人格。国枝との関係は?書ききれていない。 個人的には佳代という人格、非常に疎ましい。軸が無い・・空想を好む人格の特徴によくある「揺らぎ続ける」立ち位置・・性の依存症的な場面も散見して吐き気がした(でも結構あるんだよね・・こういった人格) 圭介という人格もよくある・・面白みがない。性の会話を茶化すことが出来ない裏の顔はマゾだったりサドだったり。それが人間だな。 で満州の氷の上で見つかった少年少女の死体って何?此処迄ポカーンとして放り出されると笑える。
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どこに着地するのかわからない居心地の悪さだけれど、どんどん深みにはまってしまう著者ならでは展開。 この国の膿がすべて物語に反映されているようで、鋭くもあり怖い。 エンディングをここにするところがいちばんの見どころ。 私的には、久々の小説らしさを感じた秀作。
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どうしても幸せになれない というか あえて不幸を求めてしまう男と女の関係が ひりひりと痛く、せつなく やるせなかった… けれど、問題と 「薬害事件」「七三一部隊」「障害者殺傷事件」等 たくさんのヒントをばらまいて 回収も答え合わせもせずに終わってしまった。 なぜ?どうして?何が?...
どうしても幸せになれない というか あえて不幸を求めてしまう男と女の関係が ひりひりと痛く、せつなく やるせなかった… けれど、問題と 「薬害事件」「七三一部隊」「障害者殺傷事件」等 たくさんのヒントをばらまいて 回収も答え合わせもせずに終わってしまった。 なぜ?どうして?何が? 最後まで「?」が残った。
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何、結局、100歳の市島民夫は元鍼灸師の介護士服部さんのアイドル顔負けの可愛い孫娘がその取り巻きたちと、害虫駆除のごとく人工呼吸機を止めたってこと? そして余罪も重ねてって。 一番、かわいそうなのは犯人に仕立てられたその日、当直だった松本さんじゃない。 怖いわ、警察って。最初のシ...
何、結局、100歳の市島民夫は元鍼灸師の介護士服部さんのアイドル顔負けの可愛い孫娘がその取り巻きたちと、害虫駆除のごとく人工呼吸機を止めたってこと? そして余罪も重ねてって。 一番、かわいそうなのは犯人に仕立てられたその日、当直だった松本さんじゃない。 怖いわ、警察って。最初のシナリオありきなのね。(小説の中だけだと思いたい。) 本編となんら関係なく介護士の佳代と刑事の圭介の変態みたいな共存関係が主軸になっていて?だった。 昔は不正を憎んでた血気盛んな伊佐美(圭介の上司の刑事)が今は冤罪に加担するどうしょもない刑事に成り下がったのは、あの薬害被害のホシを握り潰された経験からか。 その薬害被害事件と政治家との癒着と満州での七三一部隊の 話とどれも中途半端で、いきなり孫娘(三葉)でちゃんちゃんってどうなの。
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刑事と主人公の女性の突飛な行動。生理的嫌悪感ムクムク。人は理性の生き物ではないが、極端過ぎ。なくても731エピソード成立する。ミステリーとしてもなんだか中途半端な終わり方。久しぶりの作品に期待しすぎたか!残念。さりげなく「トランプが大統領になったんは笑たけど。世界がそうなんやから...
刑事と主人公の女性の突飛な行動。生理的嫌悪感ムクムク。人は理性の生き物ではないが、極端過ぎ。なくても731エピソード成立する。ミステリーとしてもなんだか中途半端な終わり方。久しぶりの作品に期待しすぎたか!残念。さりげなく「トランプが大統領になったんは笑たけど。世界がそうなんやから、俺らごときの刑事がどんな悪さしたところで、誰が気にすんねんって話や」この4年はモラルハザード引き起こし、確実に世界を蝕んだ。
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表紙が描いている場面を理解した時、犯人が解った時、2回ゾッとした。 映画化するなら園子温が良いと思う。 佳代は神楽坂恵で。
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