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誓願 の商品レビュー

4.5

33件のお客様レビュー

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2024/04/07

気になっていたドラマの原作という事で読み始めた。最初はよく分からなかったけど、設定が結構面白い。他にも女性をテーマにした本を出しているらしいので、読んでみようと思う。 続編だからか、男性や平民の描写が少ないので、何とも言えない分からなさがあった。しかし、妻候補の不安は当たり前の感...

気になっていたドラマの原作という事で読み始めた。最初はよく分からなかったけど、設定が結構面白い。他にも女性をテーマにした本を出しているらしいので、読んでみようと思う。 続編だからか、男性や平民の描写が少ないので、何とも言えない分からなさがあった。しかし、妻候補の不安は当たり前の感情だし、シュナマイトの純粋さは怖いと思った。 また、アグネスのギレアデを思う気持ちは、とても尊いものだと思った。

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2024/02/23

「侍女の物語」のあと15年後の世界。リディア小母は小母のなかで最高位についている。カイル司令官とタビサの娘としてギレアデ共和国に育ったアグネス。カナダで古着屋の娘として育ったデイジー。この3人の物語が交互に語られる。 ギレアデ国の子孫継続政策は変わらず続いており、信じられない統...

「侍女の物語」のあと15年後の世界。リディア小母は小母のなかで最高位についている。カイル司令官とタビサの娘としてギレアデ共和国に育ったアグネス。カナダで古着屋の娘として育ったデイジー。この3人の物語が交互に語られる。 ギレアデ国の子孫継続政策は変わらず続いており、信じられない統制のもとに人々は暮らしている。。ギレアデ国では小母以外の女性は読み書きを許されていず、アグネスは字を読むことはできないようだ。一方カナダで育つデイジーの周りには、ギレアデ国からやってくる「真珠女子」がいて不穏な空気もある。 リディア小母は何やら「手稿」として出来事を書き綴り、今は読む人もいないカトリック枢機卿の書物をくりぬきそこに隠している。この最初から、リディア小母は何か企んでいるのだな、と感じる。アメリカやカナダとは地続きであるギレアデ国、こんな理不尽な国は壊れてほしい、と思い、この「手稿」が効果を発しますように、、との想いで読み進める。 これを読んでる間、ロシアのナワリヌイ氏が不審な獄中死を遂げた。なにかギレアデ国をちょっと思い浮かべる。リディア小母は現実の告発に「言語」を使った。ナワリヌイ氏も言葉で戦ったが力尽きた。 物語はリディア小母の「手稿」、アグネス、デイジーのは証人供述として語られる。そして最後の章は2197年のオンタリオ州アニシナアベ大学の第13回、ギレアデ研究シンポジウムだ。基調講演は英国ケンブリッジ大学・二十及び二十一世紀古文書保管所所長の講演なのだ。21世紀の古文書保管所、おおー、21世紀が保管されて・・ 壁画になって朽ち果てて、アレクサンダー大王の壁画と同じようになっている、、なんて画面が頭の中に浮かんできた。 「侍女の物語」は1985発表。34年後の2019年に発表された「誓願」。その間に冷戦は終わり、バラ色の未来が開けるのかと思いきや、なにやらギレアデ国が連綿として続いているような。 2019発表 2020.10.15初版 図書館 キリスト教の知識があると小ネタの理解が深まるか。 小川公代氏の解説で、リディア小母たちが立ち上げた「ラケルとレアのセンター」の「ラケル」の由来は、聖書の創世記に登場するヤコブとその妻ラケルの名前であり、ヤコブとの間に子供ができなかったラケルは自分の女奴隷にヤコブの子供を産ませ、自分の子供としたという逸話を、ギレアデ国が利用しているのだ、とあった。

Posted byブクログ

2023/09/27
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

読んでいる最中にアトウッドのトランス差別発言を見て、うう…となりながらも最後まで読んだ。めちゃくちゃ面白いんだよなあ。『侍女の物語』は警告の書だったが、『誓願』はこの世を映す鏡だ。世界が好転することを願う。生活は続くし何とかやっていきましょうね、自分のような女が愉快にのさばっていることそのものが抵抗、私たちを押しつぶしたがる者たちへの復讐になるのだ。と思って生き延びる。

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2023/09/25

600ページ以上の長編だったけれども続きが気になりすぎて延べ数日で読み終えた。 侍女の物語は閉塞感がすごくて読み終えて疲れたけれども続編である本作は小母、請願者、そしてギレアデ外からのそれぞれの視点で話が進行してハラハラしながら読んだ。作者がこれまで歴史上や現実社会に存在しなか...

600ページ以上の長編だったけれども続きが気になりすぎて延べ数日で読み終えた。 侍女の物語は閉塞感がすごくて読み終えて疲れたけれども続編である本作は小母、請願者、そしてギレアデ外からのそれぞれの視点で話が進行してハラハラしながら読んだ。作者がこれまで歴史上や現実社会に存在しなかったものは書いた事がないと述べたように本作は決してディストピア小説ではなくどこかで起きた・起きていることなのだと思う。読んでいてポルポト時代のカンボジアなんかも連想してしまった。 最終的には希望の物語なのだろうけれども、社会的地位も何もかも奪われて不本意ながらも究極こ選択をして、でも文字通り命をかけてやるべきことを成し遂げたリディア小母と、隠れたヒロインとも言うべきベッカの最後の覚悟にグッと来た。 1人でも多くの人に読んでほしいすごい作品です。

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2023/08/18

前作『侍女の物語』から34年ぶりの続編。 前作はオブフレッドの一人語りで真っ暗なトンネルを手探りでずっと進んでいくような孤独さがあった。 『誓願』ではまったく境遇の違う3人の女性主人公たちによる語りで物語は進む。 女性でありながら、ギレアデ共和国内にて強力な権力を保持するようにな...

前作『侍女の物語』から34年ぶりの続編。 前作はオブフレッドの一人語りで真っ暗なトンネルを手探りでずっと進んでいくような孤独さがあった。 『誓願』ではまったく境遇の違う3人の女性主人公たちによる語りで物語は進む。 女性でありながら、ギレアデ共和国内にて強力な権力を保持するようになったリディア小母。司令官の家に産まれた少女アグネス。そしてカナダで古着屋を営む両親のもとに産まれ育ったデイジーの3人だ。 このまったく生まれも境遇も違う3人が、繋がっていく。 今回はまさに”シスターフッド”の物語であり、希望の物語であった。 よりエンタメ性が強くなっていて、はっきりと面白い。 そこには昨今のme tooムーブメントから再び盛り上がってきたフェミニズムの波に対して希望を抱いているからかな、という気持ちを抱いたりもした。

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2023/07/11
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

侍女の物語とあわせると結構な長編。 どっぷり浸かった物語、世界観の終わりに、寂しい気持ちになります… 男性による女性の抑圧だけでなく、抑圧される女性の中でもさらに抑圧や分断、対立がうまれる社会の描き方が、ゾッとするほどリアルで丁寧なものでした。分断は重層的で縦にも横にも入り組むものですね。 そんな分断を乗り越えた3人の女性の合流は感動的で、終盤の2人の国からの脱出の力強さと疾走感は凄かったです。 最終的にハッピーエンドになったのを素直に喜びました。最後まで強くあった女性達(と少ないながらもそれを支えた男性)の勝利に拍手しました。 国家の最期までを描いて三部作としてほしい。期待!

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2023/03/30
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

侍女の物語とはまた違って、展開がダイナミックになってこちらも面白かった。 脱出成功から最後のまとめ方がちょっと駆け足でわかりづらいかな? 侍女の物語と誓願の間、オブフレッドがニコールを産んでどうやってギレアデから逃げてきたのかももう少し詳しく知りたい。

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2022/11/18

侍女の物語を読んだので、続編ということで読んでみました。侍女の物語より、明るさがあって読みやすかったです。とても面白かった。 本の最後に載っている解説も読んだんですけど、解説は読まなくても良かったなって思いました。小説は政治信条に関係なく、楽しく読みたいです。

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2022/09/24

『侍女の物語』の続編。 ただし物語そのものは独立しているので、どちらから先に読んでも構わない。 侍女の物語は、1985年に出版、本作はその35年後(謝辞より)にして語られた、ギレアデ共和国が崩壊した「理由」である。 物語そのものは女性にとってはディストピアである。 (しかしこの...

『侍女の物語』の続編。 ただし物語そのものは独立しているので、どちらから先に読んでも構わない。 侍女の物語は、1985年に出版、本作はその35年後(謝辞より)にして語られた、ギレアデ共和国が崩壊した「理由」である。 物語そのものは女性にとってはディストピアである。 (しかしこのリアルの世界であっても、ディストピアに近い生活を強いられている女性は多いに違いない)。  「アルドゥア・ホール手稿」の編では、仕事を持ち、誇りを持って働いていた女性たちの尊厳が次々に貶められる。 そこから逃れるには、女を見張る女でなくてはならなかった。 さもなければ、昨日まで同室だった別の女に、脳みそをぶち抜かれるだけだ。 それでもひたすらに暗くならないのは、幼子ニコールが語る物語に希望を見出せるからである。 また、女を見張る女である「小母」の名前が、かつての女性たちが愛用したものから取られている、なんてユーモアが混じっているから。 ヴィダラやメイベリンはヘアケアやコスメのあれ。 ヴィクトリアも、きっとシークレットなあれでは? 水面下で動く人々、折れない心を持ったり、真実を知るために動く人々。 彼女たちこそ、このガラスの天井も、閉じ込める壁も壊すに違いない。 いつかは、私が暮らすこの国も、近い未来きっと変われるはず。 ガラスの天井も、壁も取っ払って、男女関係なく、きっと自分らしくいられる社会が作れるはず。 自分のために、続く人々のために、未来のために、一読の価値がある作品だ。

Posted byブクログ

2022/07/10
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

図書館で1年以上待って読みました。いやー面白かった。 リディア小母、アグネス、デイジー三人の物語が進行し、交わり、一つになる。 リディア小母の壮絶な過去、策略と、満願成就のギレアデの崩壊。表面上は体制に従い、トップの実力者まで登り詰めながら、虎視眈々と息の根を止めることを狙い続けていたなんて、その胆力に敬服してしまう。オブフレッドの時もそうだったけど、こんなにも力強く生きられるのかと、勇気をもらう。 アグネスも好きだったな...ベッカは悲しかった... デイジー、ニコールの話はもちろん一番親近感があるのだけど、話自体は突拍子のなさも少し感じたので感情移入しきることはなかった笑 歴史として見るものと、実際に起きたことの温度差はこんな感じなのだろうし、小説だからこそ味わえる面白さであった。 間違いなく性別に関係なく読んで欲しいディストピア小説の名著であるl

Posted byブクログ