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夜がどれほど暗くても の商品レビュー

3.7

42件のお客様レビュー

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2021/08/22

図書館で借りた本。 雑誌の副編集長の志賀の元へ、ある日息子の健輔が人を殺した容疑があると警察が訪ねて来た。息子に会わせて欲しいと頼んだが、健輔もまた、亡くなっているという。訳がわからないままに容疑者の父親としてマスコミに追われる立場になった志賀の苦悩。犯罪者の家族とはそういうこと...

図書館で借りた本。 雑誌の副編集長の志賀の元へ、ある日息子の健輔が人を殺した容疑があると警察が訪ねて来た。息子に会わせて欲しいと頼んだが、健輔もまた、亡くなっているという。訳がわからないままに容疑者の父親としてマスコミに追われる立場になった志賀の苦悩。犯罪者の家族とはそういうことなのかと考えさせられた。

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2021/07/23

加害者の家族として、追う立場から追われる立場になった雑誌編集者を主人公に、左遷され家族も崩壊し、絶望の淵に追い込まれる様を、生々しく描くミステリー。 被害者遺族と加害者家族とは、全く相反する立場であり、特に遺族にとって加害者とその家族は憎んでも憎み切れない相手である。 決して相い...

加害者の家族として、追う立場から追われる立場になった雑誌編集者を主人公に、左遷され家族も崩壊し、絶望の淵に追い込まれる様を、生々しく描くミステリー。 被害者遺族と加害者家族とは、全く相反する立場であり、特に遺族にとって加害者とその家族は憎んでも憎み切れない相手である。 決して相いれない両者でありながら、”正義”の名のもとに、共に世間やネットで叩かれる。 この両者が出会うことによっって、さらに事態は進展する。 担当刑事の緻密な捜査により、やがて明らかになる真実。 小さなどんでん返しにより、爽やかな読後感に浸れる。 『夜がどんなに暗くても』夜が明ければ、希望が。

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2021/07/08
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

ゴシップをウリにする週刊誌の副編集長が主人公。彼の息子にストーカー殺人犯の嫌疑がかかり、息子自身も死亡。ネタを追う側が追われる側に変わるとどうなるか。 既婚俳優と若手女優の不倫話だとか、お騒がせ議員の問題発言だとか、リアルなゴシップを反映した小説をこんなにも速攻で書ける七里センセは凄い。 だけど、私にとっては最近の七里作品の中ではいちばんつまらなくて、宮藤・葛城コンビが出てこなかったら耐えられなかったぐらい。いつものドンデン返しすら肩すかしもいいとこ。 ところがそのままでは終わりませんでした。抱腹絶倒の巻末、西原理恵子の解説漫画。そう読めば面白いやんか。へい七里、じゃなくて西原さん、次も待ってるぜ(笑)。 後書きから読む習慣のある人、決して後ろから読んではいけませんよ。抱腹絶倒だけど、ネタバレ全開ですから。

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2021/02/28

犯人が誰かということは二の次で志賀さんの一方的な悔恨というか救済への道筋かな。もっと周りに感謝する気持ちがほしいです。

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2021/02/07

第一章 誰彼 第二章 人定 第三章 夜半 たそがれ にんじょう よわ 第四章 鶏鳴 第五章 日出(陽はまた昇る) けいめい にっしゅつ 取材する側、される側。両方の経験が今後の糧...

第一章 誰彼 第二章 人定 第三章 夜半 たそがれ にんじょう よわ 第四章 鶏鳴 第五章 日出(陽はまた昇る) けいめい にっしゅつ 取材する側、される側。両方の経験が今後の糧になるだろうか。持っている人格・性格次第かもしれないけれど、どうか良い方向に進めるように

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2021/03/23

雑誌副編集長に降りかかった息子の死による事件、いきなり取材対象者側となり・・ あっけない最後となりました。

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2021/01/19

殺人事件の加害者遺族と被害者遺族はどうなる?なお話。 散々ゲスな週刊誌の副編集長として生きてきて、家族もほったらかしだった男(父親)が追われる立場になっていろいろ反省するのですが・・・ 作者もゲスなマスゴミ関係者が相当お嫌いのご様子でそのお気持ちが十分伝わってくる作品。 また...

殺人事件の加害者遺族と被害者遺族はどうなる?なお話。 散々ゲスな週刊誌の副編集長として生きてきて、家族もほったらかしだった男(父親)が追われる立場になっていろいろ反省するのですが・・・ 作者もゲスなマスゴミ関係者が相当お嫌いのご様子でそのお気持ちが十分伝わってくる作品。 また、そんなゲスなマスゴミに簡単に誘導させられてしまう馬鹿な視聴者購読者をも目を覚ませと言っておりますね。 そんな部分を楽しみたい方にはオススメ。

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2021/01/11

犯罪被害者の家族と加害者の家族、想像しただけでも情報が溢れる現代社会ではどちらの側も衆人の前に晒される。いいことも悪いことも、真実も嘘もないまぜにされ、事件に関係のない人々の好奇心を満たすためだけに表に晒される。 それが、報道をする立場の人間の身内が加害者だとしたらどうなるか。昨...

犯罪被害者の家族と加害者の家族、想像しただけでも情報が溢れる現代社会ではどちらの側も衆人の前に晒される。いいことも悪いことも、真実も嘘もないまぜにされ、事件に関係のない人々の好奇心を満たすためだけに表に晒される。 それが、報道をする立場の人間の身内が加害者だとしたらどうなるか。昨日までそのような加害者や加害者関係者を断罪して当然のように報道していたものがである。 そのような報道やネット社会の中でそのような立場になったものたちはどのような感情をもち、どう行動するのか。まさに現代、「今」を題材にした小説である。 しかし著者は単にマスコミ批判をしているのではない。ミステリー要素を絡ませながら、ストーリーは展開していく。暗く重いテーマの小説ではあるが、それゆえ主人公たちが再生へと向かう姿勢を応援したくなる。

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2020/12/03
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

犯罪被害者家族と加害者家族の本当の敵は 「歪んだ正義感」を持った「匿名の第三者」。 加害者の父となった志賀と、被害者の娘となった奈々美が、事件後に受けた誹謗中傷には、読むのが苦しくなるほど辛かった。 事件の真相は実にあっけないものだったが、奈々美と志賀夫妻に夜明けが訪れたようなラストには、少し救われたような気がした。

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2020/11/04

被害者遺族と加害者遺族は、本当に分かり合えるのか? なかなか重いテーマですが、色々と伏線(新聞配達や鍵コピーなど)もあり、ミステリーとして、楽しめました。 志賀倫成(しがみちなり)は、大手出版社の副編集長というベテラン記者。常に、芸能人やタレントなど、スキャンダルを『追うもの』...

被害者遺族と加害者遺族は、本当に分かり合えるのか? なかなか重いテーマですが、色々と伏線(新聞配達や鍵コピーなど)もあり、ミステリーとして、楽しめました。 志賀倫成(しがみちなり)は、大手出版社の副編集長というベテラン記者。常に、芸能人やタレントなど、スキャンダルを『追うもの』。 しかし、ある日、息子の健輔(大学生)が、大学講師の夫妻を刺殺し、自らも自殺した、という疑惑がかかる。 その日を境に、『追うもの』から『追われるもの』へ、立場が逆転する。 正義の名の元に、近隣やマスコミからの執拗な嫌がらせを受け、家庭も崩壊してしまう。 しかし、... 最後には、中山七里氏得意の『どんでん返し』が炸裂します。 最後の一行、 『鞠子は不思議そうな顔をしていた。』 で物語は終わりますが、今後、関係者の希望に満ちた未来を信じたいと思います。

Posted byブクログ