イノセンス の商品レビュー
一気に読んでしまいました。 少年の過ち…逃げてしまった愚かさに気がついた時自分の大切なひとを傷つけていた事、 良い本でした。
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高校受験前の中学生のとき、恐喝されたうえ殺人事件にまで巻き込まれた主人公・音海星吾が、大学生になってから不気味な出来事に翻弄される物語。始めの方はちょっとホラーっぽい雰囲気の話だったが、中盤以降は主人公の救いの話になって行き、とても面白く感じられた。
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『ジャッジメント』『罪人が祈るとき』『救いの森』と立て続けに問題提議作品を発表される小林由香さん。 タイトルの『イノセンス』意味は「無罪、潔白」本作はその意味通り、法で裁かれない者の贖罪がテーマだ。 中学時代、不良に絡まれた星吾は彼を助けようとして刺された青年・氷室を見捨て逃...
『ジャッジメント』『罪人が祈るとき』『救いの森』と立て続けに問題提議作品を発表される小林由香さん。 タイトルの『イノセンス』意味は「無罪、潔白」本作はその意味通り、法で裁かれない者の贖罪がテーマだ。 中学時代、不良に絡まれた星吾は彼を助けようとして刺された青年・氷室を見捨て逃げてしまう。 その後、氷室は死亡。 3人の不良は当然その罪を問われ法的に裁かれるが、逃げた星吾に与えられた罰は世間からの終わりのないバッシング。 この世に大小の差はあれど罪のない人間なんていない。 人が人を裁くと言う事、真の贖罪の意味を問われる。
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読書備忘録699号。 ★★★★☆。 小林由香さんを読んで苦しむシリーズ。笑 苦しかったです。ただ、小林さんらしくラストは救いのある終わり方でした。 主人公音海星吾、大学2年生。 ベランダに「カガイシャハシネ」と書かれた文庫が投げ込まれる。どうやら何かしらの事件の加害者とされていることはわかる。 動揺する気持ちを落ち着かせ、大学に向かう。 最寄り駅で電車に飛び込もうとする男性を救う。ただ、「昼間に飛び込むな。迷惑だ。飛び込むなら深夜にしろ」と暴言を吐く。 その場に居合わせた女子大生が「今の発言でこの男性が今夜自殺したら、貴方のせいだ!」と星吾を罵る。その言葉に星吾は動揺する・・・。 星吾の心の闇。中学3年の時・・・。 成績優秀だった星吾は、数か月後に行われる高校受験に向け、夜遅くまで塾に通っていた。塾からの帰宅途中、カツアゲに合う。助けてくれた大学生氷室慶一郎。そして、慶一郎はナイフで刺されて殺された。 ナイフで刺されて苦しむ慶一郎を見捨てて逃げてしまった星吾。逃げた中学生は加害者と同じだ!とネットで誹謗中傷が吹き荒れる。個人を特定された星吾はネットで、リアル世界であらゆる嫌がらせ、攻撃を受け、心的外傷後ストレス障害を患い今に至る。 そして今。大学では美術サークル顧問の宇佐美に労わられるようにひっそりと生活を送っていた。 コンビニでのアルバイトでも、同じ大学に通う吉田光輝くんが良くしてくれていた。 そして、ホームでの自殺未遂現場に居合わせた女子大生、黒川紗椰。母親を自殺で亡くしており、それは自分のせいだ、と星吾と似た加害者としての闇を抱えていた。次第にお互い惹かれていく星吾の紗椰。 そして加害者への復讐が動き出す・・・。 星吾を狙っているとしか思えない花瓶の落下事故や、車道に突き飛ばされる事故が起きる。 慶一郎を殺害した加害者がナイフで刺されて殺される。 復讐しようとしているは誰なのか? 宇佐美の過去、光輝、紗椰の慶一郎との関係が徐々に明らかになっていく。 そして星吾への復讐が実行に移される! 良く練られたミステリでした。 加害者への復讐心に精神を乗っ取られ、正常な判断が出来なくなっていく様が恐ろしい。 自らをずっと加害者だとして悩み、執拗に繰り返される嫌がらせと誹謗中傷の中で他人との係わりを極度に恐れて生きてきた星吾の苦しみ。 そんな中で手を差し伸べてくれた宇佐美や光輝。星吾は学生コンクールに心の様を描いた絵を応募する。 その絵とは何を描いたものなのか・・・。 星吾への復讐事件の真相と共に、絵の内容が明らかになるエンディングは例にもれずジジイの目が潤んでしまいました。電車の中で。笑 加害者とは?贖罪とは?復讐とは?を考えさせられる物語でした。 まだまだ続く小林由香さんを読んで苦しむシリーズ! 実は私の苗字も小林だったりする。笑
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怪しげな人物が主人公の周りに配置されていて、それが二転三転する展開はエンタメ作品として面白かったです。真相が明かされてくると、トリッキーな人物が多く、こんなひといる?!こんな思考になる?!となりますが実は主人公を助けて命を落とした大学生の設定や人物像が一番非現実的に感じます、、、
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中学生の頃に不良に絡まれた。助けにきた大学生が刺されてしまったがそのまま放置して逃げてしまった。その大学生は亡くなってしまう。その後、ずっと誹謗中傷され心を閉ざした。大学生となり周りの友人に思わぬ繋がりが、、あまりに辛くて痛い。最悪な展開にならなくてよかった。
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中学生とはいえまだまだ子供。 咄嗟に色々な事を考えすぎてパニックになって逃げてしまった気持ちは理解できる。 なんだか周囲に事件関係者集まりすぎじゃないかい? あまり深く心に刺さる部分はなかったかな。
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01月-04。3.0点。 中学生の時に、不良に絡まれた際に助けに入った青年を見殺しにし、ネットでも叩かれた主人公。 大学に入り、信頼できる友人、先生、そして気になる女性もでき。。。 前半、主人公のネガティブさに辟易。終盤でやっと救いが。真相に迫るのが遅すぎ感。。
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中学生時代に恐喝されているところを助けてもらったのに、その後見殺しにし逃げてしまったことで世間から吊し上げられた少年。心を閉ざして生きてきたけれど、大学生になりバイト仲間に心を開き始めたところでまわりに不穏なことが起こり始める、というミステリー。 自分を守ろうと、つい逃げてしま...
中学生時代に恐喝されているところを助けてもらったのに、その後見殺しにし逃げてしまったことで世間から吊し上げられた少年。心を閉ざして生きてきたけれど、大学生になりバイト仲間に心を開き始めたところでまわりに不穏なことが起こり始める、というミステリー。 自分を守ろうと、つい逃げてしまったことで取り返しのつかないことになってしまった…というのは誰にでも起こりそうで、私でもとっさに勇敢に動ける自信はない。その一瞬の誤った判断によって一生苦しまなければいけないのか…考えさせられる。 救いのあるラストでよかった。あとおじいちゃんがとても素敵。
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読後、タイトルと装丁が哀しく痛い。 星吾は加害者なんだろうか…とずっと思いつつ読みました。当事者としてみればそう考えるのは致し方ないと思うものの、全然関わりのない立場から見たら彼だってやはり被害者だよな、と私には思えます。 たぶんこれはきっと登場人物みんな絡んでくるんだろうなと思いはしたけれどそういう展開ですかと予想の斜め上でした。結末は予想通りでしたが。 「ジャッジメント」以来注目している作家さんの一人です。
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