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日没 の商品レビュー

3.8

169件のお客様レビュー

  1. 5つ

    27

  2. 4つ

    74

  3. 3つ

    43

  4. 2つ

    9

  5. 1つ

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2024/08/03
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

桐野夏生作品、OUTの衝撃を超えるか?作家を主人公とした監禁もの。ラストの展開がやっぱり不条理だった。主人公はエロ小説を書く作家。とある日、コンプライアンス違反で総務省から出頭命令が出る。場所は千葉県の断崖絶壁を背にした矯正施設。主人公は訳が分からない。そこでは廊下や部屋に監視カメラが付き、一切の自由がない。もしそこで反抗的態度を取ると減点され滞在延期となる。この不条理で作家は何人も自殺しているようだ。そんな時、こっそり甘い言葉をかけてくれる看護師と職員がいるが罠だった!OUTは超えていないが凄かった。⑤

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2024/07/08

バッドエンド?という言葉ではとうてい言い表わせない、胸糞悪い結末(いい意味)でしたが、初めての桐野夏生さんの作品を十分楽しむことができました。 もう少し気持ち落ち着いてから、桐野さんの作品読ませていただきます。刺激強。

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2024/07/02

桐野夏生さんの作品を読んでいれば、ホラー映画にでもできそうな怖さと結末はわかる でも、初めて読む人にはこわいし、救われるところがないような作品だと思う(だから、違う作品から読んでほしい…)

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2024/06/17
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

病気の治療で気分が悪く、沢山薬を飲んでいる時に読んでしまった。途中でこれはヤバいかもと思ったけれど、もしかしたら抜け出せられるかもしれない、こんな理不尽な事があるわけないと思って最後まで読了して、無事死亡。希望がない。 結果、人生で一、二を争うほど辛いホラー小説になってしまった。もう絶対に再読できないと思う。

Posted byブクログ

2024/06/15

こちらはTomoyukiさんのレビューから、めちゃくちゃ面白そうだったので 読みたーーい!と手にした本です。とはいえTomoyukiさんのレビューを読むとどれもこれも面白そう!ってなるんですが。(これの前に読んだ桐野夏生さんの『燕は戻ってこない』も実はTomoyukiさんのレビュ...

こちらはTomoyukiさんのレビューから、めちゃくちゃ面白そうだったので 読みたーーい!と手にした本です。とはいえTomoyukiさんのレビューを読むとどれもこれも面白そう!ってなるんですが。(これの前に読んだ桐野夏生さんの『燕は戻ってこない』も実はTomoyukiさんのレビューを読んで図書館予約しました´▽`)ノ) ✎┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈ 作家 マッツ夢井は 同業者の女性作家 木目田蟻江の大ファンだった。木目田は世間ではエロ小説を書く女性作家と認識されていたが、マッツは彼女の才能に嫉妬していた。そんなマッツは昨年 タブーや世間一般の良識を無視したような性愛を描いた作品を出版した。 ある日 マッツのもとに「総務省・文化文芸倫理向上委員会」というところから『召喚状』が届く。読者から提訴されたマッツへ 数日間の講習を受けろと言う出頭要請だった。 読者からの提訴? 出頭? 訳のわからぬまま マッツは飼い猫を預かってもらおうと、弟へ電話をかける。そこで弟から「最近、小説家の自殺がやたらと多い」という噂を聞く。そういえば、木目田も鬱で入院していると聞いた。 出頭日、指示された駅で待つマッツは、迎えにきたブンリン(文化文芸倫理向上委員会)職員の男の車で『療養所』へと向かう。着いた先は茨城県にある断崖絶壁に囲まれた『小説家の収容所』だった─。 ┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈ 怖いっ! 収容所が怖いっ! 差別、暴力、異常性癖、これらを書いた小説は社会の常識から外れた作品とみなされ、こういった作品を書く作家を 政府が「更生」させるという。 そこはまるで監獄。いや、監獄の方がマシかもしれない。番号で呼ばれ、生活の全てを監視され、 そして【社会に適応した作品】を書く作家に矯正させられる。 歯向かえば減点がつき 恐ろしい罰が待っている。逃げ出すことすら出来ず、恐怖で支配され、ブンリンの喜ぶような作品を書かされ…。 読んでるだけで精神が崩壊しそう。 ギリギリ精神で「表現の自由」を叫ぶマッツは強い。「作品は自由。人間の心の中は自由だからだ。国家権力がそれを禁じてはいけない。それをやったら検閲だ、ファシズムだ」 読者のクレームで どんどん「悪い」作家が収容されて 政府によって更生され続けたら… 未来の私たちが手に取る小説は「良い本」だらけになるのでしょうか…。 『あたなが書いたものは「良い小説」ですか?「悪い小説」ですか?』 ☆は5をつけようって読んでる時から思っていたんだけど、ラストが衝撃すぎてすぎて!! 「え、、、なんで?!」って… Σ(ㅇㅁㅇ;) 闇すぎて4 笑 ※ 東洋経済オンラインの著者インタビューで ラスト15行のお話もされてて、なるほどーってなった。

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2024/05/19

怖かった マッツ先生にハラハラしながら、あっという間に読み進めたけど、怖すぎた。しばらくシチューは食べられそうにない。

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2024/05/04
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

ライブ感。現代版1984。 ツッコミどころは多いと思う。コンセント、風呂の絵、A45、越智の謎、全体的に投げっぱなし感。 しかしこの小説はそんなことを気にするべきではない。 『小説の主人公として』あまりにも一貫性がない。これが読者に強烈な鏡を向けているのだ。「マッツはお前だ。お前は同じ状況になったとき、必ず同じ行動をとる。」というぐらい弱い。 状況に諾々と従う割に突如怒りにまかせて抵抗し、半端なプライドにしがみつき、不安になるとまた従順になる。極めて平凡で愚鈍なのだ。 無駄に逆らわなければ出られる可能性が高いのに、よくわからない言い訳をしてそれをしない。しかし完全に抵抗するのでもなく、中途半端な行動・言動。マッツは人間の弱さ、醜さの塊である。 そんなマッツを、「転向組」がリスクを負いながら助ける。 どう終わらせようと作者の自由だし、どう解釈するのも読者の自由。最後の結末の直前がラストであると私は解釈する。 生き永らえる。しかしブンリンは恐らく死亡を信じず捜索するだろう。マッツはもう小説を書かない。 いや、すべての目的が「自ら命を絶たせること」に集約しているのだとしたら。それは迂遠だし意味がわからない。

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2024/05/02

とてつもない衝撃・・・おそるべきサスペンス小説! ポルノ小説に定評のある中年女性作家。マッツ夢井(ペンネーム)。 彼女に<総務省文化局・文化文芸倫理向上委員会>を称する組織から、突如 召喚状が届く。 向かった先は茨城にある<七福神浜療養所>な...

とてつもない衝撃・・・おそるべきサスペンス小説! ポルノ小説に定評のある中年女性作家。マッツ夢井(ペンネーム)。 彼女に<総務省文化局・文化文芸倫理向上委員会>を称する組織から、突如 召喚状が届く。 向かった先は茨城にある<七福神浜療養所>なる謎の施設。それは断崖絶壁に囲まれた、脱出不可能な場所にあった。 そこでは「思想に偏向がある」とみなされた作家が<治療>と称して、事実上監禁されていた。 看守のような職員はみな非人道的で、収監者からは自殺者が多発している。彼らの対応が酷すぎて、憤りを通り越して恐怖をおぼえる。 戦中の特攻警察や、アウシュビッツ、某ロ○アや某中○を連想させるディストピアが描かれるが、過去、いや現在に至っても、このような行為が行われている(だろう)現実が、ひたすらにおそろしい。 コンプライアンス、ポリティカル・コレクトネスが、言葉狩り、ひいては思想狩りにつながっていく可能性。 自由と尊厳を奪われながらも、意思の力で思想の矯正に抗い、助かる道を探るマッツ夢井。彼女の強さを心から応援してしまう。 怪しげな職員たちに信用できる人間はいるのか? この地獄から彼女は脱出できるのか? はたしてマッツ夢井は魂の尊敬を守れるのか。 息もつかせぬ展開に一気に読み終えてしまう。 おそろしいストーリーもさることながら、この結末はぜひ読んでいただきたい。

Posted byブクログ

2024/02/18

小説家の主人公のもとに、「文化文芸向上委員会」から召喚状が届く。出頭した彼女は、「療養所」に軟禁される。軟禁されたのは、彼女が反社会的な小説を書いたから。「療養所」は、それを矯正・更生するための施設だった。彼女は抵抗するが、その抵抗は全く意味のないものであった。 悪夢のようなと...

小説家の主人公のもとに、「文化文芸向上委員会」から召喚状が届く。出頭した彼女は、「療養所」に軟禁される。軟禁されたのは、彼女が反社会的な小説を書いたから。「療養所」は、それを矯正・更生するための施設だった。彼女は抵抗するが、その抵抗は全く意味のないものであった。 悪夢のようなというか、ある意味で、最も恐ろしいシチュエーションを描いている。 人知れず、外部と連絡のとれない施設に軟禁される。抵抗しても、外部の人間に届かないので、何の意味もない。そのうちに、薬でコントロールされ、更には拘束衣を着せられる。生殺与奪の権利を第三者に持たれ、自分の出来ることは何もないままにこの世から消えていく可能性が高い。やれることは、何もない。絶望的だ。イメージとしては、北朝鮮で思想犯として捉えられたような感じ。 私はほとんど恐怖小説として読んだが、作家である桐野夏生の小説執筆の動機は、もちろん、別のところにあるはずだ。作家というのは、言論あるいは表現の自由に最も敏感な存在であるはずである。その桐野夏生が、このような小説を書くということは、作家である彼女が、言論・表現にかかる危機をリアルに感じているということなのだろう。あるいは、私が鈍すぎるのか。

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2024/02/02

この本を恐れ、孤独、不安…を感じながら読みながらいっきに読んだ。 次のページ、章に移るたび、どんな風に展開するか自分自身の想像を膨らませながら、はらはら、時に悲しみ、笑う。人として生まれたことに感謝する 作者はなんと語るのか…。どんなストーリーにするのか。 そんな本がもつ魅力を人...

この本を恐れ、孤独、不安…を感じながら読みながらいっきに読んだ。 次のページ、章に移るたび、どんな風に展開するか自分自身の想像を膨らませながら、はらはら、時に悲しみ、笑う。人として生まれたことに感謝する 作者はなんと語るのか…。どんなストーリーにするのか。 そんな本がもつ魅力を人間である事の魅力を全否定し断ち切る。 今の日本では考えられないけど、今も世界の中で思想や感情、文化、芸術、人間の持つエネルギーを断ち切る国がある。忘れてはならない。

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